2008.09.05

肩身が狭い山岳競技(周囲との比較という意味で)

昨日に引き続き,日本山岳協会ネタ.

M_ca340202_fencingcongratulations
日本山岳協会は,渋谷区の岸記念体育館という,いろいろなスポーツ団体の事務局が居を構えるビルにあります.北京五輪が終わったあとその日本山岳協会に行ったら,お隣の日本フェンシング協会前にこんな花が.これは日本選手として初めてフェンシングのメダルをとった太田選手の偉業をたたえるものですね.

日本山岳協会の左となりがこのフェンシング協会.さて,その逆の右隣は日本レスリング協会.これはメダル常連.さらに,お向かいは悲願の金メダルを達成した日本ソフトボール協会(どれも岸記念体育館の4階にあります).というわけで日本山岳協会は五輪メダルスポーツ団体の事務局に取り囲まれているわけです.

ああ肩身が狭い.こちらは五輪競技ですらないですからね.とはいっても,国際的なクライミング団体であるIFSCは,IOCの公認スポーツ団体には入っています.

なにはともあれ,スポーツクライミングも,選手がいい成績をあげたら協会に花が贈られるくらいの注目度を得たいものです.

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2008.09.04

スペインクライマーin日本

M_ca340201_spainclimberssignature
東京都渋谷区にある日本山岳協会事務局にて.

1991年(もう17年も前だ)に日本でクライミングワールドカップが行われた時にスペインチームから贈られたものです.今見るとずいぶん懐かしい名前があります.パチ・アロセニャやアナ・イヴァニエスなんて覚えてますか?

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2008.07.31

小林由佳,セールシュバリエ大会で2位

もはや従来通り「由佳ちゃん」と呼ぶことがはばかられるくらい堂々とした風格を身につけあるクライマー小林由佳.長い伝統を誇るセール・シュバリエ国際大会(フランスで続けられている,有力選手を招待して行われるエキシビションマッチ)で,見事二位です.

女子結果 (画面下のほうに選手写真コーナーがあって,その「9」「10」「12」番で小林選手の写真が見られます)

ただし,あれ?と思ったことがひとつ.某所に書いたことを転載:

>WWWの内容によると,
>予選決勝オンサイト→上位3名によるアフターワークのスーパーファイナル
>という方式だと書いてありますね.

>でもSFは女子のみ行われていますね(男子の方では安間君が4位でした).
>ユカちゃんはファイナル同着1位>だけど,その時点でカウントバックすれば
>1位. うーむ,スーパーファイナルの意味がよくわからん・・・

まあ,IFSCの正式大会ではないということで,いろいろローカルルールや「柔軟な」対応があった,とは現地に行ってきたコーチの話でした.

なんにしても,超一流選手に混じっての2位は立派.なお,男子では安間佐千が4位入賞(ここの「2」番に写真あり).二人して,日本の力,アジアの力を示しました.

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2008.07.21

DreamCatcher (5.14d) 世界最難レベルのフリークライミング動画

先日めずらしくニコニコ動画を貼り付けたので,ひとこと・・・

ニコニコにしてもYouTubeにしても著作権侵害の画像が出ていることがありますよね.なかには権利者からの申し立てにより削除される映像もあるようですけど・・・ でもややこしいのは,著作権者自身が宣伝のために動画サイトに公開している画像ですね.

さて,YouTubeにbigupproductionsさんという方がいくつかの画像を公開していますが,この名は実はクライミング画像制作会社(公式サイトはこちら.ビデオ映像もバッチリあります).確証はなかなか得られないのですが,会社がYouTubeに公開したのかもしれません.

では見ていただきましょう.カナダのスコーミッシュという所にある,DreamCatcherと名付けられたルートです.人類が初めてこのルートを墜落なしで登り切った(専門用語では「初登」といいます)時の映像です.クライマーはクリス・シャルマ. アメリカの,いや世界の第一人者です.

(6分強ある映像ですが,お急ぎの方は3分00秒のあたりからご覧ください)

ちなみにこの映像は「Dosage Vol.4」というDVDに収められています.ほかにも思わずため息の出るような画像のオンパレードです.日本語による評価は,たとえばピラニアさんによるものがあります.ノーズのグレートルーフやチェインジング・コーナー(この単語で反応する人はクライマーしかいないか…)を登るトミー・コールドウェルの映像もありますよ.2005年におけるヨセミテでのトミーの活躍は杉野保さんの解説がありますのでご参考まで.トミーは日曜大工の事故で手の指を一本失っているのですが,そのハンディを全く感じさせない登りですね.

トミーのクライミングシーンはこのDVD以外にも複数ありますが,いずれも,妻であるベス・ロデン(いつも二人で岩登りをしている)との夫婦愛に満ちあふれていてなんだか心が豊かになります.ビレイ(確保)しているベスの声援が,クライマーであるトミーが苦しんでいる時に絶妙のタイミングで聞こえてきて,それによりトミーが力を復活させるというあたりがもうなんだか,泣かせてくれます.  前述のDVD「Dosage IV」では,24時間弱に及ぶ壮絶なノンストップ登攀を終えたトミーがたどり着いた岩壁の頂点に,妻のベス(前半の登攀ではビレイを務めた)が待っていました.疲労困憊の夫を抱きしめるベス.言葉もなく抱き合う二人の姿に心打たれます.

<後日記>BigUp Productionによる公開ビデオはたまにURLが変わってしまうのですが,2008年秋にはトミーのグレートルーフはhttp://www.bigupproductions.com/#/vidplayer/The_Great_Roof/に,クリスのドリームキャッチャー(上記)はhttp://www.bigupproductions.com/#/vidplayer/Dreamcatcher/に置かれていますね.こういう高解像度映像を制作会社が公開している以上,上のようなYouTube画像へのリンク(それも制作会社の名でアップされたもの)を貼ってもOKと判断しました.

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2008.07.17

リードワールドカップ・シャモニー大会 安間佐千が二位

昨日に引き続き・・・

http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=resultservice&comp=1100&cat=1

今度はリード競技(ロープをつけて高いところに登る.簡単に言えば,一番高いところまで落ちずに登った者が勝ち)の世界大会.7/12-13にフランスのシャモニで開かれました.そして日本人選手が二位.安間佐千(あんま・さち)選手です.栃木県出身.

準決勝を完登(ルートを完全に登りきること.普通は一人か二人しか出来ない程度の難しさに設定される)しましたが,オランダの選手に決勝で逆転されました.それでも世界の強豪を相手に堂々たる戦いぶりです.

日本語による解説記事は,日本フリークライミング協会にて.

今年のリード種目は6月下旬の中国(チンハイ省)大会から始まっていて,安間はその開幕戦では3位でした(→http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=resultservice&comp=1120&cat=1).今回一つ上の順位もとったということで,今年度中に表彰台の真ん中ということがあるのでしょうか.女子の野口・小林,そして男子の安間と,世界制覇を視野に入れることができるプレーヤーが増えつつあるのがうれしいかぎりです.

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2008.07.16

野口啓代,ついに世界を制す

遅くなってしまいましたが,重大ニュース.

http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=resultservice&comp=1099&cat=5

何かといいますと,一位が日本人.いずれワールドカップで表彰台の真ん中に立つだろうといわれた野口啓代(あきよ,と読みます.茨城県出身の若手クライマー)選手ですね.

フランスのモンタバンというところで行われたボルダリング競技(ロープをつけずに低い壁を複数トライする.出来るだけ多くの課題をできるだけ少ないトライ数で登った選手が勝ち)世界大会での優勝です.ワールドカップでの日本人優勝は,リード競技では天才・平山ユージがかつて何度か成し遂げていますが(年間優勝も2度獲っている),ボルダリングでは史上初.


今年はアンナ・シュトーという強力なライバルが現れ,つぎつぎと一位を掻っ攫っていったのですが,そのアンナが今大会では精細を欠き,隙を見逃さず野口が優勝したというわけです.年間通算ランキングの表彰台も十分現実味を帯びてきました.秋にロシアで今季最終戦があるのですが(*),ここで大きく取りこぼさなければ二位か三位は取れるでしょう.

日本語による解説は,日本フリークライミング協会のサイトにあります

本人のブログにも記事がでていますね

日本の若手女子は世界的に見てもレベルが高いのですが,その若手軍を率いるリーダー格になりつつありますね.

(*)2008年度からスケジューリングが見直され,年間の前半はボルダリングが主,後半はリードが主となりました.秋のロシア(ボルダリング)は,ですからやや例外的です.

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2008.07.15

翡翠原石館(終)

昨日の続き:やっと終了です.

暴風雨に閉じ込められたわれわれは翡翠原石館の内部をつぶさに見学したわけです.

#それにしても翡翠原石館のドメイン「hi-su-i.com」はものすごいなぁ

M_20080712_hisuiinside

明るい吹き抜け(写真は再掲)を持つ一階に入ると,そこが受付.700円払って入ります.館の大きさに比べると高額に感じるかもしれませんが,内容はなかなかのもの(ちなみに,紅茶をサービスしてくれます).受付の人に自分はクライマーなのでヒスイ峡は行ったことがあると立ち話.


M_20080712_hisuitenji

二階は明るい展示室.原石がごろごろしていて,コレクターの場となっているそうです.館の主らしき人がなにやら商談をやっていました.

一階から二階に上がる階段の脇には,翡翠を中心に鉱石を大量に使ったモザイク壁画もあります.壁画の題名は「奴奈川姫」.これを読める人はかなりの通?ぬなかわひめ,と読みます.日本を代表する翡翠産地糸魚川に残る伝説の主人公です.大国主命がわざわざプロポーズのためにやってきたというほどの知性と美貌の持ち主.

ぬな河の底なる玉 求めて得し玉かも 
 拾いて得し玉かも
 あたらしき君が老ゆらく 惜しも
(万葉集より)


さて,後回しになりましたが一階の紹介です.

M_20080712_hisuirouka

1階の吹き抜け部から続く廊下.敷石は当然全部翡翠原石です.写真左の黒いドアを入ると展示室です.面白いことに展示物にはすべて値札がついています.この館は工作所を併設してあり,ここで作ったものも売られているようです(商品の一部紹介).

妻と二人で「懐かしく」展示を見ておりました.なぜ懐かしいかというと,実は初デートが東京・上野の国立科学博物館,それも翡翠展見学だったからです(すでにマニアックさを発露し始めているような).そういえばあの日も雨だったような気がする・・・

この展示室は非常に暗かったので写真はなし.同館のWWWサイトの写真でお楽しみください.


M_20080712_hisuitigermark
さて,廊下の入り口の敷石が面白い.トラの図柄が現れた原石です.

もとは巨大な岩だったのを切断・整形する際に切り口に現れた模様だそうです.さて,その原石は結局何になったかといいますと・・・



M_20080712_hisuifuro
お風呂です

分厚い石で出来た浴槽.さすがに熱容量が大きいので,なんと最初から70度のお湯を入れるんだそうです.で,浴槽全体が温まる頃にはちょうどいい湯加減になっている,と.そうなると,簡単にはさめないですね.それにしても光熱費がかかるだろうなあ・・・と貧乏性にも考えてしまいました. ヒスイに打ち込んだ館のオーナーの執念を感じさせる代物でした.

なお,ヒスイ峡にも糸魚川の海岸にも,見てすぐ分かるほどのヒスイがごろごろしているわけではないそうです.海岸ではなんとダイビングしてヒスイを探す人もいるとのことでした.

ゆっくり見学し,紅茶をいただき(マニアックにミャンマー産かと思ったらさすがにそうではなかったらしい)一息ついたら,雨も上がりました.それにしても短く(そしておそらくは狭い範囲の)強い雨・風でした.この館に入らなかったら全身ずぶぬれは確定だったでしょう.

何度も行くところではないかもしれませんが,実に面白い館なのでありました.

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2008.07.14

野分(翡翠原石館3)

野分というコトバがあります.

のわき,と読みます.俳句の世界では季語になっています.古語でもたまに出てくる言葉です.そういえば源氏物語54帖の中に巻名として出てきます.

意味は,暴風雨.とくに台風関係です(強風で御簾がまくれあがって,夕霧の目に美女(紫の上)の姿が見えた・・・というのが源氏物語「野分」の描写).

さて,翡翠原石館に入ってすぐに起こったのが,まさにこの野分.

M_20080712_hisuiniwa
雨・・・というジャンルじゃないですねこの音は.もしこれが一時間続いたら100mm/時間超は間違いない音.と思ったら,なんと降っているのは金平糖くらいの大きさの雹ですね.屋根をたたく轟音が瀟洒な博物館の中に満ちます.そしてもちろん強風.広い庭(写真を再掲.よく見ると木々がぬれているのが分かるでしょう).


一緒にいた妻は「こんな危険な香りのする風雨は初めて」と申しておりましたが,あがたしにとっては3回目くらいかな.風という点ではかつて安達太良山に登ったときの「砂利が真横に飛んでくる」横風が一番ものすごい体験ではありました.雨ならば本当に1時間通算で100mm超を食らったときがあるし(これは市街地~東京都杉並区~でしたが).このときは雨宿りと称してバーにはいって結局一晩帰れなかったんでしたっけ.雨を言い訳にしたわけじゃないけど(笑),あれじゃ外に出てゆけないという雨脚でした.

それはそうと,この美術館は外光を大きく取り入れる構造になっているので,庭が丸見えです.その庭の木々が大きく大きく揺れています.近くでは結構再開発とやらで大型クレーンを入れた高層ビル建築が進行中なんですよね.あれらが倒れてしまわないか,何か事故は起こらないかと心配になってしまいました.

というわけで本格的に雨宿り決定となってしまったわけです.でも雨宿りという用件(?)がなくとも,ここは大変面白い場所でした.<続く>

<後日記>気象庁の記録がでています.写真や考察付きです:PDFファイル.ダウンバーストや,よりマニアックにはFスケールといった専門的言葉の勉強もできますよ. ちなみにレーダーを少しかじった人間としては,p.10にあるレーダーエコー図のなんとなく放射線状になっている形状を懐かしく思う次第です.

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2008.07.13

翡翠原石館2

昨日の続き・・・東京都品川区北品川の翡翠原石館探訪記です.


M_20080712_hisuigenseki

入り口で迎える新潟・小滝翡翠峡産の原石.なんとなく緑に見えるところが,ヒスイを思わせますね(正確には純粋なヒスイは白色を呈するのですが,金属原子がいろいろはいって緑や紫やいろいろな色になります.この写真の緑のところはヒスイでしょうが,白いところまでそうなのかどうかは分かりません). 小滝翡翠峡といえばロッククライミングの場として有名な「明星山P6南壁」が一気に川に落ち込んでいるところ.

では建物の中に入ってみましょう.

M_20080712_hisuiinside

こんな感じの明るい吹き抜けのある瀟洒な建物です.白い壁が多く,そして

M_20080712_hisuiniwa

大きなガラス越しに庭が見えるので,非常に明るい感じです.



が,

その光景はすぐに一変しました. (続く)

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2008.07.12

翡翠原石館(東京都品川区北品川)

新居さがしをしているところです.で,紹介されたところのうち一つは見にいけなかったので,二人で場所と周辺環境くらいは観察しようということで出かけました.場所は天下の御殿山.要するに御殿山住宅街を見に行きたいという理由もちょっとはあったかも・・・

さて,家の外観や周囲を見終えて,では大崎駅に行きますか,となったとき.雲行きがあやしい.こりゃ寒冷前線きてるね.夏らしい(?)夕立でもくるかな・・・と思いながら歩いていると,こんな展示が普通の民家に見えるコンクリ打ちっぱなしの塀の外側に.

M_20080712_hisuisototenji

なかなか綺麗な水晶と翡翠ではありませんか.それにしてもなんでこんなところに.宝石屋がある感じのところではないし.


M_20080712_hisuisign

角を回り込むと,こんな標識が.

「翡翠原石館」


翡翠原石といえばミャンマー.実はミャンマー大使館がすぐそばにあるのだけどその関係か?日本ならば糸魚川の小滝峡.クライマーからすると明星山(みょうじさん,と読めたらあなたもクライマーに違いない)P6南壁を思い出すところ.

M_20080712_hisuiexterior

森に包まれた瀟洒な邸宅.ここが翡翠原石館なのでしょうか.お金持ちの普通の住宅にしか見えないのだけど.

と思ったらぽつぽつ雨が降って来ました.これは本降りがすぐそば.雲の流れをみるとかなりの擾乱がきそう.雨宿りを兼ねて入ってみることにしました.

「翡翠原石館」 http://www.hi-su-i.com/ マニアックなところでした(このドメイン名にもほれます) 東京都品川区北品川4-5-12(→地図) そのなぞの中身は,また後日.

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2008.06.24

南海の奇岩を登る

いかにも古そうな空中写真。昭和28年に撮られたものです。

そしてそれから47年後に撮られた同じ地点の空中写真

(いずれも国土地理院の「国土変遷アーカイブ」より)

絶海の孤島、いや、島というより岩。あたり一面の水面に陸地はまったく見えないのに、高さ99mの岩が突如にょっきりたっている場所です。その岩の名は「孀婦岩」。18世紀に発見されました。当然航海中に見つけられたものですが、始めて見た人は本気で驚いたことでありましょう(発見時の様子は長谷川亮一さん「幻想諸島航海記」にある「グランパス島」の項に詳しいです)。

さて、クライマーならば誰しも考える。「ここは未登だろうか?」

答えは、少なくとも二回登られています。2003年に登った記録があり、当時の「山と渓谷」に掲載されました。また、この岩に至り帰ってくるまでの航海もなかなかおもしろく、船の雑誌にも載ったそうです。

興味深い写真満載のブログ記事→孀婦岩(そうふいわ)(ブログ「Hey! Manbow」20050321記事)

さらに、頂上でのショットという実に貴重な写真が載っている記事もあります→孀婦岩登攀サポート航海

ところで、岩に取り付いた登攀隊の一人は、有名クライマーである南裏健康さんですね。いかにもこんなことやりそうですね。なお、岩への取り付きは、ゴムのテンダーからの危険な飛び移りだったそうです。ますます南裏さんが好きそうなスタイル…

ところで、南裏さんが登頂したとき、頂上には古びたハーケン(ピトン)があったそうです。したがって、この頂上は少なくとも2回人間が到達したということになるわけです。

そういえば薩摩川内市下甑のナポレオン岩も登頂記録を読んだことがあります。クライマーの好奇心は無限大です。

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2008.06.23

クライミングin大分国体会場

先日書いた大分国体の話、実は6/6-8にリハーサル大会があって大分に行っておりました。

その報告が「チャレンジ!おおいた国体」WWWサイトに載っていました

写真のうち、白い帽子をかぶっているのがスタッフ。地元の方です。一部高校生ボランティアも混じっています(会場は高校構内で、その高校の生徒さんらが来てくれました。本当の地元)。皆一生懸命でした。

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2008.06.19

国体に行こう!

国民体育大会、略して国体。

いろいろ、曲り角に来ています。戦後の日本で各地に体育施設をつくり、スポーツ振興につとめてきたその業績は大いに認めた上で、しかし国・都道府県・地元自治体にとっては、過重な負担がそれに見合うベネフィットなしで押し付けられるという構図が指摘され始めるようになったわけです。 そしてまた、いくつかの競技では必ずしも国体が国内最高峰の大会ではなくなっている現状もあります。

で、ここ数年進んでいるのは「国体のスリム化」。

さらに2013年あたりからいくつかの競技は「隔年実施」になるかもしれません。正確にいうと、競技は天皇杯・皇后杯の対象となる「正式競技」とそれ以外の「公開競技」さらにそれ以外のデモンストレーション(A,B)の4種にわかれ、さらに正式競技が毎年と隔年に分かれるということです。

このあたりのことは日本体育協会(体協と略されることが多い)のWWWサイトに資料があります。

国体で正式競技となるものは、国際総合スポーツ大会で実施されているか、日本の伝統競技であるものです。夏秋季と冬季をあわせて40競技程度に抑える予定とのこと。

わが山岳競技はどうか?とりあえず国際団体(IFSC)がIOCに凖加盟したRock and Iceによる記事)わけですから多少強くは出られそうなのですが、それも他競技に対する絶対的な長所となるとは限りません(IOCによるrecognized sportsはこんなにあります。チェスやブリッジといったボードゲームもありますね)。

というわけで、今日夜は原宿近くにある日本山岳協会本部で会合。ちなみに今年の国体は大分県。「チャレンジ!おおいた国体」といいます。実は今月大分に行きました。これはリハーサル大会と呼ばれる大会があったためです。いつもどおりジャッジ業務を淡々と・・・というわけにはいかず、表彰式(国体のは実に立派だ)で喋ったり地元スタッフの質問に答えたりと忙しい日々を送りました。

それにしても、竹田市にはおいしい焼き肉屋があるものです。

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2008.05.16

逝く人去る人


東大スキー山岳部の新井 裕己君が亡くなりました.

いろいろと精神的に負担になることが多かったこの3~4月だったけど,これはその極めつけの第一号.

え,?

第二号があるのかって?それはいまのところ内緒.

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2008.04.08

8aから9aへ

エイプリルフールから1週間が過ぎてしまいました。

以下、フリークライミング(以下、クライミング)を知らない人にはまったく分からないネタ。そして微妙にジョークとは断定できない点も含んでいるところがいとをかし:

世界のクライミングシーンの最新ニュースを配信しつづける8a.nuというサイトに載った記事です:

5月からサイト名を「9a.nu」にします

拙訳:
このサイトが始まったとき、「8a」という難易度は、すべてのクライマーがいつかは超えたいと思うレベルを意味していました。しかしいまや、世界のトップクライマーは8aでウォーミングアップする段階に達しています。このようにレベルが向上したクライミング界において、8a.nuを運営している私たちはその進歩の流れに追従する必要があるという考えをもっています。そのため、この5月1日からこのサイトの名前を「9a.nu」に変更することといたしました。中身はまったく変わりません。どうぞお楽しみに。

−−−
クライミングルートの難しさを表す方法は数種類あります。そのうちフランス・スペインなどでよく使われるのが「数字+英小文字(a,bまたはc)」の形で表す方法です(細分化のため、「数字+英小文字+”+”」の形も使われる)

そのうち、「8a」というのはクライミングがひろまり始めた15年ほど前ならば、「一生に一回は登りたい」と思わせるようなハイレベルの、ほとんどのクライマーにとって夢のような難易度でした。 が、クライミング人口が増え、屋内型トレーニング施設(人工壁)も着実にその数を増し、さらに各種トレーニング技報が洗練されてきたこともあり、いまやトップクライマーなら「8a」程度は当たり前、下手するとウォームアップ。最先端はすでに「9a」のレベルまできています。さすがに9aを登れるクライマーは世界に100人はいないでしょう。国内だとまだ5人程度でしょうか(日本でよく使われるヨセミテ式表記だと、おおよそ5.14d程度に相当)、と思ったらもう少し多いのかな。ただし、当初5.14dとされていたルートが、他の人が登ったらそうでもなかったという例もあるので、なんともいえません。

そういう流れを受けての記事ですので、実はちょっと信じてしまう自分がここにいます(笑)。まあ、8a.nuというのはクライミング界ではかなり確立されたブランドですので、そうそう変えたりはしないと思うのですが。上記リンクのコメント欄でも「ジョークかどうか分からないのだけど、もし本当ならちょっと考え直したほうが・・・8a.nuってすでにestablishedされた名前だよね」といった意見がありました(もうすぐハリー・ポッターが9aでウォームアップするから、来年は10a.nuにしなきゃね、というさらなるジョークコメントもあったけど)

(2008.5.2記:5/1にはやっぱり「8a.nu」のままでした(笑))

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2008.03.21

スポーツクライミング最新ルール(2008-09)

国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が,2008-09年用ルールを公開.こちらです↓

http://www.ifsc-climbing.org/2008/IFCS_rules_2008_final.pdf

とりあえず,今年のメジャー変更点と称するファイルのうち,よく使う3~5章分を「超訳」してみました.

ただし,この文書は同じファイル名で内容が違う版がいくつか存在し(しばしば改訂されていた),あがたし自身は下訳を現行版とは異なる未公開(i.e.未完成)版で作成していたため,細かい点に齟齬が生じているかもしれません.

また,この文章はあがたしが属するいかなる団体についても,その公式声明と一致するとは限らないことにご注意ください.すべてはあがたしの個人的メモとして作成したものだとご理解くだされば幸いです.

=====

第三章 一般規則

3.3 ほか

安全基準に関しては"IFSC 基準(ENないし該当する国際基準)"を指すようにした.

3.4.1 and 3.4.4.a)

予選のオーダーは無作為に決めるように(再び)した.そのため,各選手がおおよそのスタート時刻を推定できるようにすることが必要になり,それに応じて予選スタートリストの準備方法を以下のように変更した:

・競技の4日前までにIFSCウェブサイトに選手名簿を公開する
・テクニカルミーティングにおいて,暫定スタートリストを公開する.
・最終版スタートリストは,予選ラウンドに先立つアイソレーションゾーンクローズの時点で作成する.選手をリストから削除したり加えたりする作業にあたっては,再び順番を無作為に入れ替えるということはしない.

3.4.4 c)

リード競技において予選を2ルートのフラッシュで行うという形式を導入した.このため,次の二つの場合における予選競技順の決定法を策定した:

1.一つのルートを全選手が競技順に従って登る形式のとき.これはCYS(大陸別ユース選手権;これまではヨーロッパユース選手権と呼んでいた)で行われてきた方法である.このときは一つのルートを競技順に登ったのち,二つめのルートを前半後半入れ替えて登る(あがたし:第一ルートを選手1,2,3...,19,20が登ったら,第二ルートを選手11,12,...20,1,2,3...10がそれぞれ順に登ります)

2.二つのルートが同時に登られる形式のとき.まずシードを適用したのちに選手を二つの組にわけ,ランダムに競技順を決定.一つのルートを追えた選手はもう一つのルートの競技順に加わる.(あがたし:3.4.4.cの内容を書きました)

3.4.4 d)

ボルダリングの準決勝競技順は予選順位の逆順とする(あがたし:2006年までのルールに戻した)

3.13.5

IFSCが公開するランキングに,CYSR(大陸別ユースランキング)を加えた

第四章 リード

4.1.7 二ルートフラッシュ形式の予選を導入したので,その形式における順位決定法を明記した.これはもともとEYSルールに書いてあったものを第四章に導入したものである.

4.5.1

クライミングタイムを固定し,予選6分,セミファイナル・ファイナルは8分とした.ただしJury PresidentはチーフセッターやIFSCデリゲイトの助言をうけてこれを変更することも可能である

4.5.2

オンサイトの場合は,個人オブザベーション時間(最大40秒)はクライミングタイムに含まれないようになった.たとえばファイナルの場合は選手は最大40秒間のオブザベーションに加えて,まるまる8分登れることになる(フラッシュの場合は異なる)

4.5.3

クライミングタイムの計測は選手が地面を離れたときに開始するようになった.

4.5.5 d)

規則からtechnical errorという文言をはずし,直接「Zクリップ」と書くようにした.

4.5.6

クリーニング間隔が20選手を超えないことを義務づけた

4.8.5

各選手が二ルートを登る予選の場合でも,必ずしもすべての選手が二つのルートを登らなくてもよい.片方のルートを登らなかった選手はその登らなかったほうのルートでは最下位のランクがつけられ,予選終了後に(あがたし:4.1.7の方式で)予選順位が付けられる.理論的には,片方で充分いい成績をとっていればこうしても予選通過は不可能ではない.

第五章 ボルダリング

         予選ラウンド  準決勝   決勝
--------------------------
ボルダー数     5       4      4
時間*       5分     6分      4分   

(*)予選・準決勝の場合はローテーションピリオドの時間.決勝の場合は制限時間.なお,決勝の場合には時間切れの際アテンプト中だったらそのアテンプトだけは続行できる


5.1.5

準決勝が終わってから決勝が始まるまでの時間をすこし長くした.これは準決勝の競技順を変更した(あがたし:というか元にもどした)ために一部の選手の休憩時間が短くなってしまったことを補償するためである.

5.1.6

予選ラウンドのボルダー数は5とする

5.1.9

各ボルダーの「Jury」はひとりとする(あがたし:ここは5.1.9を読んでも意味がとりにくい.たぶんボルダーごとにひとりのジャッジという意味と思われるのだが,ひとりの「Jury」プラスひとりのアシスタントジャッジがダメだとは書いていないように思う)

5.2.3

ファイナルではボルダー数×2分の共通オブザベ時間が設けられる.ボルダー1に2分,つづいて全員がボルダー2に移動して・・・という手順.

5.3.1

ローテーションピリオドは,予選では5分とする(準決勝は6分)

5.3.4

ファイナルのローテーションピリオドは4分とする. ただし,この4分のタイムリミットが来る前に登り始めたアテンプトに関してだけは,いざ時間切れになった場合でも続行してよい.(あがたし:これは盛り上がるかも)

5.4.1

(あがたし:意味がとりにくかったのだけど次のような内容である可能性がもっとも高いと判断.どうでしょう?)

ボルダーの「完登」の条件については,最終ホールドを両手で制御する(あがたし:今年からはholdではなくcontrolと動詞が変わった)ということは変わりない.しかしジャッジの「OK」というコールが必要という点については,今回からはその間の関係を変更した.

新ルールでは,ジャッジが「OK」とコールすれば無条件に完登が認められる.これはジャッジがミスジャッジをおかした場合でもそうである. 2007年度ルールまでの文言では,正当に処理することができないようなアピールが届く可能性があったためである.

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2007.11.17

横浜湧水めぐり

歩いた

ずっと歩いた.とにかく歩いた.血を吐くまで歩こうと思った.

ナニカ物騒なことを言ってますが,要するに相当長い間膝の負傷によりろくに行動出来なかったことが,いかにストレスになっていたかが,いざ歩き始めると分かったというわけでして.

というわけで膝の負傷が癒えぬうちにぉぃ,ひたすら歩きに励んだ日々なわけです.

こういう歩きは夫婦二人ではできない.妻はそんなに丈夫ではないのであがたしの歩きには着いてこられませんから…と思ったら違った,妻は要するに「常人並み」なのらしいのです.あがたしの周囲には昔から異常なほど歩きにつよい人が揃っており,あがたしはその人たちにははっきりと負けているため,自分が常人くらいかそれより下と思いこんでいたわけです.しかし違った.つきあう人々があまりに偏っていたのかなあ.

#一応書いておくと,夫婦二人の歩きは,ただ歩くというのとは別の価値がたくさんあります.お互い見えなかったものが見えてくるという点もあるけど,一番の要点は「いっしょにいる」ということ.

さて,あがたしが歩くとなると岩か水か.今は予算の関係で車をかなり遠くにおいてあるので(それに運行もお金がかかるのでございます.軽(ジムニー)だから多少安いとはいうものの.とりあえず1年くらいエンジンもかけていないような気がする),あまり遠くに行けません.となると都心在住としては岩は却下か.では水は?

そうだ!

まだ都心から日帰りで行けるところで探索していないところが山のようにある.意外と湧き水豊富な横浜はどうだろう.子供の頃住んでいた横浜ではあっても,その後しっかりとした探索はしていないような気がする.

そこで出てくるのが,「横浜丘の手湧水マップ」(横浜北部湧き水探偵団製作発行,1998年).

これは今見ても貴重な資料だ.なぜ今まで本棚に埋もれさせていたんだろう.すぐに行かねば.

というわけで,明日からは横浜の水とそこへのルート(かなり回り道をしている場合も多し)を紹介.

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2007.10.12

クライミング・ワールドカップ史

ネットというのは便利なもので,いくら身体がわるくてもこれだけのことを調べられます.1990以降のワールドカップ史を以下に披露.さああがたし自身は39度の発熱を克服して,土日のワールドカップ(15年ぶりの日本開催)のスタッフを無事つとめられるのか?まあ今日はゆっくり寝ます.

=====
以下は,できるだけIFSCの公式サイトから記録を引用しています(URL記載)が,古いところ(1990年以前)は載っていないので活字媒体を参照しています.

●1988年および以前の世界大会は,手元に記録がないので書けません・・・てかWCって何年から始まったのだっけ?1988か1989だったような気がするのだけれども.
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●1989年(ワールドカップ・サーキット)
全7戦:リーズ(英),ラ・リバ(スペイン),バルドネッキア(伊),スノーバード(米),ブラーツァ(ブルガリア),ヤルタ(ソ連),リヨン(仏)
(IFSCサイトに記録なし.「岩と雪」138号p.18参照)
 女子
  1.アンヌ=フランソワーズ(通称ナネット)・レボー(仏)
  2.ルイーザ・ヨヴァーネ(伊)
  3.ロビン・アーベスフィールド(米)
 男子
  1.サイモン・ナディン(英)
  2.ディディエ・ラブトゥ(仏)
  3.ジェリー・モファット(英)
ちなみに平山裕示はまだ35位.「岩と雪」138号といえば,ローツェ南壁でイェジ・ククチカが墜死した(1990.10.24)ニュースが載った号ですね.

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●1990年(ワールドカップ・ヨーロッパ・シリーズ)
全6戦:ウィーン,マドンナ・ディ・カンピリオ(伊),バークリー(米),ニュルンベルク,リヨン,バルセロナ
 (IFSCサイトに記載なし.「岩と雪」145号p.22参照.暫定成績)
 女子
  1.イザベル・パティシエ(仏)
  1.リン・ヒル(米)
  3.ナネット・レボー
リン・ヒル伝説の「はじめの一歩落ち」が起こったのはこの年のニュルンベルクです.この年は,最終戦後になぜか年間成績の計算方法が突然変わり,全戦通算ではなくて各選手上位5戦の合計となってしまいました.そのため,リンとイザベルが同点1位ということになりました.なにかすっきりしない結末,フランス山岳会がCICE(当時の国際コンペ委員会)に抗議し,CICEはいったんこの結論をひきあげて再協議・・・というところまでは岩と雪145号に載っているのだけど,そのあとどうなったんだろう?
 男子
  1.フランソワ・ルグラン(仏)
  2.ジャッキー・ゴドフ(仏)
  3.ジム・カーン(米)
この年から平山裕示が7位に入っています.また,彼はこの年には欧州のコンペ~ワールドカップではないにしても~で初勝利をあげました(ニュルンベルク,フランケンユーラ国際カップ).

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●1991年
全6戦:ウィーン,クルゾーネ(伊),インスブルック,東京,ニュルンベルク,バーミンガム
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=10
  1.イザベル・パティシエ
  2.スージ・ゴート(スイス)
  3.ロビン・アーベスフィールド
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=10
  1.フランソワ・ルグラン(仏)
  2.フランソワ・ロンバール(仏)
  3.平山裕示
ついにワールドカップがアジアに来た!そんな年です.その東京では平山裕示がWC初優勝.ちなみにこの年から,世界選手権(以後2年に一度)が始まりました.また,平山はこの年のアルコ・ロックマスターの覇者となっています.

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●1992年
全6戦:チューリヒ,神戸,ニュルンベルク,ザンクトペルテン(オーストリア),ラヴァル(伊),バーミンガム
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=9
  1.ロビン・アーベスフィールド
  2.イザベル・パティシエ
  3.リン・ヒル(米)
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=9
  1.フランソワ・ルグラン
  2.ルカ・ザルディーニ(伊)
  3.J.B.トリブ(仏)
ルグランの強さは相変わらず.神戸大会も彼が制しました.水平カチ地帯に足ブラキャンパシングで突撃したスーパーファイナルは伝説.

ザンクトペルテンの大会は,国際ジャッジにとって非常に有名な大会です.このときブーリン結びが自然にほどけて選手がグラウンドフォール・大怪我という事態になったのです.現在ではコンペでは8の字結びが必須となっていますが,それにはこういう過去があるわけです.

==============================
●1993年
全6戦:フランクフルト,チューリヒ,トゥーロン,黒海,ニュルンベルク,ラヴァル
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=8
  1.ロビン・アーベスフィールド
  2.スージ・ゴート
  3.エレナ・オフチニコワ(露)
上位二人は全戦参加でしかも必ず表彰台にのったというすばらしい成績.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=8
  1.フランソワ・ルグラン 5戦出て2,1,1,1,1位の磐石
  2.フランソワ・プティ(仏)
  3.平山裕示
ちなみに5位にフランソワ・ロンバール(仏).当時,生まれた男の子を強いクライマーにしたければ「フランソワ」と名づけるべし,というジョークを聞いたことがあります.

この年は実は東京開催も予定されていましたが,中止になってしまいました(ほかにリレハンメルとバーミンガムも中止).その後2001年まで,アジアでのWCは開かれませんでした.

==============================
●1994年
全4戦:ヴィラッハ(オーストリア),モスクワ,エクセレバン(仏),バーミンガム
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=7
  1.ロビン・アーベスフィールド
  2.イザベル・パティシエ
  3.ナタリー・リシェ(仏)
ロビンは全戦1位の完全優勝.コンペ復帰のイザベルもまだまだ強い.3,4位(リヴ・サンゾ)にフランスの若手がのし上がる.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=7
  1.フランソワ・ロンバール
  2.フランソワ・ルグラン
  3.J.B.トリブ
ついにルグランが首位陥落.とはいうものの6位までフランス勢が独占.フランソワ・プティ,フランソワ・コフィ(ともに仏)まで含めると,上位8名中4名が「フランソワ」.ここでフランソワ伝説がさらに強化されました.

==============================
●1995年
全4戦:フランクフルト,モスクワ,バーミンガム,エクセレバン
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=6
  1.ロビン・アーベスフィールド
  2.ローレンス・ギヨン(仏)
  3.リヴ・サンゾ(仏)
ロビン4連覇.ただし1,2位の差はだいぶ縮まってきました.2位のGuyonは1995,96年のみコンペ出場でめざましい成績.そして,今もトップでがんばるムリエル・サルカニー(ベルギー)は,この年のフランクフルトで初めての表彰台.それにしても息の長い選手です.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=6
  1.フランソワ・プティ(仏)
  2.フランソワ・ルグラン
  3.アーノルド・プティ
プティ兄弟が世界のトップに.

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●1996年
全3戦:エカテリンブルク,クラニ(スロヴェニア),グラーツ(オーストリア)
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=5
  1.リヴ・サンゾ
  2.ローレンス・ギヨン
  3.ステファニー・ボデ(仏)
5位までフランス勢が独占.「どうみても普通の華奢な女の子」リヴ・サンゾがついに頂点に.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=5
  1.アーノルド・プティ
  2.フランソワ・プティ
  3.クリスティアン・ブレンナ(伊)
プティ王国ここに樹立!

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●1997年
全5戦:クールマイヨール(伊),プラハ,クラニ,イムスト(オーストリア),バーミンガム
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=4
  1.ミュリエル・サルカニー(ベルギー)
  2.リヴ・サンゾ
  3.ステファニー・ボデ
のちにはじまるサルカニー王朝の前触れ.それにしても150cm台の体格(IFSC資料による)でよくやるものです.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=4
  1.フランソワ・ルグラン 見事な復活劇!
  2.アーノルド・プティ
  3.フランソワ・プティ
ちなみに5位にはあのクリス・シャーマ(米)が入っています(クラニ大会で1位).

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●1998年
全3戦:クールマイヨール,ミラン,クラニ
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=3
  1.リヴ・サンゾ
  2.ミュリエル・サルカニー
  3.ステファニー・ボデ
リヴとミュリエルの一騎討ち.お互い2位以上ばかり.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=3
  1.平山裕示
  2.クリスティアン・ブレンナ
  3.イェフゲン・クリヴォシェイツェフ(ウクライナ)
ついにユージがWC年間チャンピオン.2,1,1位という圧倒的な強さ.それにしても年間3戦というのはどうよ?と思うかもしれませんが,それはそれで1戦ごとの選手の集中力が試されて見るほうにとっては面白いのかもしれません.ちなみに平山は2年後に全5戦を戦い通して(すべて表彰台)チャンピオンに返り咲いています.

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●1999年
全4戦:ウィーン,ライプツィヒ,ブザンソン(仏),クラニ
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=1
  1.ミュリエル・サルカニー
  2.リヴ・サンゾ
  3.マルティナ・クファー(スロヴェニア)
いまにつづくスロヴェニア女子選手列伝はここに始まるか?クファー(キューファー)が出てきました.韓国のゴー・ミスンが年間9位.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=1
  1.フランソワ・プティ
  2.フランソワ・ルグラン
  3.アンドレアス・ビントハマー(独)
両フランソワ,まだまだ衰えを見せませんね.平山は相性のいい?クラニで2位.同じ大会で小山田大が5位(実は前年のクラニで4位).

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●2000年
全5戦:シャモニ,レッコ(伊),クールマイヨール,ナント(仏),クラニ
「最終戦はクラニ」というのがお約束になってきた?
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=33
  1.リヴ・サンゾ
  2.ミュリエル・サルカニー
  3.ステファニー・ボデ
あまりに同じメンバーばかりなのですが,ベスト3以外は新鋭もぞくぞく出てきています.ちなみに韓国のゴー・ミスンはこの年6位.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=33
  1.平山裕示
  2.アレクサンドル・シャボー(仏)
  3.クリスティアン・ブレンナ
平山が王座奪回.3,3,2,1,1位というめざましい成績でした.

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●2001年
全5戦:シャモニ,レッコ,アプリカ(伊),クアラルンプール,クラニ
ひさしぶりにWCがアジアに帰ってきた!
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=46
  1.ミュリエル・サルカニー
  2.マルティナ・クファー
  3.サンドリン・レヴェ(仏)
このころのリザルトは,今でも活躍している選手が増えてきた感があります.サルカニーはこれから破竹の連覇街道.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=46
  1.アレックス・シャボ
  2.ジェローム・プーブロ(仏)
  3.トマス・ムラツェク(チェコ)
クアラルンプール大会を制したシャボが年間チャンピオン.そしてユース出身のトマス・ムラツェクが2戦優勝.いまに続く活躍はご存知の通り.

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●2002年
全7戦:ボルツァーノ(伊),イェカテリンブルク,イムスト,レッコ,シンガポール,アプリカ,クラニ
「年に一度はアジアで」が定着し始めました.
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=52
  1.ミュリエル・サルカニー
  2.サンドリン・レヴェ
  3.マルティナ・クファー
マヤ・ヴィドマーやナタリア・グロスもベスト10に入り,スロヴェニア勢の脅威を皆感じ始めた年.とは言うもののサルカニーの強さ(7戦中4勝)は圧倒的.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=52
  1.アレックス・シャボ
  2.トマス・ムラツェク
  3.ジェローム・プーブロ
シャボは全7戦中6勝と他を寄せ付けない成績.ほかにフラヴィオ・クレスピ,ラモンフリアン,シルヴァン・ミレーやセドリック・ラシャーなどがランキング上位に顔を出し始めています.

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●2003年
全10戦:イムスト,イェカテリンブルク,レッコ,アヴィレス(スペイン),アプリカ,プラハ,ヴァランス(仏),クラニ,深セン(中国),エディンバラ(英)
中国で初のワールドカップ.また,年間10戦はそれまでで最多です.1998年には3戦しかなく先行きが危ぶまれていたのですが.
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=59
  1.ミュリエル・サルカニー
  2.サンドリン・レヴェ
  3.アンゲラ・アイター(オーストリア)
5戦優勝のサルカニーは相変わらずの強さ(これで年間チャンピオン5回目.これは今も最多記録)ですが,ユース世代のアンゲラ・アイターがついに出てきたことも大きなニュース.ティーンネイジャー強し.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=59
  1.アレックス・シャボ
  2.ラモン・フリアン・プッチブランカ(スペイン)
  3.フランソワ・オークレー(仏)
ひさしぶりに「フランソワ」がトップ3に.出だし4連勝のシャボでしたが,後半はラモンやパチ(総合4位)など「新興勢力」が勝つようにもなってきました.

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●2004年
全9戦:プールス(ベルギー),イムスト,シャモニ,マルベラ(スペイン),上海,アプリカ,ヴァランス,ブルノ(チェコ),クラニ
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=73
  1.アンゲラ・アイター
  2.ミュリエル・サルカニー
  3.アレクサンドラ・アイヤー(スイス)
  3.ナタリア・グロス(スロヴェニア)
さあ来ましたアンゲラ.後半のミュリエルは若手に押され,こりゃ引退も近いかなと誰しも思ったのですが,どっこい2007年に大復活.ちなみに小林由佳がワールドカップに参戦し始めた年でもあります(この年は14位).
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=73
  1.トマス・ムラツェク
  2.アレックス・シャボ
  3.フラヴィオ・クレスピ(伊)
ムラツェク戴冠!両肩の刺青と鋭い眼光で会う人を驚かせる強面ですが,イイ人です.

==============================
●2005年
全9戦:ヴェリコ・タルノヴォ(ブルガリア),プールス,イムスト,チューリヒ,シャモニ,マルベラ,上海,ヴァランス,クラニ
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=75
  1.アンゲラ・アイター
  2.マヤ・ヴィドマー(スロヴェニア)
  3.キャロリン・シアヴァルディニ(仏)
アンゲラvsマヤの図式はこの年から.もっとも,この年はアンゲラが優勝を逃したのは1戦のみという大差でした(年間8勝は今も残る最多記録).当時は,これから数年,まだ若いアイターが覇権を握り続けると思われたものですが・・・ ちなみに小林由佳がシャモニで初の表彰台(3位).
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=75
  1.フラヴィオ・クレスピ
  2.ヨルグ・フェルホーフェン(オランダ)
  3.セドリック・ラシャー(スイス)
フラヴィオの老獪かつ流麗な登りが印象的.なぜだか落ちないんですよね,この人.

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●2006年
全10戦:プールス,ドレスデン(独),シャモニ,青海(中国),シンガポール,クアラルンプール,マルベラ,上海,ペンネ(伊),クラニ
なんとアジアで4戦も開かれた年.
 女子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=94
  1.アンゲラ・アイター
  2.サンドリン・レヴェ
  3.キャロリン・シアヴァルディニ
アンゲラはまたしても,表彰台に立たなかったことが一回だけ(上海)という好成績.
 男子
 http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=94
  1.パチ・ウソビアガ・ラクンサ(スペイン)
  2.ダーフィト・ラマ(オーストリア)
  3.フラヴィオ・クレスピ
「オーストリア流トレーニングメソッド」が男子でも世界を席巻し始めました.新鋭ラマが快進撃開始.そして無限の持久力をほこるスペインチームも大活躍でパチがチャンピオンに.翌年平山ユージがトレーニング法を学びにスペインに飛んだのも無理はない?

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2007.10.11

日本のワールドカップ史[2] 1992神戸大会

1991年の東京大会から1年.ワールドカップがふたたび日本に上陸しました.場所は神戸ポートアイランド・ワールド記念ホール.10/9-11の開催です.

1992年のワールドカップ全6戦中2戦目.10/9のインターナショナル・オープン予選(ここから,仏2名,日本8名が本戦出場となった)に続いて,10/10がクォーターファイナル,10/11がセミファイナル&ファイナルとなりました.本戦二日というのは,いまと同じタイムスケジュールですね.

参考資料は「岩と雪」156号です.

=====

<クォーターファイナル>

男子は57名の参加.二つのルートに振り分けられてのクォーターファイナルです.おおよそ5.12ノーマルのルートですので,世界の一線級は続々と完登.日本からは平山裕示・寺島由彦・柘植求がセミファイナルにこまを進めました.

女子は27名.大岩あき子が完登,茂木恵利子もセミファイナルへ.

<セミファイナル>

男子は5.13a.8人も完登してしまいました.この8名が決勝へ.それにしても,決勝で一位同着がでたらスーパーファイナルか・・・こういう状態を「SF注意報」とジャッジ間では呼んでいます(実際スーパーファイナルとなりました).

平山は完登で,唯一の日本人ファイナリストに.昨年東京大会につづく地元優勝はなるか?

準決勝落ちのメンバーがすごい.J.B.トリブ(仏),エリー・シュヴュー(スイス),フランソワ・ロンバール(仏),フランソワ・プティ(仏),ルカ・ザルディーニ(伊),フレッド・ニコル(スイス)がそろって討ち死に.

女子は4名が完登.前シーズンのチャンピオンであるイザベル・パティシエ(仏),世界の女王リン・ヒル(米),前年東京大会を制したロビン・アーベスフィールド(米),フランスのナネット・レボーです.大岩は8位で決勝に進めず.今の決勝定員だったら,日本勢初の決勝進出となったのですが.アニェス・ブラール(仏),ルイーザ・ヨヴァーネ(伊)もここで涙をのむことに.

<ファイナル>

結局女子も男子も完登が複数でてしまいました.

まず男子.絶好調のフランソワ・ルグラン(仏)と,米国のジム・カーン.平山は遠いアンダーを保持しながら足があがらずフォール.東京大会と共通した(遠いアンダー)落ち方ですね.

そして女子.イザベル,リン,ロビンが完登. というわけで,スーパーファイナルはくしくも男女ともにフランスvsアメリカという様相になりました.

<スーパーファイナル>

男子ファイナルをそのまま利用した女子SF.アメリカのロビンとリンが同じところでフォール(リンはそれまでに男子ファイナルルートを完登してしまったという「前科」があるのですが,今回はダメでした).イザベルがすこし先に行き,まず”米仏対決”は仏の一勝.

男子SFは新たなルート.フランソワ・ルグランはルーフをのっこす場面で,顕著なクラックをまったく使わず(ジャミングができなかったのか?),細かいエッジをキャンパシングで登るという荒業に出て観客を沸かせます.ジム・カーンはそのルーフ超えに届かず,男子もフランス勢が制しました.

決勝順位
男子
1 フランソワ・ルグラン(仏)
2 ジム・カーン(米)
3 パチ・アロセニャ(スペイン)
4 平山裕示
5 シュテファン・グロヴァッツ(独)
5 ジャン・ポール・フィンヌ(ベルギー)
7 イアン・ヴィッカーズ(英)
8 ヴァンサン・アルブラン(仏)

女子
1 イザベル・パティシエ(仏)
2 リン・ヒル(米)
2 ロビン・アーベスフィールド(米)
4 ナネット・レボー(仏)
5 アナ・イバニエス-トドラス(スペイン)
6 ナタリー・リシェ(仏)

全成績はこちら→http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=result&comp=75

<神戸大会あれこれ>

・この会場は2006年の兵庫国体山岳競技(クライミング)でも使われました.

・現場の解説者は中根穂高氏.毒の効いたジョーク連発で,観客の関西クライマーは大爆笑.外国人選手から,「彼はいったい何をしゃべっていたんだ?」と真顔で聞かれた人がいるというエピソードも.

・写真をみても,「金かけてるな~」と思わせる壁と演出.3×15mの壁(ちなみにどれもピラミッド)が4面です.会場を暗転させて壁がぼおっと浮き出る照明も見事.

・1992年ワールドカップは6戦が行われ,神戸は2戦目でした.ほかは,チューリヒ,ニュルンベルグ,ザンクト・ペルテン(オーストリア),ラヴァル(仏),バーミンガム.年間チャンピオンは,男子はまたもやフランソワ・ルグラン(平山は4位),そして女子はロビン・アーベスフィールド(大岩は17位)でした.

・ちなみに1992年からは,1位が100ポイントで30位までがポイントがつくという,今の形に近いポイント制度になりました.ただしこの時期は3位が60点(今は65点)でした.

・神戸大会のレポートが載った「岩と雪」156号.東京大会の150号と同様に,大物の訃報がでています.高所アルパインのピエール・ベジャン(アンナプルナI南壁で墜落),そしてフリーではあのウォルフガング・ギュリッヒ(早朝ラジオ番組に出演した帰りに居眠り運転で交通事故).
 ギュリッヒがアクシオン・ディレクト5.14dを初登したのは前年9月(東京大会の一ヶ月ほど前).そのすぐ後結婚したのですが,楽しい新婚生活は1年続きませんでした.世界を駆け巡った悲報の衝撃はいまでもよく覚えています.享年31,命日は8/29です.

・この1992年はJFAのジャパンツアー(現在は終了)が始まった年です.その1年目の総括が同じ「岩と雪」156号に載っています.初年度チャンピオンは男子大村康則,女子杉守千晶.ちなみに10年たった2001年末には「10年間チャンピオン」が発表されています(男子柴田朋弘,女子加藤保恵 「FreeFan」35号)

・1992年にはまた,アジア選手権も始まっています.初回はソウルでの開催でした(「岩と雪」157号p.93~).男子は韓国のリー・クンテク,女子は茂木恵利子が初代チャンピオン.

・この神戸大会以来はしばらく,日本どころかアジアでもワールドカップはひらかれず,2001年のマレーシア大会がひさしぶりのアジアでの開催でした(「Rock&Snow」14号p.74 アレックス・シャボ(仏)とムリエル・サルカニー(ベルギー)が優勝).
 個人的には,マレーシア大会ははじめて世界コンペのジャッジをしたことで思い出深い大会です.日韓などアジアの選手(とくに平山ユージ)に対する地元の方々の声援がものすごかったことをよく覚えています.

・例によって,選手の執念をうかがわせる記事を引用:
 >ある日本人選手が語った,フランス人の勝利への執念を物語るエピソードがある.
 >「あいつらオブザヴェーションを終えるなり,走ってもどってくるんだ.
 > そしてウォームアップの壁のなかに同じホールドがないかどうかさがして,
 > 見つけたらそいつを徹底的に触りまくる.ある選手なんか壁の後ろに置いて
 > あったスペアのホールドまで箱の中から取り出してたぜ.異常だよ.」
 (「岩と雪」156号(1993.2) p.78 文:北山真 より)

(選手名敬称略)

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日本のワールドカップ史[1] 1991東京大会

>その瞬間彼(引用者注:平山裕示)は,ちょっとはにかんだ
>ような笑みをうかべ,おもむろに片手をあげて600人を超える
>観衆の拍手に応えた.歩行者天国のロックバンドが鳴りひびく
>なか,拍手はいつまでも続いていた.
 「岩と雪」150号 p.50より

1991年ワールドカップ全6戦中4戦目は,史上初めてアジア地区で行われた東京大会(リードのみ)でした.

舞台は代々木第二体育館の「子供プール」に設けられた高さ16mの特設壁.10/18~20(さらには10/17がインターナショナル・オープン予選)という,いまから考えるとえらくのんびりした進行です(現在WCは,一種目のみの場合は二日で行なう決まりになっています).

このころはわたしもクライミングをはじめたばかりで,この東京大会自体ほとんどかかわっていませんので,参考資料である「岩と雪」150号p.9-11,50-53をもとに紹介します.
=====

初のアジア地区大会ということで,中国・台湾(中華台北)・ホンコン・インド,そしてなぜかメキシコ,と新たな国々がワールドカップに登場した大会.19カ国・1地域から総勢107名の参戦でした.

ルートセッターチームは,アントワーヌ・ル・メネストレル(懐かしい!)をリーダーに,堀地清次・大岩純一・橋本覚・大工英晃の各氏.すごいメンバーです.

10/17はインターナショナル・オープン(予選.男子のみ行われた.上位10着までが本戦出場).32名(うち日本選手22名)から,9位タイを含めて9名の日本選手,3名の韓国選手が通過しました.

<クォーターファイナル>
これからが本戦.選手総計は男子59,女子28名.
男子はすでに日本代表が決まっていた5名をあわせて計14名,女子は6名の日本選手が出場した翌18日のクォーターファイナル.当時は準決勝枠が男子と女子とでことなり,男子26名女子16名でした.

男子は難しいルートだったようで完登なし.ディディエ(・ラブトゥ,仏)を筆頭に26名が準決勝進出.うち日本選手は平山裕示・牛澤敬一・杉野保・柘植求・草野俊達・佐藤豊.有名どころでは,ロベール・コルティジョ(仏)やルカ・ザルディーニ(伊),そしてセヴェリーノ・スカッサ(伊)がここで敗退.

女子はロビン(・アーベスフィールド,米)やイザベル(・パティシエ,仏),スージ(・ゴート,スイス)など強豪が順調に完登し,日本選手としては大岩あき子・茂木恵利子・室井由美子が通過.

<セミファイナル>
翌19日.男子8名・女子6名のファイナリストを決める戦い.男子は平山とフランシスコ・アロセニャ(スペイン)のみが完登.結局決勝進出日本選手は平山のみとなりました.有名どころ(後に有名となった選手を含む)では,ジャッキー・ゴドフ(仏)やエリー・シュビオー(スイス)が準決勝落ち.

女子はロビンとスージが完登し,堂々トップで決勝進出.日本選手はあと一歩及ばず.なんと当時世界の第一人者だったイザベルがホールド見落としの凡ミスで敗退.ルイーザ・ヨヴァーネ(イタリア)もここで姿を消しました.
(二人とも,現在のファイナル定員~8名~なら決勝に残れたのですが)

<ファイナル>
20日日曜日.見事な快晴.有料入場者数は600人を越えたそうです.屋外会場だったので天気が心配されたのですが,なんとかもちました.それにしても,ファイナルだけで一日使うとはなんとも豪勢な時間の使い方・・・

男子.最初の選手ディディエがいきなり出だしで落ちる.次のクラウス・ビューヒェレ(独)もそれに続く.なんなんだこれは.セッター陣に緊張が走ります.しかし心配無用でした.フレッド・ニコル(スイス),フランソワ・ロンバール(仏)と高い成績をあげる選手が出てきました.ベルギーのジャン・ポール・フィンヌ,フランスの人気者ジャンーバティスト(ジベ)・トリブののぼりのあと,いよいよ平山裕示登場.ここまでのトップはロンバール.

平山は不思議なクロスムーブでロンバールの落ちたポイントを越える.大歓声.しかしその先の,かなり遠いアンダーをリーチいっぱいで保持したところでフォール.しかしこれで銀メダル以上は確定.そして,最後の選手アロセニャ.カウントバックにより,もし平山と同成績だったらアロセニャが優勝だったのですが,届かず.これにて,ついに平山裕示がワールドカップ初優勝を決めました.冒頭引用文はこの瞬間の描写です.

この年のアルコを制し,第一回世界選手権(フランクフルト)で2位に入って期待されていた平山,見事地元優勝.まさにアジアの星.

女子.顕著なルーフで勝負がわかれました.ルーフをこえたのはロビンとナネット・レボー(仏).二人が同高度ですがカウントバックによりロビンが2年ぶりの優勝となりました.表彰台常連ながらシルバーコレクターと化していたロビンのうれしい表情.そして,新鋭スージ・ゴートが3位.

決勝順位
男子
1 平山裕示
2 フランソワ・ロンバール(仏)
3 ジャンーバティスト・トリブ(仏)
4 フレデリック・ニコル (スイス)
5 フランシスコ・アロセニャ(スペイン)
6 ジャン・ポール・フィンヌ(ベルギー)
7 クラウス・ビューヒェレ (独)
8 ディディエ・ラブトゥ(仏)
女子
1 ロビン・アーベスフィールド(米)
2 ナネット・レイボー(仏)
3 スージ・ゴート(スイス)
4 カトリーヌ・グレーゼネル(ベルギー)
5 アナ・イバニエス(スペイン)
6 アニェス・ブラール(仏)

全成績へのリンク集→http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=result&comp=84

<1991年東京大会の余談>

・東京大会は1991年ワールドカップ全6戦中4戦目.ほかはウィーン,クルゾーネ,インスブルック,ニュルンベルグ,バーミンガムでした.年間優勝は男子フランソワ・ルグラン(平山は2位),女子はイザベル・パティシエでした.ちなみに当時は1位が25ポイントで,15位までにポイントが与えられました.
 (「岩と雪」151号p,18-21参照)

・この大会は深夜に地上波で放映されたのを見た覚えがあります(解説は大島三枝さん).それだけでなく在京TV6局が取材におとずれ,多くの雑誌・新聞にもとりあげられたそうです.

・当時の写真や記録をみると時代を感じます.壁のわきにぶらさがるウォールジャッジの存在(この当時,ジャッジの試験科目にはユマーリングがあった!),成績がホールド高度で示されるところ~平山の成績は「12.95保持」~,男子と女子で決勝定員が違う,などなど.

・この大会(そして1週間前に行われたジャパンカップ)は運営にまずいところがあり(とりわけ仰天なのは,日本選手にアイソレーションクローズ時間を誤って伝えてしまい,一名が時間切れ失格となってしまった!),同じ「岩と雪」150号に載っている中根穂高氏の連載「かかってきなさい」でケチョンケチョンにされていました.

・その「かかってきなさい」によると,この大会の予算は5千万,6千万といったうわさが流れていたそうです.本当だとすると,バブルの夢がまだ残っていたこの時代の豪気さを感じますね.

・この岩と雪150号は記念特大号(定価も特大だった).内容もかなり「濃い」です.長谷川恒男氏の訃報があったり(さらにマニアックには佐伯文蔵氏の訃報もある),東京にヒラリー・エルゾーグ・ボニントン・メスナーが集結した記事があったり,めずらしく堀地清次が選手としてコンペに参戦,優勝した記録がみられたり.そして国内クロニクルの面白さは秀逸.採石場跡地につくられた「仮面ライダールート」の取り付きは「ショッカー広場」!そういえば赤岩青巌峡のMOVE ON(5.13d)が発表されたのもこの号.ここから神威につなげるラインがやっと昨年登られたわけで,ずいぶん時間がかかったものだと改めて思います.

・一流選手の執念をみせるエピソード:
 >表彰式も終わり,夕風が吹きはじめるなか,後片づけの最中にラブトゥが
 >男子ファイナル・ルートのホールドを元にもどすよう要求.アーベスフィールド
 >(引用者注:ラブトゥのパートナー)と2人で黙々とハングドッグして
 >いた.失敗に終わった自らのクライミングを噛みしめるかのように,
 >いつまでも・・・
 「岩と雪」150号 p.52 筆者不明

(選手名敬称略)

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2007.10.08

現地からの情報

<交通>
・駐車場のキャパは,その気になってつめこめば500台(!).もっとも,体育館目の前のものではなくて近隣(体育館裏やパストラル加須など,徒歩2~3分のところ)ですが.
・駐車は無料です.
・大きなイベントを行なうときは警察・消防に連絡をする.そこで相談したところ,「この規模のイベントならば周辺の渋滞はあまり考えなくてよいでしょう」といわれたらしい(ほっとしたような悔しいような?混雑するくらい観客がきてくれれば,それはそれでうれしい悲鳴ではあります.ただ周囲に迷惑なので,加須駅から何百人がずらずら歩いてくるという光景が主催者としては一番?).
・ただし行楽シーズンなので,東北道自体が混雑する可能性はあり.実際6日は羽生・久喜IC付近などで10kmクラスの渋滞があったそうです(伝聞)
・加須駅からのバス輸送は,大会側ではとくに行っていません.天気が悪くなければ,歩いてもそんなに苦にはならないです(タクシーだと初乗りの距離.徒歩20分弱).

<飲食>
・食べ物持込・会場での飲食は,いつもはダメなのですが大会当日は床を全面シート養生するので特別にOK.ただし競技期間中の飲酒はご遠慮ください(お酒メーカーがメインスポンサーなのに,残念?).
・余裕で歩ける距離に「炭や」「グリルド・ウフ」「バーミヤン」などがあるほか,当日観客に配布するパンフレットに,周辺レストランマップを挟み込んでおくそうです.

<会場>
・ロッカー・更衣室は使えません
・ビデオ撮影・写真撮影はOK.もちろんほかの方の迷惑にならない範囲で・・・
・ただし観客が入ってはならない場所,登ってはいけないタワー,プレス専用の場所,などなどがありますのでスタッフの指示に従ってください.
・赤ちゃんのおむつ替えベッドが,身障者用WCの中にあります.

<時間>
・当初,13日の予選開始をぎりぎり早めの9時としていましたが,参加者人数をみて,12時開始(Observationはその少し前から)に変更になりました.ご注意ください.
・13日は開会式が入り口ホールであり,それが終わってから観客入場となります.開会式は11:30開始の予定です.

<交通について補足>

加須駅から会場(加須市民体育館)までの地図は
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=36.7.55.842&lon=139.36.16.654&sc=4&mode=map&type=scroll

を参考にされるといいかもしれません.一本道で1.5kmくらいです.

直接のバス路線はないのですが,ちょっと裏技的なものとしては,朝日自動車のバス路線「加須駅→大越馬場」にのり「上三俣」で降りると歩きが 500mに短縮されます(上記地図にも「上三俣」バス停が見えます.バスを降りたら橋を渡って西へ進み,パストラルかぞを南(向かって左)に回り込むように進むと会場が見えます.

もっとも,このバス路線,本数が少ないのですが,
http://www.asahibus.jp/html/time/kaso04.html
日曜日 08:57発 → 10時からの準決勝を最初から見たい場合
     14:26発 → 15時からの決勝を最初から見たい場合(ちょっと遅れてしまうかも?)

が,それぞれなんとか好適かと思います.

また,別の裏技としては,これは土曜日しか使えない(日曜は休み)のですが,加須市が提供している循環バス(無料)がありまして,これが加須駅と加須市役所を結んでいます.
http://www.city.kazo.lg.jp/simin_k/51230.asp
http://www.knet.ne.jp/~ats/c/ka/kazo.htm
もっとも,こちらはさらに本数が少なく,また予選を最初から見るのに適した時刻表ではないのですが・・・

<宿泊についての情報のリンク>

もちろん,近隣在住のクライマーの方がねぐらを提供してくれるかもしれませんが,とりあえず宿情報へのリンクを・・・(選手が宿泊する宿ははずしてあります)

公式サイトの「格安の宿宿泊情報」
http://www.climbing-wc2007.com/about/accommo.html

JFAのサイトに紹介された,鴻巣高校宿泊施設
http://homepage2.nifty.com/jfa/index.htm#wc_acomo

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2007.10.04

クライミングWC[4] 加須への道のり 男子編

はじめに:これはクライミングワールドカップ 日本大会 in 加須(埼玉県加須市,10/13-14)の宣伝のために某所に書いたものの,加除訂正の上での転載です.

これまでの投稿は,こちら:
[1]そもそもワールドカップとは
[2]ワールドカップの年間順位計算法
[3]加須への道のり 女子編

なお,これらの投稿はこのblogに書くより早く,mixiのフリークライミングコミュニティに書いていますので,スピード重視の方は,そちらをどうぞ・・・ ただしどうしても「図」のクォリティは落ちてしまうのですが.

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続いて男子ですが,こちらは女子と違って大勢の選手が表彰台を取り合っている状態です.

まず,トータルでの成績は,10位まで挙げると:
1. Jorg Verhoeven オランダ 346ポイント
2. Ramón Julian Puigblanque スペイン 326
3. Patxi USOBIAGA LAKUNZA スペイン 319
4. Tomás Mrázek チェコ 297
5. Flavio Crespi イタリア 280
6. David Lama オーストリア 237
7. Cédric Lachat スイス 218
8. Sylvain Millet フランス 215
9. Fabien Dugit フランス 141
10. 安間佐千 日本 130
となっています.

そして,ここまでの各大会の成績をまとめたものが
http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1&cup=99
です.


Wcscore2007_lead_male
図はこれをグラフ化したものです.

強いてグループ分けすれば,フェルホーフェン(さすがに彼は表彰台常連)とラモン&パチのスペインコンビが3強です.後者スペインコンビは世界選手権から絶好調で,現在強烈にフェルホーフェンを追い上げ中.この3者の熱く激しいデッドヒートが期待されます.

そして,彼らに追いすがるムラツェク&クレスピの古顔を併せて5強,そこから少し離れた位置にいるラマ,ラシャー,ミレーまで含めて8強,この8名がファイナル常連というところでしょうか(さらにスペインのエドゥも加わるはずなのですが).ただし,この常連メンバーもたまに大ポカ(藤沢秀行のような選手がいる・・・といえば囲碁ファンの方はおわかりでしょうか)の準決勝落ちをすることがあり,そこに他の選手のつけいるスキがあります.今年第一戦(オーストリア)での安間佐千の決勝進出はその意味で快挙でした.

1~3位間が27ポイント.充分逆転圏内.4位ムラツェクにもチャンスはある.絶対的な王者が見あたらない今年のWCを象徴するような点差です.

日本選手だと安間佐千が現時点で総合10位.ベルギー(Puurs)大会に出ていないハンディがあってフランスのDugitに抜かれていますが,加須でそれを挽回してくれるでしょうか.

そして他の日本人選手も,サプライズを起こしてくれるかもしれません.その結果上位選手の「皮算用」に狂いが生じたりして・・・

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国体終了

あがたしはスタッフに入っていなかったのですが(というより,足が癒えないあがたしは言っても足手まといだったはず・・・),秋田わか杉国体の山岳競技が無事終わりました.

終わったのですが,これがまたものすごい状態だったそうです.

何しろ試合直前に秋田に台風襲撃.会場の北秋田市周辺では(山ヤにわかりやすく言うと,森吉山麓です),道は流され,近隣住居は床上浸水,選手監督の宿も確保できるかどうかあやしい状態.そんななか現地から来る連絡は緊迫の状態を叫ぶものが連続.そもそも「縦走」競技(重荷を背負って山道を駆け抜ける過酷な競技)はほぼ全部山道じゃなかったか?

 結局,秋田岳連(山岳連盟)の方など,地元の人(ご自分の家や集落の復旧に手一杯のはずなのに)のまさに献身的というしかない努力のもと,なんとか,無事終了したそうです.ふー.

<後日記>現地に首都圏から派遣されたスタッフによると,地元の人が非常によく訓練・組織されていて,実に運営しやすい大会だったそうです.だいぶ練習したのでしょうか.その練習「成果」が台風で台無しにならなかったのは,幸いでした.

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2007.10.03

クライミングWC[3] 加須への道のり 女子編

はじめに:これはクライミングワールドカップ 日本大会 in 加須(埼玉県加須市,10/13-14)の宣伝のために某所に書いたものの,加除訂正の上での転載です.

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さて,加須大会は2007年度クライミングワールドカップ(リード種目)の全8戦中6戦目です.ここまでの2007年度ポイントランキングは,次の通りです.

ここまでの順位:
1. Angela Eiter オーストリア 376ポイント
2. Maja Vidmar スロヴェニア 344
3. Muriel Sarkany ベルギー 303
4. Mina Markovic スロヴェニア 218
5. 小林由佳 日本  197
6. Alexandra Eyer スイス 196
7. Natalija Gros スロヴェニア 194
8. Charlotte Durif フランス 192
9. Katharina Saurwein オーストリア 188
10. Sandrine Levet フランス 166

http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=ranglist&cat=2&show_calc=1&cup=99

に,2007年度ワールドカップのこれまでの戦績(女子・リード)があります.この表には,各選手がどこでどれだけの点数をとったかが書いてあります.

Wcscore2007_lead_female
これをグラフにしたのが添付の図です.

2戦目までは独走態勢だったアンゲラ・アイターを,3,4,5戦連続優勝したマヤ・ヴィドマーが猛烈に追い上げていることがよくわかると思います.いま両者の差は32ポイントです.加須でヴィドマーが1位,アイターが3位だったら逆転します.

最終的な年間ランキング計算には,もし全戦出場すればうち一戦は除外される(今年は8(>5)戦あるので)ことから,話はそう単純ではなくなってくるのですが,しかし,加須はもう8戦中6戦目ですので,上位選手は確実に「票読み」を行い始めているはずです.

「このジャパン・カゾで○○位になればあとは安泰,イヒヒヒ・・・」(下品で失礼)なんて皮算用している選手,「なんとかここでアイツに○○点差をつけて勝って突き放したい」あるいは逆に「差を縮めておきたい」という選手,いろいろです.こういう背景を知って勝負をみるとまた違ったおもしろさがあります.

ところで,アイター,ヴィドマー,「奇跡の復活」サルカニーが「3強」であることはグラフからはっきりしていますが,実はその下がいまものすごいことになっています.5位の小林由佳から9位のサウルワインまでが9点差にひしめく大混戦.また,小林と4位のマルコヴィッチの間も20点ありません(3位と4位の差は85点あります).さて加須では,この大混戦から誰かが抜け出すのでしょうか?

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2007.10.02

クライミングWC[2] ワールドカップの年間順位計算法

<<ワールドカップの順位計算法>>

大会ごと,種目ごとに1位100点,2位30点・・・30位1点という順位ごとのポイントをつけ,それらの「年間合計」で各種目ごとの年間チャンピオンが決まります.

「年間合計」とわざわざカッコを付けたのは,単純に全部足すわけではない場合があるからなのですが,それはあとまわしにして,各順位に対するポイントを書いておきます.原資料は,IFSCのルールブック

http://www.ifsc-climbing.org/2007/IFSC_rules_2007.pdf

のp.36(7.5.1条)です.

1 : 100 11 : 31 21 : 10
2 : 80 12 : 28 22 : 9
3 : 65 13 : 26 23 : 8
4 : 55 14 : 24 24 : 7
5 : 51 15 : 22 25 : 6
6 : 47 16 : 20 26 : 5
7 : 43 17 : 18 27 : 4
8 : 40 18 : 16 28 : 3
9 : 37 19 : 14 29 : 2
10 : 34 20 : 12 30 : 1
(同着がでても案分はしません)

Wcscore
図はこのスコアを棒グラフにしたものです.ごらんになればわかるように,1位になれば2位に20点という大きな差を付けることができますが,この点差は順位が下になると急激に小さくなります.表彰台に立つか立たないかは年間ポイントランキングに大きな影響を与えることがわかると思います.また,1位になれば20点以内の差は一気に逆転できるわけです.

ちなみに男子リードでは1位(フェルホーフェン)と2位(ラモン)の差がまさにちょうど20点で加須を迎えます.

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年間ランキングの計算は各大会で得たポイントを種目ごとに合算しますが,その対象となる大会は,その年の全大会とは限りません.ルールブック(上記)p.36の7.5.3に書いてあるように
・年間5戦以下しか開催されなかった場合,全大会
・年間6戦以上開催された場合,1試合を除いて合算
です.

この書き方だとちょっとわかりにくいのですが,たとえば2006年度はリードは10戦(これはルール上定められている最大の数です)開かれました.この場合,各選手のスコア合算対象大会は最大9試合となります.つまり,10戦全部出場した選手については,よかった大会9試合分を足し,それ以外の選手は全大会分を足します.

男子リードの2006年度結果は
http://www.ifsc-climbing.org/index.php?cup=94&page_name=ranglist&cat=1&show_calc=1
で見ることができます.上位選手は10戦全部でている場合が多いのですが,たとえば1位となったパチ・ウソビアガの成績のうち,カッコがついている第一戦(ベルギー大会.24位に終わり,たった7点)については得点計算から除外されています.

つまり,全戦参加した選手は,一試合ならば大コケしても大丈夫(?)

さて,それでは今年度のポイントランキングはどのようになっているのでしょうか.どのようなねらいで,各有力選手はニッポンにやってくるのでしょうか.そしてそれを迎え撃つ日本クライマーの立場は?

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2007.10.01

クライミングWC[1] そもそもワールドカップとは

はじめに:これは10/13-14に埼玉県加須市加須市民体育館で開かれるスポーツクライミング・ワールドカップin 加須 by八海山の宣伝のために某所に書いたことを,加除訂正の上転載しているものです.たくさんの方の来場をお待ちしております.

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スポーツクライミング・ワールドカップは,IFSC(International Federation of Sport Climbing http://www.ifsc-climbing.org/ )が主管する,年間に世界を転戦しながら数戦を行ったうえで年間ランキングを決定する世界最高峰のクライミング大会のことです.種目はリード,ボルダリング,スピードで,大会ごとにどの種目が行われるかは異なります(なお,アメリカでは別の組織が別の文脈でレベルの高い大会を行っていましたがここでは省略します).

要するに,

★「クライミング界のF1」★

であるわけです.

F1と同様に,毎年必ず一回はアジアにやってくるのが通例です.今年は8月の中国(西寧),そして10月の日本とアジアが2回あります.

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ところで,もはや説明の必要のない平山ユージ,そして世界ユースを2年連続で制した安間佐千,ワールドカップ決勝常連の小林由佳,ボルダーの世界選手権連続表彰台の野口啓代,ボルダリング男子の強者松島暁人といったクライマーが存在するのに,なぜか1992年(神戸大会)以来国内でワールドカップが開かれることはありませんでした.

しかしことしは関係者の方の尽力により,残念ながらリード競技のみではあるものの,15年ぶりのワールドカップ国内開催が実現したというわけです.

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2007.09.07

クライミングワールドカップ日本大会(10/13-14,埼玉県加須市)

宣伝もひとつの役目.昨日ちょっと書いたことの詳細:

IFSC クライミングワールドカップ 日本大会 in 加須

公式サイトの正式オープンです. 期日は10/13-14.埼玉県,加須市民体育館です.
世界一の登りを間近に見る千載一遇のチャンスです.ぜひふるってご観戦を.とくに二日目ね. でも,マニアな方なら,一日目(無料)から見ると普段お目にかかれない選手が出てきて面白いでしょう.

ちなみにIFSCとは国際スポーツクライミング連盟のことです.

というわけで動けないあがたしを抜きにして準備が着々と進んでいます(ほかのスタッフの皆さんごめんなさい).それにしても当日までにあがたしの身体は治るのか.

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2007.09.06

スパイダーマン,(また)逮捕さる

医療報道の話を続けようとしたけど,自身の行動もままならず,PCは勝手に再起動を繰り返し,メイルデータは数千通が消失し,ついでに未読メイルも数千通,というネガティブな状況では,やはり息抜きに逃避することが必要です,ということにしよう.そうでしょう諸君.

フランスの「スパイダーマン」、モスクワで「登頂」成功」(AFP BB News 20070905)

>世界各地の超高層ビルを登り「フランスのスパイダーマン」の異名を取る
>アラン・ロベール(Alain Robert)さん(45)は4日、モスクワ(Moscow)市内に
>位置する62階建ての高層ビル(242メートル)の「登頂」に30分かけて成功した。

むむ,単独無酸素アルパインスタイル(違)でモスクワに出没か.この調子だと,今度はクレムリンまで登りかねないぞ.

>その後、ロベールさんは警察に拘束されが、身元の確認だけですぐに釈放された。

もはやここまでくると,前科(?)も勲章か.とりあえず無事でいてくれることを祈るのみ.それにしても,この兄ちゃんのおかげでクライミングってずいぶん誤解されているような気がしないでもないが,でもやはりクライマーらしいといえばらしい.正確には,古きよき時代のクライマーか(でも違法行為は遠慮してほしいところではある).

まあ「健全なスポーツとしてのクライミング」に関しては,地道に宣伝を続けるしかないですな.ちなみにそちら方面は10月に日本で世界大会(15年ぶりの国内開催)が開かれます.場所は埼玉県加須市.

ちなみにアラン・ロベール氏の公式サイトはhttp://www.alainrobert.com/です.

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2007.06.17

クライミング審判の道(10/13-14日本で国際大会)

極度にプロフェショナルかつ興味持つ人の数は極小と思われるのですが・・・某所に書いたことを転載.最近あまり仕事ができていません:

=====


このファイルをみると自動的にダウンロードがはじまる(セキュリティ上「自動」ダウンロードはとりあえずストップされることが多いだろうけど・・・)のが,2007年度IFSCルールです.

このルール集,毎年細かい改定があります.で,今年の改定点を要約しているのが,

このPDF(英文)です.

重要なものは,

・ついに「赤テープ」廃止! 今後は「黒テープ」に一本化
・ボルダーのセミファイナルは,予選順位が上位の者から登り始める

あたりでしょうか.ほかにはジャッジ関係でいろいろ細かいところがあります:

・リードで,クリップホールドを指定する青十字があるにもかかわらずそのホールドでのクリップなしでさらに突っ込んだ選手がいた場合は,その青十字ホールドから先のムーブは成績に勘定しないということを明文化
・ボルダーで,全身がマットから離れた後スタートホールドに手足を置く前に落ちた場合,1アテンプトと勘定すると明文化(ジャッジ山本さんが議論を呼びかけていた件)
・Jury Presidentが,選手からの抗議を受ける前の仮発表順位表にサインをするという変なことはなくなった.抗議・審議プロセスを全部経た最終成績表に,コンペ終了後サインする

国際ネタでは,
・これまでの「CUWR」は「WR」に用語統一
・ナショナルチームのユニフォームの着用規程:男女で違っていてもよい.アテンプト最中にはteam topの着用が義務
・リード・ボルダー・スピードの複合順位を出します

ところでジャッジとしてはさらに興味深い(要するに,仕事が増える)のが,別の文書

”Numbering holds on LEAD competitions ”(PDF)

です(2006年夏のジャッジセミナーで論議・承認).リードの場合のホールドの順番付けについてのネタです.一番興味深いのが,二つのホールドをまとめて二つの数字を付すということができるというくだりでしょうか.

たとえばその付された番号が31と32だった場合,右手にしても左手にしても,そのどちらをタッチして落ちたのが最高高度だったら,「31-」になります.どちらの手でどちらのホールドをHoldしても成績は「31ノーマル」,同じ手でもう一つのホールドを保持しても「31ノーマル」. どちらかのホールドを片手で保持した段階でさらにもう片方の手でもう一つのホールドをタッチして落ちたら「32-」,これらホールドの「組」を両手で保持したら「32ノーマル」,その状態からさらに有効なムーブをおこしたら「32+」,当然ながら次のホールドに触れたら「33-」となる・・・といったホールドナンバリング案が書いてあるわけです.このようなホールド「組」を「duohold」と言います.

さらには,このルールを適用する場合には,ジャッジはduohold周辺で落ちた選手の「落ち方」を記載すべしとも末尾に書いてあります.

ああ仕事が増える(他にもコンペ途中でのリナンバリングも書いてあるし).


=====付記
これまで各ジャッジ(国内トップレベル大会をジャッジする審判ならば)誰もが個人的にやってきたことが,「実は俺もやっていた」「わたしも」「ぼくも」と国際ジャッジ会議の場で集約されて,それで明文化された,と認識しております.

それまでは明文化されないルールだったわけで. 日本選手権レベルをジャッジする審判は皆やっていたのだけど,これからそのやり方,成績のつけ方について次々とフォーマットが決まってゆくのでしょう.「見る」べきところと判断の基準はそうは変わらないのだけど,それをこれまでとは比べ物にならないレベルで定量化(すくなくとも他人と意見を共有できるような形で自分のつけた「成績」を根拠とともに提示するための資料を作成するということ)しなければならない.仕事が増えるというのは,そういう意味です.
=====付記おわり

今年10/13-14に埼玉県加須(かぞ)にて15年ぶりに国内で世界大会が開かれるんですけど,加須でのセッターおよびジャッジは,国際チームとなるはずですが,よくよく打ち合わせが必要です.

ところでもう加須の選手参加申込み状況が公開され始めていますね:
http://www.ifsc-climbing.org/index.php?page_name=startlists&comp=980

オーストリアからはさすがにアイターとラマ(それぞれ女子・男子で世界最高レベルのクライマー)が出場ですね.

日本の皆さん!世界レベルのクライミングを目の前で見るチャンスです!
10/13,14(とくに14日)は埼玉県加須市市民体育館集合ということで,どうぞよろしく.

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2007.03.21

千葉大柏キャンパスのボルダー増強

M_chibadaiboulder2
以前紹介したボルダーが増強されていたので,紹介.写真右部が今回増えたところ. ただし爪つきナットを使っていないのでホールドが回る回る(屋外ではステンレスを使わなければならないのだけど,ステンの爪ナットが見つからなかったらしい).今度ビスどめするそうです.

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2007.02.04

深川市にて,日本山岳協会講習会

向かった先は,北海道立青少年の家

M_pict0036_signごらんの通り,ブロック研修会と呼ばれるものです.近年猫の目のように変わるクライミングのルールや国体方式について,最新情報を伝授すると同時に模擬大会を催して北海道地区の審判員・運営委員の技術向上を目指すという趣旨.

M_pict0040_class座学を長くやり・・・


M_pict0039_wall当然実技も.

ちなみに体育館では空手の試合もやっていて,ものすごい歓声で声が通りませんでしたとさ.子供でもああいう切れ味鋭いハイキックをするんですね.それにしても試合終了の合図が太鼓とは知らなかった.クライミングでもまねしてみようかな.意外と外国選手にはウケるかも.

夜は当然飲み会.いやこれが楽しみで楽しみで,というのは半分冗談半分本気.こういうときに,しっかり人脈を作っておくのは大事なのです. クライミングの未来,若年層の育て方(山岳協会の研修会に来る方は地域の山岳スポーツをよく知る人で,けっこう中高の先生が多いのです),怪我と障害(本職の看護師の人もみえていたので「MP関節」とか「TFCC障害」とか専門用語を交えての会話が楽しかった)などなど,いつまでも話題が尽きませんでした.

でも結局持参のラップトップでいくつか仕事もしてからやっと寝ました,とさ.

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2007.01.25

メモ(国体山岳競技)

なぜだか知らんが,自分用メモ.国体の山岳競技についてです:

2006年:兵庫(のじぎく国体)
終了
(大会マスコットの「はばタン」が上っている壁はどうみても傾斜30度くらい.とほほ. そして上記リンクにて「ほぼ垂直の人工壁」という表現にもトホホ.でも,神戸市には本当にいろいろお世話になったそうです)

2007年:秋田(わか杉国体)
 北秋田市(これは旧鷹巣町・森吉町・阿仁町・合川町が合併してできた市.競技は旧森吉町で行われる),9/30-10/2
 縦走→ 森吉山特設コース (国体ではこのあと縦走競技は中止となる)
 クライミング→北秋田市森吉スポーツ公園
 秋田のマスコットキャラ「スギッチ」のクライミング競技版も,上っている「壁」はえらい緩傾斜だなぁ.

2008年:大分(チャレンジ!おおいた国体)
 クライミング・ボルダリングとも,竹田市 10/3-5
 (この国体から,縦走競技中止・ボルダリング競技の導入が始まる.そして,マスコットキャラ「めじろん」のクライミング競技バージョンは,きちんと垂直の壁をのぼり,そして行く手にはオーバーハングが待ち受ける!やっと実情を表すようになったか・・・)
 

2009年:新潟(トキめき新潟国体)
 クライミング→上越市安塚B&G海洋センター (特設)
 ボルダリング→上越市安塚B&G海洋センターアリーナ

2010年:千葉(ゆめ半島千葉国体)
 山岳競技の場所は,公式には未定
 どうでもいいが,千葉国体のマスコットキャラクターがやじうまWatchに出ていた(2007/1/22号)

2011年:山口(おいでませ!山口国体)
 クライミング→山口市・山口県セミナーパーククライミング場
 ボルダリング→同・山口県セミナーパーク体育館

2012年:岐阜(予定)
 山岳競技会場は未定

2013年:東京都多摩島嶼部(予定)
 
2014年:長崎(予定)

もうずいぶん先の国体が決まっていることに気づかれたでしょうか.国体の準備はおそろしく前から始まるのです...

最近,publicの時間は予算管理(膨大な書類!)と修論の面倒,privateの時間はこの国体準備で費やされているような気がしないでもない(ちなみにpublicな時間に関しては,あがたしは裁量労働制に移行しています).

 private関係の話は,国際山岳連盟認定国際競技公認審判員かつ日本山岳協会クライミング常任委員かつ日本オリンピック協会強化スタッフとしては受け入れなければならない責務ではあります.本業に差し支えないのない限り働くつもり(それはそうと,ほかの国体スタッフって,あがたしよりはるかに時間的にタイトな中学高校の教諭の方が多いんですよね.本当に大変そう.頭が下がります)

 さて,修論が終わって一段落ついたら,間髪いれず2/3-4は北海道に国体研修会の講師として行ってきます. 北海道にはもう30回くらい行っていますが,厳冬はもしかしたら初めてかもしれません(以前12月の札幌にはGAME関係で行ったことはありますが).

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2007.01.14

ルー大柴を思い出す

ひょんなことから発見した資料

NHK教育「ファイト!」,そしてルー大柴,秋山仁!

実はこの番組,あがたしも出演したことがあります. 上記資料では,なんと台本を渡されてのヤラセをさせられたそうで同情を禁じえませんが,あがたしの場合(クライミングネタでの出演)ではその種のやらせはなかったですね.そういえば大学の古い建物の立派な梁で懸垂している場面なり,豪華で頑丈な製図机の下に張り付いてトレーニングしている姿なりをしっかり放映されてしまった(本当に日ごろからそういうことをしていたのです).

ルー大柴からマイクを向けられたあがたしがエラそうに答えている場面,実は披露宴のスライドで一瞬使ったのだけど,あれがルー大柴だとわかった人は披露宴のゲスト120人中何人いただろうか?

さて,そんなことを言っているあがたし自身,ルー大柴については忘却の彼方だったのだけど,実は最近ネットで復活しているらしいです.

ブログ「ルー大柴のキャッチキャッチキャッチ!」

いやいや,ブログぐらいでは復活とは言わない.既存の日本語文から,彼独特のカタカナ交じりの文に自動「翻訳」してしまう,

ルー語変換

がネットで人気なわけです.これが「復活」の内幕.

ちなみに「ルー語変換」にて上記文章の一部を変換してみると,以下の通りです:

======
そういえばユニヴァーシティーの古いビルディングのスプレンディドゥな梁で懸垂している場面なり,ワンダフルでソリッドゥな製図机の下に張り付いてトレーニングしている姿なりをしっかり放映されてしまった.
======

ちょいとマニアな話題になりますが,ルー語変換のメカニズムについての解説も,なかなか面白いです. EDRDGは知らなかった.IT用語辞書のWebサービスインタフェースなら昔デジタルアドバンテージで公開していたなぁ(参考)・・・と思ったらまだあった(最終更新はおよそ5年前だけど…). 懐かしい話.ここのサンプルプログラム,Webサービスプログラミングを始めたかなり初期の頃に組んだ覚えがあります. 懐かしさのあまりさっきVS2005でも(今度はVBで)組んでしまいましたわい.

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2006.12.12

新婚太りは深刻

健康診断があったわけです.

・・・驚愕.体重71kg.人生史上最重量. 

たしかに結婚して以来あきらかに食べる量は増えました(正確には食事の回数が,かな)し,やたら消耗する岩場開拓も諸事情によりしなく(できなく)なっていました.

それにしても,これでは5.11aもあやしいな(クライマー単語).柏の葉クライミングクラブに入会するか.

それにしても,これを幸せ太りというんですかねぇ.

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2006.12.10

日山協と国体

柏の葉ららぽーとでやっていた,ららぽーと柏の葉クライミングクラブによる「クライミング講習会」,結局間に合わず.なにしろ着いたのは5時だからなあ・・・

なぜ遅くなったのかというと,原宿にある岸記念体育館にいたからです.この4階に,日本山岳協会事務局があり,そこで長い会議だったのでした.


ちなみに岸記念体育館は外観はただの(ややクラシックな)ビル.どこが体育館?と思う人も多数.実は地下が体育館なのです.さすがにあがたしは入ったことないけれど,入り口は見たことがある.もっと脱線すると,この入り口の真向かいにあるのが,スポーツ写真で有名なフォート・キシモト. 話をやや戻すと,日本のスポーツを取り仕切る日本体育協会(体協)もこのビル内にあります(さらにいうと日本オリンピック委員会(JOC)事務局まである).そして,日山協のみならず実にいろいろなスポーツの全国協会がここに事務所を構えています.ちなみに日山協の隣はレスリングだったかな.

それはさておき,日山協での会議は,今後の国体山岳競技の種目変更に伴う,ルールブックの巨大改訂の読み合わせ.関連する条文が多く,かつそれらが相互参照しあっているため実に大変なのです.それに用語定義がまだツメ切れていないところがある.国体は国体なりに長い歴史をもっているので,背負っているものも大きいしなんといっても関わる人がとんでもなく多い(山岳だけでも,全国に資格保持者が数千人という規模だ!).資格制度改正は慎重にならなくてはなりません.

ところで,岸記念体育館の真向かいは国立代々木競技場.今日はそこで昼食でした.実はこの競技場,初めて入りましたわい.実は朝この前を通ったら若い女性の長蛇の列.なんじゃいこれはと思ったら日本チアリーディング選手権とのこと. それはそうと,競技場内にあるレストラン505というところに入りました. 505の語源がよく分からなかったけど,日本の体育史において重要な数字なのでしょうか.

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2006.12.03

クライミングの「天覧」試合

そういえば昔,こんなことがあったな,と思い出した今日このごろ. 「神の国」発言の森嘉朗さん(元首相),いまどこで何をやっているかご存じでしょうか?

森元首相は,少なくともこの秋の国体(兵庫県:「のじぎく国体」)では,ある意味主要役員メンバーでした.なにしろ天皇夫妻が観戦する競技において,当の夫妻に並んで(正確にはひとりおいて並んで)座っていたのですから.

そして,その「競技」(当然複数ある)のうちひとつが,なんと

山岳競技

なのです.

日本山岳協会のここからリンクされているこの文書(PDF),ずいぶんと淡々と書いてありますが,この中の一部にいわゆる「天覧」試合があったというわけです. ただし正確には,競技を最初から最後まで見ていたわけではなく,少年男子のごく一部のみ観戦だったそうです.具体的には3都道府県ということでしたから,全体としては15分くらいだったのでしょうか.

そのごく短い観戦時間の中に,少年男子で世界の注目をあびる安間佐千君(栃木県チーム:同チームは少年男子クライミングの部で一位となった.ちなみに安間君は今年の世界ユース選手権を制しています)のクライミングがはいっていたのは,偶然とはいえ面白いことでした.天皇夫妻が世界をリードするクライマーの登りをみたというわけですな. もっとも安間君の場合,その着衣体重47kgという軽い身体であまりにひょいひょいと登ってしまう(すくなくとも見た目には)ものだから,選手達がどんなに難しいルートを登っているのか,はたして分かってもらえたかどうか・・・

さて,天皇夫妻の横を固めていたのは,写真をみるかぎりでは日山協会長の田中さん,こちらはまちがいなし.そしてもう片方は,写真をみるかぎりでは日山協国体委員会委員長の高山さんのように見えます.高山さんだとすると,これは適任ですな.短髪で精悍な顔立ち,がっしりした上半身,きびきびとした動き,まさにアスリートそのもの.いや実は,こういうクライマーって本当に少ないんですよ. 要人のみならずその警護にあたる方に対して,「なんじゃこいつらは本当にスポーツ選手か」と思わせないためには,高山さんが最適任なのであります.それから,直接関係ないけど,「高山」という名前がいかにもクライマーという感じがしませんか?

それにしても,「お付きの人」たちは,クライミングがいまオリンピック競技入りを目標に定めて発展しつつある競技だということを当の夫妻には説明したのでしょうか.

=====
さて,国体の山岳競技については,実はいまかなりの変革期にあります(そもそも種目自体が入れ替わる!).10日には,日曜日にもかかわらず,多くのクライマーが集まって来年度以降の国体規程を検討する予定.来年5月には日山協の理事会で承認されないといけないのですが,そのための規程ドラフト作りはもうすでに最終段階にあるのです.組織が大きいと,何もかも前倒し前倒しでやらないと話にならない. ある意味個人事業主である(大学所属の)研究者とはすこし世界が違うわけです. 個人事業主と巨大団体運営の両方を掛け持ちしているというのはあがたしも含めて国体関係クライマーには多いわけですが,少しでもポジティブに考えるならば,これは視野を大きく広げる経験になっています.

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2006.11.19

ららぽーとに人工壁?

あちこちに貼ってある,ららぽーと柏の葉の宣伝.その中に気になる写真が.

20061119_lalaportclimbad
これです.

どうみても人工壁.

ここに書いてあるショップのうちどれに入っているのだろう? 写真に写っているのは垂直だから初心者用だと思うのですが.

20060517_chibadaiboluder1
ちなみに柏の葉にはすでに人工壁がありまして,それは千葉大キャンパス内です.平日昼間なら誰でも入れる場所にあるのですが,誰でも使用可能かどうかは分かりません.

とか何とかいいながら,あがたしは通勤の行き帰りによく使っています.週末でもほとんど岩に行けなくなってしまったけれど,自身がクライマーであることを忘れないためには,壁にはり付いているのが一番なのです.本郷では御殿下ボルダーがあったんですけどね.

(ただし千葉大ボルダーは,ホールドがよく回るので,力の加減がよく分からない初級の人は避けたほうが無難かも・・・いずれにしても自己責任で.)

それにしても,ららぽーとにはどんな人工壁ができるのかなぁ.

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2006.10.25

有名クライマーの死

Rock Climber Falls to Death in Yosemite (ロッククライマー,ヨセミテで墜落死)

AP通信の記事.なんとまあ,あのサラテウォールをフリー化したトッド・スキナーではありませんか.

彼とポール・ピアナが成し遂げたサラテウォールフリー化の記事はむさぼるように読んだものだ. その偉業は,ずっと後に,日本の誇る平山ユージが同じルートをたった1日でフリーで登ってしまったこれまたものすごい偉業を引き出したことでも記憶に残ります.

合掌.

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2006.10.12

インプレスグループ,山と溪谷社を買収

一昨日山と溪谷社の本の話をしたら・・・

インプレスホールディングズのニュースリリース

| 当社は本日、株式会社 山と溪谷社(本社:東京都港区、社長:川崎吉光、
|以下「山と溪谷社」)の株式を取得し子会社化することについて、同社と
|基本合意書を締結いたしましたので下記の通りお知らせいたします。

gooのAsahi.com記事

ところで

山と溪谷社

というのがヤマケイの正式名称のはずだけど,

山と渓谷社

と書いてある記事がそこはかとなく見受けられますね.WWW等ではそう書くようになっているのでしょうか.

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2006.10.11

[今日のことば]クライマーと生と死

ビヨンド・リスクという本があります(Nicholas O’Connell 著, 手塚勲 訳,山と溪谷社,1996年 ). 世界の一流クライマーへのかなり本格的なインタビューを集めたもの.

昨日話題にした山岳遭難の記事をみて,改めて山男・山女の心理について考える.というわけで書棚からこの本を引っ張り出してきました.

とはいうものの,この忙しいときに全部読んでいるヒマはないのが残念.493ページもあります.

というわけでインタビュー筆頭の,かのラインホルト・メスナーのところを読んでみた

p.30です(危険とはクライミングに必要なものでしょうか,という問いに対する答えから引用):

山に登っているとき,私は死を求めているのではなく,それとは正反対に,なんとか生き延びようとしています.

これは「クライミングに危険は必要だ」という発言につづいて発せられた言葉です.そして,クライミングは死の危険のもとで生き延びる技術であると述べたうえで・・・

最高のクライマーとは途方もないことを一,二度やってのけ,その次には死んでしまうような人間ではありません.最高のレベルのことをたくさん成し遂げ,しかも生き残る人間です.

激しく同意.もちろん,鈴木謙三氏(「一,二度」ではなく数度の超人的登攀を危険なスタイルで成し遂げたが結局アルプスで墜落死)のような人にたいするリスペクトの念は忘れていないものの.

メスナーは他にも興味深いことを言っているのですがここでは割愛.他のクライマーも,かなり深遠なことを語っていたような.10年前の本だからスポートクライミングに関しては記述が古くさいものの,それでもやはり人類の極限に挑んできた人たちの言葉には心打たれるものがあります.

それはそうと,件の社長さんの遭難については,このあたりを参照.そして,いま生きている我々は彼らが命がけで残してくれた教訓に,十分学ばなければなりません.合掌.

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2006.08.29

世界ユース選手権で日本選手優勝

旅日記を書こうかと思ったら,すごいニュースが飛び込んできました.安間選手は,失礼ながらアスリートには一見見えない華奢な身体なのですが,その軽さを活かして実にねばり強い登りをします.以下,新聞記事ふうに:

世界ユース選手権 日本の安間が優勝

8/24-27にイムスト(オーストリア)で行われたスポーツクライミング世界ユース選手権・男子ユースA(1989,90年生)で日本の安間佐千が優勝した.同年代には成人カテゴリでも優勝経験があり現在世界でもっとも注目を集める若手のダビッド・ラマ(地元オーストリア)がいるが,安間はそのラマ(今回3位)を抑えての単独優勝で,世界にその実力を示した.また,女子ユースAでは日本の野口啓代が二位に入った.

日本フリークライミング協会速報記事
http://homepage2.nifty.com/jfa/compe/ic/ic06.htm#wyc06

公式結果(世界山岳連盟)
http://www.icc-info.org/index.php?page_name=result&comp=780&cat=15

さらに詳しい結果(大会公式WWW)
http://www.wettkampf.sportzentrum.at/wm2006/listen.php?prog_lnr=2&link_text=8&deu_eng=1

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2006.07.21

[今日のことば]人生最大の喜びって

"The greatest pleasure in life is
doing what people say you cannot do."

BigUP Productionsのクライミングビデオ「Dosage Vol.1」にて,米国の有力クライマーJason Kehlがもっていたマグカップに書いてあった言葉.あえて訳してみると「人生で一番楽しいことは,他人が無理だということをやってのけることさ」あたりでしょうか.

ただしYouのとらえ方がちょっと微妙.本当は「他人が君には無理だということをやってのけることさ」なのでしょうか.英語を習いだしたらすぐに覚える単語なんだけど,いまだにそのニュアンスがつかめないことのあるあがたしであります.

まぁどちらにしても,肉体の限界に明るく楽しく挑戦し続ける彼ららしい言葉ではあります(細かいことを言うと,pleasureをあえて「楽しい」と訳すと,クライマーらしさが出る).  誰がオリジナルに言い出したんでしょうかね.

・・・とおもったらあっさり見つかりました(例:英語で読む世界の名言).Walter Bagehotですね.経済に通じた銀行家・政治評論家というと,貧乏でアナーキーなクライマーの世界とは対極だという気がしてくるのをどうしても禁じ得ないんですけど(笑).

ちなみに「Dosage Vol.1」には,Chris SharmaによるMANDARAおよびRealizationの初登シーンが含まれている・・・といえばクライマーならその価値が分かるのではないでしょうか.前者についてはわりとあっさり登ってしまうような映像なのですけど,後者はこれはプロジェクトXかと言いたくなるようなドラマティックなつくり.

「どうしても登れなかった」という映像がまず途中の一章にあります("Unfinished Business"という章名がなんともいえず味がある).そして最終章にくるのが再挑戦の映像.最後の最後,感動的に核心を突破して完登します.それにしても垂直より30度ほど傾斜がきつい20mの5.14cを登ったその上にまだ続くボルダームーブって・・・(その核心を抜けたあとも5.12dなんだけど,Chrisにとってはあがたしを含む凡人にとっての5.9くらいなのかなぁ) 前述の「登れなかった」章ではその20mを延々と登るChrisの姿をずっと写しているので,「こんなに苦労してここまで来たのに・・・」と最後の部分で落っこちてしまった彼に同情してしまうようなつくりになっています.その分最終章のインパクトが強まるというわけ. あまり他人の動きに左右されないあがたしなんですが,これはたまに見るとモチベーションが湧いてきますね.

なお,マニア的には雪とつららに覆われたバターミルクでDave GrahamがButtermilker(V12)のつららをたたき落としながらの(!)第四登する場面と,途中でチョークバッグをつけてもらっての(いいのか,これ?)Spectre(V13)の初登を成し遂げるシーンをおさめた章も結構見応えがあります.

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2006.07.18

岡山で9月にクライミング競技会

「第20回リード・ジャパンカップ湯原温泉大会 実施要項」(日本フリークライミング協会)
http://homepage2.nifty.com/jfa/compe/schedule/schedule_l.htm#jcl06

9/2,3(土日)に岡山県にて. 毎年,前年の国体のメモリアル大会として同じ都道府県で行われることが慣例となった,歴史ある競技会「ジャパン・カップ」であります.ちなみに日本フリークライミング協会ではなく日本山岳協会が主催. 皆さんふるってご参加を.


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2006.07.08

[フォト日記] こんぶくろ池の行く末とKids Park

こんぶくろ池巡検・・・

キャンパスすぐそばにあるこんぶくろ池湧水(→Google Map)の水はいったいどこに流れてゆくのか?というテーマの巡検です.参加者全員が自転車を保有していたため,急遽自転車で入り回ることに変更.これはなかなか面白い.

Shourenjikidspark詳しいことはまた別記することにして,面白い人に会えました.

左の写真は,こんぶくろ池湧水の水が流れていった先の水路.この水路わきに,「子供の遊び場」があります.それも児童公園ではありません.そこらの湿地状の森の中に,倒木や立木を利用した自然の遊び場がボランティアの手によって作られているのです. ここは,(付近の流路構造の調査のため)4月から何度もとおったところ.しかし誰がこの広場を「つくった」のかは謎でした.

今日草刈りをしている人がいたので声をかけたところ,まさにその人がボランタリーにこの広場を作っているとのこと.聞いてみると,なんと独力なのだそうです. 水路を微妙にせき止めて水面を形成し,周りの草を刈って見通しをよくし・・・農作業の合間にせっせと仕事をしているのだそうです.

Kidspark1こういう広場で何か事故が起こったら子供の両親が裁判沙汰にするんだろうか?と下世話な(しかし深刻な)ことをすこし考えてしまいましたが,しかしこのKids Parkは見事なものでした.2年前から取り組み始め,だんだん子供の間に人気がひろまりだしたとのこと. そういえば,ここはいつ行ってもだれか子供がいましたね. ちなみに右の写真で左にいるひとがその「制作者」の方.向こうに子供たちと話し込む巡検参加大学院生がいます(個人特定NGとなるように画像サイズは小さくしています).

ただし,この付近にも開発圧は及んでいまして,すぐとなりの土地は重機の音がとどろいていました(ちなみに冒頭写真の右上にはつくばエクスプレスの高架が見えています).いつまで見られるんでしょうか,こういう風景.

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2006.07.05

Google Earthでツール・ド・フランスを追いかけよう

「Live Tracking of Tour de France in Google Earth」(拙訳:Google Earthでツール・ド・フランスを追いかけよう)
http://www.gearthblog.com/blog/archives/2006/07/live_tracking_o.html

Google Earthの面白い使い方をつぎつぎと紹介してくれるGoogle earth blogの一記事です.ツール・ド・フランス(TdF)でいま選手(先頭集団かな)がどこにいるかをほぼリアルタイムでGoogle Earth上に表示してくれるというわけです.公開されているkmzを保存してGoogle Earthにドラッグするか,あるいは直接そのkmzを「実行」します.で,「Places」欄で「Tour de France」-「Live TdF」-「Clos follow view」(または「Remote Follow View」).

kmzの中身(ちなみにkmzは,KMLをzipしたもの)をみてみたら,20秒おきにRefreshをかけ,そのたびに,特定のサーバに情報を取りに行く感じですね.

それにしても,フランスは本当に農業国だ. あ,いや,自転車レースにあまり興味がないのでGoogle Earthの映像に見とれているだけなのですわい.

ただ,TdFの映像は環境ビデオとしても使えるという「医学都市伝説」の方の意見は,たしかにそうかもしれません.この意見はTV番組に対して発せられたものでしょうが,あがたしにとってはGoogle Earthの「放映」も同じく環境ビデオ的要素を感じます.

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2006.05.29

欧州ユース選手権で日本人男女が二位

5/27,28にやっていた,競技クライミングのヨーロッパユース選手権 in オーストリア.その日のうちにネットにもう結果が出ているのはさすがクライミング先進国の欧州.

が,その結果は意外といえば意外,とヨーロッパの人には思えたかもしれません.

 男子ユースA
 女子ユースA

「ユースA」とは,ユース大会における年齢別カテゴリ分けのことで,今年の大会に関しては,1989年および1990年生まれの選手という区分です(それより上の2年分が「ジュニア」,下の2年が「ユースB」という分け方です)

で,前置きが長くなりましたが,上記の結果をよく見ると,

 男女とも,2位が日本選手

というわけです.

以上,速報でした.

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2006.05.21

Climing誌の日本特集

昨日の口直し.またクライミングネタです.

「The Way of the Weekend Warrior」
http://climbing.com/current/japan235/

米国を代表するクライミング雑誌「Climbing」2004年12月号は,「日本特集」.その全文を読むことができます.
2ページ目と3ページ目に,われらがユカちゃん登場.
3ページ目では,かつて真顔で「パンプって何?」と聞いたことがあるというエピソードが紹介されています.

パンプとは,前腕の筋肉が疲労して登りを妨げるようになってしまう状態のこと.前腕がパンパンに膨張します. で,多くのクライマーはこれと日々闘っているのですが,うーむ,当時ユカちゃんはパンプを全然しなかったという.パンプしなければそりゃ登れますわな.

「外国人からみた日本」は,はたしていかなるものだったのか?英語の練習として読んでみるのも面白いかもしれません.専門用語が分からなければ,あがたしまで.

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2006.05.20

ユージの偉業

この記事↓
http://www.asahijobplatz.com/anohito/?id=188
「登りたい願望が体に届き
肉体が応えてくれる。
プロフリークライマー
平山 ユージさん」

本文にはビミョーに間違っている場所(後述)がちりばめられているが,まぁいい内容ではないかと.後半部の「身体が応えてくれる」云々は,フリークライミングをやっている者ならではの感慨で,よく言って/書いてくれたというところですね.

と持ち上げておいて,ツッコミ開始:

>その手と足だけで1999年、世界で最も難易度が高いといわれるフランス・ニースのモータルコンバットのルートを初見で登る、という前人未到の記録を達成したのが平山さんである。

「初見で登る」というのはフリークライミングの世界では「オンサイト」(英)「ア・ヴュ」(仏)という.平山ユージがモータルコンバットというルートをオンサイトしたのは本当で,これは難度(フレンチグレード)「8c」がつけられていた.まぁ並の人間には一歩も動けないような部分がこれでもかと連続するルートだと思えばよい.その一撃(オンサイトに対する日本の俗語)は確かにすばらしい偉業ではあり,当時のレベルでは世界最高レベルの(フリー)クライミングとみてよいだろう.

が,

「世界最高難度のルートそのものがオンサイトされた」のではまったくなくて「それまでにオンサイトされた最高難度」,それも一時はそう見なされていたがその後見直しされた,というあたりが実情に近い言い方なのだ.たとえば1989年にはイギリス・ピークディストリクトに「ハッブル」8c+,1990年にはドイツ・フランケンユーラに「アクシオン・ディレクト」(9a?)といった,モータルコンバットより上のグレード(難度表記)がつけられているルートがすでに存在していた.これらの難度になると,いまだに一人もオンサイトをしていない.

なお,モータルコンバットに関しては平山自身は(8cより少し易しい)8b+に感じたと述べている(世界の先端をいくようなクライミングともなると,その難度確定は難しく,何人かの有力クライマーがトライしてだんだん評価が固まってゆく.初期につけられた難易度は暫定的なものだ.このあたり参照). そして実際そのあとこのルートは8b+ということに改訂された(今度はこのあたり参照).8b+のオンサイトなら1994年にエリー・シェブユーが成し遂げているしその後数人が達成している(もちろん8b+のオンサイトだってものすごいことではある).

その8cであるが,実は平山自身が2004年に(確実に8cであると見なされるルートの)オンサイトを果たしている.場所はスペイン.ルート名は「ホワイトゾンビ」.これは山と溪谷社のクライミング&スキー雑誌「Rock & Snow」26号特集でも大々的に取り上げられた.現時点ではこれがいままでの最高難度オンサイトである(その後もう一人達成).Rock&Snowの当該記事では平山の過去の業績は「8b+のオンサイト」という扱いであり,記事中ではホワイトゾンビのオンサイトについて「世界初の8cオンサイト」であるという立場で一貫している.

要するに上記引用文は見事に誤解を招く表現であるわけだ.ユージの偉業をたたえるために筆がすべったのだろうか.

つぎはヨセミテに関する記述であるが,これまた不正確.でも時間切れにて,また後日かくかもしれない.

#それにしても新聞記者という商売も大変である,というのがこういう記事を読んだときにいつも感じることである.

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2006.05.02

連休中の大仕事

連休中の,のどかな休日に,

山手線内の自宅から,柏キャンパスまで,

ママチャリをこいでゆく仕事.

3時間というところでしたね.途中えらい渋滞しているなと思ったらひどい交通事故で見事に道がふさがっていました.自動車でしたらいつ着いたか分かりません.意外と自転車より遅くなってたりして・・・

あと,日本山岳協会のクライミング委員会全国総会というものにも出席して参りました.打ち上げとして渋谷で飲んでいたら,お座敷の隣の間にこの3月にウチを修了した元院生が! 奇遇といえば奇遇すぎるけど,渋谷でこういうことに出会ったのはこれが二回目.あまり悪いことはできませんな.

 渋谷といえば,じつは妻と手を繋いで歩いていたこともあるんだけど,あれは目撃されていたのだろうか?

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2006.04.18

クライミング 日本選手権

順番が前後するけど(本当は,東京湾荒川秩父実習for新入生の方が先),

フリークライミング 日本選手権 「ミレーカップ」

はい,出張帰りの次の日に早朝からでかけてジャッジしてまいりました.

これがまたひさびさの難物ジャッジ.自己最高時間かかったかも.準決勝で26名中8名,決勝では10名中5名.これがまた全員同じようなところで違うように落ちるという代物. これはきつい仕事ですよ.前の前の晩は秩父の山中で,5時まで学生と飲んでいたんですけど.

さて,男子は売り出し中の若手安間(あんま)君が見事唯一の完登で優勝.高校2年の伸び盛りなのになんと体重は40kg台というアナウンスがあったとき,女性観客から感嘆の声が上がったのにはちょっと面白かった(ジャッジは楽しんでる余裕ないんだけど).

女子は,準決勝でキレキレのプレーを見せた小林由佳・野口啓代の10代コンビが,なぜか決勝では動きが悪く,イケイケで突っ込んだ長身真達(まだて)選手が優勝.ボルダーでも強いけど,リードも見事です.

新婚さんはそうそう家を空けるわけにはいかない.何しろ前の日まで出張で,しかも遅く帰ってきたのですからねぇ.というわけで反省会もそこそこに早くかえって参りました.

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2006.04.12

エイプリルフールには南朝復活,4/16には日本チャンピオン決定

完全に時流に乗り遅れたが,エイプリルフールには,やはり

イソプレス うおっち

が必要なのであります.

今年のネタでなぜか笑えたのが,ここの左上にヘッドラインだけがでている

>■ MTT和田氏の「電話網は国民の物ではない」発言にジャイアンが「俺の物」と反論[2006/04/01]

ですかね. GOTO弘茂氏の力作が最近は観られないけどねぇ.

さて,つぎは,いつものようにapjさんのところ.水が何かを記憶するというネタに変化球でツッコミを入れています.

そして今年のお気に入りは,これ.
ニュースな史点 2006/4/1

多くは語りません.お楽しみください~

それでは,明日から実習に行ってきます.実はその準備が大量にあり,そして他に査読やらコメントやらネットワーク設定(まだまだ安定していない・・・)やら. 結局,ここ数日終電近くでかえっています.どこがどう新婚さんなんだろう・・・ それはともかく,日程は,つぎのようになっています.
4/13 葛西臨海公園・三番瀬
4/14 彩湖→鴻巣・吉見・吹上・大里・熊谷付近の河川地形と秩父盆地
4/15 秩父演習林

実はへとへとになって帰ってきたら次の日4/16はフリークライミングの日本選手権. 場所はJR南武線「中野島」駅から徒歩10分くらいのところ.これは面白いですよ.午後から決勝で,日本最高のクライマー達の熱演がみられます.

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2006.01.13

寒九の水汲み2006

今日は,毎年恒例の「寒九の水汲み」行事の予定日です(五泉市のガイド).

これは五泉市・菅名岳(すがなだけ)の山中に突如わき出る大規模な湧水「どっぱら清水」を,雪の中市民総出で汲みに行くという行事です・・・というのはこれまで何度か書いた通り(ちなみに今Googleで「寒九」を検索すると本blogのこの日の書き込みが真っ先に挙げられています).

さて,今年は新潟を含めて北国は豪雪のようです.今年の寒九の水汲みは無事実行されるのでしょうか?

ちなみに,水汲み行事で得られた水は日本酒の仕込みに使われます(近藤酒造).そうしてできるお酒の名前は,ずばり「菅名岳」.水汲み後は咲花温泉にて大宴会が行われるのですが当然ながら近藤酒造のお酒飲み放題.そして後日,参加者には仕込まれたばかりの生酒が送られてきます.以前は週末開催だったので数回参加.ここ数年,平日開催となったので行けていないのです(「今度参加したら最多往復回数」なんて狙っていたんだけど・・・)が,その数回の参加はいまでもよい思い出です.

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2005.10.25

連続表彰台

ますます水ネタから離れていってしまうけど,今日は先週末に上海で行われた,競技クライミング・ワールドカップ上海大会について紹介. 

ワールドカップは,世界を転戦しながら年間総合順位を競うクライミング大会で,年に少なくとも一回はアジアに来ます(日本では10年以上きていないなぁ・・・神戸大会というものが昔あったのですが).

今回行われたカテゴリは,「リード」(難しい壁を,どこまで落ちずに登れるか)と「スピード」(やさしい壁をいかに速く登れるか)という全く異なる2競技. 日本チームはリードに登場.

で,結果は?
女子
男子

女子で小林由佳選手がワールドカップ連続表彰台(3位).この前出場したシャモニ(フランス)のワールドカップでも3位入賞しているのです.

実力は折り紙付きですが,いよいよ実績が伴ってきたということなのでしょう.ちなみに男子では9位に安間佐千選手(高校生)がはいりました.

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2005.10.15

新潟県五泉市・吉清水にて車上荒らし

たまには時事ネタでも書いてみたい,というわけで,こんな話題をどうぞ.あまりいい話題じゃないけれど・・・

五泉市の名水で車上狙い多発[新潟日報  2005年8月9日]

トラックバックしたBlogにも取り上げられていますね.吉清水はこのあたりにある山裾のわき水で水量豊富.車道からのアプローチもいいところです.

実はここからさらに林道を突っ込んで,終点からさらに徒歩で往復1時間(普段は,林道ゲートからあるくからさらに距離が長くなります)のところに,どっぱらという大規模なわき水がある.あがたしの湧水行脚の,かなり初期のころ(1989年か90年だったと思う)に出会った水です.ここですと,かなり長時間クルマを離れることが明白ですので,車上ねらい対策はバッチリとってゆくことになるでしょうが,吉清水はクルマから5分かからないところであるのと,周囲にそんなに人家がある感じではない(養護施設と少数の家屋はある)ので,油断してしまったのかもしれませんね.

ちなみに,五泉市を探訪したときに聞いたおもしろかった言葉があります.ここでは冬の融雪に地下水をくみ上げて使っている(消雪パイプ:略して「消パイ」)のですが,「この水はくみ上げたまんまの地下水だから,飲めますよ」とのことでした!

この五泉市探訪は,その道の人には言うまでもないことですが,毎年1月に行われる寒九の水くみ(お酒の仕込みに最良ということになっている寒ノ入から9日目の日の水を,深い雪をかき分けながら市民総出でくみに行く行事.懇親会では,とうぜん主催した酒蔵のお酒が次から次へと出てくる)に,連続して行っていたときのことです.また行きたくなってきたな・・・でもあまりに人が来すぎて(道の整備にかなり無茶をやっていたときもあった),平日になってしまったんですよね.

新潟の名水紹介として,新潟日報の「新潟の名水」があり,近年改訂版がでましたので紹介しておきます:
実は同社から新潟の名水本が出るのはこれが3冊目.ちょっとほかの都道府県ではみられないような現象です.

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2005.09.11

クライミング用具整理

天候不順やら職場泊まりやらでなかなかできなかった,車内置きっぱなしのクライミングギアの整理.今日意を決してやってしまいました.

m_2005035-01_ClimbingGear-BeforeArrange

左の写真は車から引っ張り出したクライミング用具(「ギア」と総称される).この乱雑さはどうでしょう.


m_2005035-03_ClimbingGear-AfterArrange2

ゴミを取り除き,可動部分に潤滑材をぬり,カラビナを付け替えて,こんがらがったスリング(ヒモ類)をほどいて・・・で,結果がこの通り:


写真左にあるのが,ボルト(墜落防止支点の俗称)を岩にうつための電動ドリルとボルト打ち用具(電工バケツの中).真中下部は,スリング類.車一台は余裕でぶら下げられる強度をもった,輪になったヒモです.


m_2005035-06_ATC_

その右に二つ並んでいるのが,確保用具.シンプルな金具で,確保者(ビレイヤー)は登攀者(クライマー)の墜落を止めます.

ひとつは,これ.バリアブルコントローラーという商品名です.これはATCと総称される(ATC自体固有名詞なのでややこしいのだけど)金具で,この穴にロープを通し,カラビナを介してビレイヤーのハーネスと結び付けます.よほどの体重差がないかぎりは,あまり腕力を使わずともクライマーの体重を支えることができます(そもそもクライミングは,そんなにパワー爆発というスポーツではなく,あまりマッチョ系の筋肉は必要ない).


m_2005035-05_GriGri_

別の確保用具がこれ.Petzl社のGRIGRIという商品です.カム構造でロープを締め付けるようになっていて,ATCよりさらに小さな力でロープを止めることができます. 面白いのは,両手を離してもロープが止まるという点です.クライマーの登攀中にビレイヤーがいきなり脳卒中を起こしても,クライマーはとりあえず墜落はまぬかれます(その後どうやってクライマーを救出するかは,それはそれで問題ですが(笑)).


m_2005035-04_Nunchaku

もとに戻って,全景写真の真中にずらりとならんでいるのが,ヌンチャクと俗称される用具.二枚のカラビナを短いスリングで連結したものです.これまた車一台はぶら下げられる強度を持ちます.岩に打ち込まれた支点の輪に片方(この写真では上のほうの,ゲートがまっすぐなほう)のカラビナを通し,そしてクライマーのハーネスに結ばれたロープをもう一方のカラビナに通します.この動きをクリップといい,その巧拙が成績を分けることがあります.


岩場に行くクライマーならこのヌンチャクを10本程度はそろえておきたいもの.といっても始めのうちは先輩といっしょに行くことになるでしょうから,先輩から借りればOK.あがたしは,いま数えてみたら,26本ありました.開拓(未登のルートを登り,ルートとして完成させること)を主な活動としている者としては標準的な本数でありましょう.

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2005.07.07

世界選手権終了

筆者が珍しく寝込んでいるうちに,ドイツでは競技クライミング世界選手権(7/1-5,ミュンヘン)が終了しました.結果はここで見ることができますが,直リンしておくと,
リード男子リード女子スピード男子(同予選)|スピード女子(同予選)|ボルダリング男子ボルダリング女子
です.

入賞はリード女子の野口啓代選手.はじめての世界戦準決勝突破でいきなりの表彰台.高校生です.(今回は準決勝止まりだった)こちらも高校生の第一人者小林由佳選手とあわせて,日本の二枚看板として売り出せそうです.そしてもうひとり,ボルダリング男子の茂垣敬太選手も決勝ラウンドに進出.11位でしたが予選ラウンドは堂々2位での通過でした.

数々のタイトルを手にしながらもなぜかこの世界選手権での戴冠がない,日本の平山ユージ選手.今回は必勝を期してドイツ入りしたのですが,結果は残念でした.

ネットでの映像中継,そして一手ごとに書き換わるリザルトなど,コンペ運営者からみても参考になることが多かったです.

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2005.07.03

世界選手権,リード競技の部終了

競技クライミング世界選手権(実況はこちら)は,「リード」の部終了です.リードとは,ロープをつけたクライミングで,落ちずにどこまで高く上れるかを競う競技です(スピードは成績には関係なし).

さて,結果は?

男子女子

日本チームで女子の野口選手が大ブレイクで3位です.いきなりの入賞が表彰台.例のユカちゃんと並んで日本の二枚看板となるでしょうか.

今日はスピードの部(比較的やさしい壁で,登るスピードを競う.日本では盛んではなく,出場選手はなし).明日明後日はボルダリング(低い壁とマットを使い,ロープなしで極限の難しい動きをこなせるか競う.日本でも盛ん)です.

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2005.07.02

世界選手権,女子予選

昨日紹介した世界選手権.まずは初日の女子予選(正確には,クォーターファイナル)結果:

http://85.10.192.56/eliste.php?route=d.05_wm です.

日本チームのMADATE(真達)選手,惜しい!たった一人の差で予選通過を逃しました.残る二人,小林選手と野口選手(両方とも高校生)は2ルート完登で堂々の予選通過です.今日は準決勝(26名)と決勝(予定では8名)となります.準決勝の競技順はこちら

女子選手の中には,こういう名前の人がいます.
Agata Wisniewskaさん

フランス系の女性の名前でAgathaという人はいますが,ポーランドにもこういう名前があるとは始めて知りました.

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2005.07.01

スポートクライミング 世界選手権

今日はGoogle Mapを離れて別の話題に寄り道・・・

競技クライミング(コンペティション・クライミング)の世界選手権が,ミュンヘンで行われています.期日は今日から5日まで. 今日明日はリード(ロープをつけて登る種目で,どこまで落ちず~壁以外に体重をかけずに~高く登れるかを競う競技)です.3日は登る速さを競う競技「スピード」,4,5日はロープをつけずに,低い壁を使って極限の難しい動きをできるだけ少ないトライ数で挑戦する競技「ボルダリング」となります.

日本チームは「リード」と「ボルダリング」に選手を派遣.世界に冠たる平山ユージをはじめとして第一線で世界と対決します.

今日から,競技の様子はここでライブ放映しています. 日本のコンペティションではあまり見られないシステムです.さすがに欧州は先進国ですね.(明日以降URLがどう変わるかは分かりません.とりあえずここからリンクはされそうですが)

あと,先週はスイス・チューリッヒでワールドカップ(といってもサッカーのWCとは違い,ワールド「ツアー」といったほうがしっくりくるシステムで世界を転戦します)が行われました.TV局もからんでいて,こんな(MPEG)予告編ムービーも公開されています(スイス訛りのドイツ語です.ドイツの人は,「これ分かりづらいんだよね」と言ってました).

チューリッヒでは例のユカちゃんが8位入賞.すっかり上位常連になりました.もちろん,世界選手権にも出場しています.

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2005.06.08

【新刊】誰が日本の森を殺すのか

ひさびさの更新は,知り合いが新刊を出すと知ったというのが,動機. 周囲の人ががむばっている環境って,いいですね.

題名は「誰が日本の「森」を殺すのか

著者の田中淳夫さん自身による紹介は,http://homepage2.nifty.com/tankenka/chosaku-9.htmlにあります.

田中さんで「森」「殺す」といえば,「”森を守れ”が森を殺す」を思い出しますが,今回は編集の方が「誰が「本」を殺すのか」(佐野眞一)をもじってつけたものらしいです.

最近読んだ本に,「緑のダム―森林・河川・水循環・防災」(蔵治 光一郎保屋野 初子 編 築地書館 2004年 →発行所による紹介Amazon)があります.論争かまびすしい「緑のダム」について,その正体はいったい何なのか,本当の効果は何なのか(あるいは本当に効果はあるのか),いま日本の森で何が起こっているか,行政施策はどのように行われ変わっているのかetcをいろいろな著者が論を寄せています. 面白いのは,まるて違う結論を出している論文がそのまま並んでいる点でありまして,この問題がまだ未解決のものである(いや,各著者からみると「すでに解決済み」と思うのかもしれないけど・・・)ことをよく教えてくれます.

「山に森をもっと増やせば洪水は減る」とナイーブに考える人はそろそろ減ってきたという実感(あるいは願望)を持っています.山には森が満ち溢れ,歴史上稀に見る森林率の高さとなっていますから. でも,では森がたくさんあるからそれでいいというのか?というのが,最近は問われているというのがこの「緑のダム」を読むとよく分かります.

どんな森でもいいのか,それともある種の森は水源涵養機能において著しく劣り,水文学的には「森」と呼べない代物だったりしないのか?という問いかけについて,書かれた論文やそれを問うている文章が多く入っているのです.

・・・と,話が脱線してしまいましたが,田中さんの「”森を守れ”が森を殺す」は,ここにもあるように,「森林は水を溜める「自然のダム」ではない」や「森林は酸素の供給源ではない」というふうに,森林についてナイーブに思い込まれてきたことについて噛み付くところから始まっていました.今から9年前にです. 内容自体は森林の研究者にとってそう目新しいものではなかったにしても,一般向けの書物としては斬新な視点であったといえるでしょう(ちなみに,植物の光合成による炭素固定と呼吸による炭素放出を両方知っているかどうか,は環境に興味ある未成年の若者に会った時にあがたしがよく聞くことだったりします). 

なお,そういう噛み付きは実は本の冒頭部分に集中しており,残りはむしろ実際に森林の現場に行ってきたレポートを,森に対する愛情をにじませながらもジャーナリスティックに記す本となっています.「みんな,森に行こう!」という呼びかけが聞こえてくるような,そんな本です.

さて,もう数日すると田中さんの冒頭の本は本屋に並ぶそうです.早速手にとって読んでみることを決意し,楽しみに待っているところです.今度はどんな視点で日本の林業問題に切り込んでくれているのでしょうか.

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2005.03.03

東欧訛りを知ってますか

ここ数日は予算の締めがあるので,今日は小ネタで失礼します. 民間の友人も高校教師の知人もいまは忙しいみたい.

先日イキツケの飲み屋に行ったとき,Manchester Unitedの大ファンである英国人の常連が入ってきました.いつもは彼とサッカー談義で盛り上がるのですが,そのときはイングランドからはるばる日本観光に来た彼のお母さんもご一緒で,なぜかお母さんと話をする羽目になったのです.

お母さんは日本語はまっったくダメ.というわけでしかたなく英語でのお話となりました.

話し始めてすぐにお母さん,こんなこと言いました.

「あなたの英語,オーストリアの訛りがあるわね.東欧の人に習ったの?」

・・・・・・そんな覚えはありません(オーストラリアなら心当たりはないでもないが,一文字違いでぜんぜん違う国だしなぁ).

そもそも東欧の人と長い時間会話したことないよなぁ.なぜ東欧訛りなんだろう? 頭じゅう「?」マークに埋め尽くされた一晩でありました.

ただ,クライミングビデオ(輸入版.当然日本語字幕なし)を見ていると,東欧クライマーの英語ってけっこう聞きやすいんですよね.あ,もしかしたらあがたしの発音はそのビデオの影響を受けているのかも? できれば彼らの技術とパワーの絶妙なバランスをもったクライミングスタイルも真似したいものですけどね.

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2004.12.24

女子高校生とつきあった日[12/11-12の日記]

あがたしの所属山岳会は,Japan Modern Climbers Club, 略してJMCC.

その年数回あるイベントの一つにいってまいりました.普段は秋に行われるのですが,今年はちょっと遅れて今月.

イベントといっても,要するにどこか一箇所にあつまって飲み,翌朝岩場にいくだけなんですけど,メンバーのほとんどが子持ちになってきたので,子どもたちの交歓会という性格も近年では強く帯びております.

この日集結した場所は,茨城県にある農家の大部屋.メンバーの茨城県人のツテで借りられました.それにしても立派な建物.よくみると庭には現役の井戸が・・・

さて,今年のメンバーはちょっと変わっていました:その茨城の人は水戸の高校山岳部でクライミングのコーチをしているので,その部員まで連れてきてしまっていました.だから高校生が多いというのが今年の参加者の特徴であります.

それにしても純朴な高校生を,アクの強い面々がそろいまくっているクライマーの宴会に放り込むのは.生徒さんの性格形成上でちょっと危険な気が・・・(笑)  ま,これも人生勉強か.

さて,題名のことが気になる読者もおおいかもしれません・・・来ていた現役女子高校生のひとりが,ビールを飲んでいたあがたしのすすすっと寄ってきました.

「お酌しましょうか?」

とは言わなかった,代わりにその口から出たのは

「あの,宿題の物理の問題を教えてほしいんですけど」

だってさ(笑) (まぁ高校生にお酌させることはかなり問題があるだろうから,こちらのほうが助かるといえば助かるけど)

高校物理なんて18年やってないんだけどなぁ,件のコーチ,理学博士というのは高校の勉強は全部そらんじているはず云々と生徒さんに吹き込んだらしい.

まぁでも,かろうじて覚えている「力学」分野だったので,とりあえず見てみました. 彼女は教科書ももっていたので,バネのポテンシャルエネルギー(すっかり忘れていた)をその教科書から参照しながら,なんとか解くことができました.

ここで,感想二つ:
[1]最近の教科書はカラフルである(オールカラーに近い).そして内容もぼくの知っている物理の教科書とはだいぶ違っている.

[2]彼女(たち?)は,高校の物理が「摩擦のない面」といった理想化された世界を対象としていることを認識していなかった!これが最大の驚き.先生はちゃんと言ってないんだろうか・・・ 

床面の摩擦さえなければ,小指一本でKONISHIKIを動かす(初速を与える)ことは可能.そういうことを納得させることから,レクチャは始まりました.

ただ,基本的な数式計算・式変形・方程式の解法はわきまえているようだったので(クライミング用語でいうと,5.10d程度はオンサイトし,5.11cまではとりあえずRPできるくらい),教えるのは楽でしたけどね.

話はこれでは終わりではなくて,「来週試験なんですよ~」というもう一人の女子高校生が,「微分のところ全部教えてください」ときたもんだ.

もしかして極限から全部教えなくちゃダメか(さすがに今高校じゃε-δなんて持ち出せないだろうな)と一瞬身構えたのですが,そういう基本的なことどころか実はけっこうススんだところまでは理解していて,そして三次関数の極大・極小のところで躓いているとのこと.それなら話は早い.教科書の例題を全部解く作戦でセメました.

飲み込みのはやい娘(こ)で,こちらがポイントを指示するだけであとはホイホイ自力てやっていました.まぁこういうポイントは,ひとりひとり教え方が異なるので,どうしても多人数教育では限界があるんですよね・・・学校の先生は大変だ

結局安形私塾が終わったのは午前2時.ああなんと健康的な高校生活!

そのあとクライマー仲間と,一部の男子高校生が5時まで起きているこれまた健康的な夜を過ごし,翌日は眠い眼をこすりながら岩場へ. 道の整備・ルート開拓などを行っていたのですが,途中で雨がひどくなってきたので,敗退しました.無事下山して,やれやれ. 生徒さんにも怪我がなかったのがよかったです.

このあとは半日ヒマになったので,単独で茨城の水めぐりをしてきました.それは名水大全掲示板を参照してください.

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2004.08.06

登れん!/街灯の思い出

昨日今日明日と入試監督.ちょっと物悲しい仕事です(何がどう切なさを感じさせるのかは,また後日).

夜,ストレス解消とばかりに御殿下ボルダーへ.

が,ぜんぜん登れず.いつもなら軽く取れるホールドが,無限の遠さに見えます.

肩が重い.いきなり週3回はオーヴァートレーニングだったかも.軽くやっただけで不完全燃焼ながらも切り上げます.

さらに,部屋に帰ろうとしたら,建物の鍵を部屋に忘れてきてしまったことに気づく. 建物のゲートの外の暗がりで,人が出入りするのを待つこと50分!(他人のあけたドアで入ってしまうのは,防犯上本当はいけない.まぁ顔はお互い知っている人だからよかったようなものの)

ン十年前の夜に,女の子の帰りを待ってその家の前でずっと立ってたことがあったっけ.甘酸っぱい思い出.あの時とよく似た,街灯の光をぼんやりと眺めていました.しかしあれって,今考えたらストーカー呼ばわりされても文句は言えなかったよな・・・女の子が喜んでくれていたからよかったようなものの. まぁ,ストーカーという言葉が無かった時代だけどね.

結局何のストレス解消にもならず. さて,こういうときは,

★流しの掃除★

だ(研究室のね).

部屋の掃除はまるでしないくせに,水周りの掃除だけは妙にマメなのです.流し・風呂・トイレ,きれいになるってうれしいね!

さらに今日は家に帰り,帰ったら台所のシンクのステンレスを液体クレンザーでピカピカに磨こうかな.それだけで元気になれるお得な性格.

マメといえば女の子にもマメだったりする,といっても誰も信用してくれない(笑) ただ,本人が喜べるレベル以上にマメすぎると,単にウザいだけになるからご注意ご注意~要するにあがたしにはそういう前科があるのだ~.このあたりの感受性のマッチングは難しく面白いものです.まぁでも,限度を超えるギャップがあると,やっぱり何をしても合わないんですよね…

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2004.08.02

夢を載せて飛ぶ身体

見ている老若男女すべての視線が彼の背中に集中する.大きく息を整えて,最後の跳躍へと体勢を整える.人々の歓声がいちだんと高まる中,まるでそこだけ重力がなくなってしまったかのように,彼は高く高く,はるか遠くの天井に向かって,体全体を棒のように伸ばしながら,人間業とは思えないジャンプを繰り出した...

=====
8/1は,ちょっとボランティア.池袋のJ&Sという,こじんまりとしたクライミングジムで開かれた,ボルダリング大会B-Sessionシリーズ今年度第二戦,「Millet Cup」でジャッジ(審判員)の役を果たしてきたのです.

ボルダリングとは,ロッククライミングの1ジャンルで,ロープを使わずとも地面や床にマットを敷くだけで十分安全が確保できるような比較的低い岩や壁を登ります. でも短いからといって侮ってはいけない.難しいものでは,並の人間なら一手もだせないような動きが十数手連続するという恐ろしいものもあります(十数手の課題の場合,まっすぐ真上に行くのは危ないので,たいてい斜め方向や真横方向となります).

今回のコンペ(競技会)では,男子(40名弱)は全員6つの課題に各3分でチャレンジし,総合成績が上の順に10名が準決勝に通過.準決勝ではその10名を4つの課題で4名に選抜.この4名が決勝を3課題で闘いました(女子は参加が10名と少なかったので,予選成績により5名がいきなり決勝).

男子決勝3課題目.出だしと上部,そして最終部に,神業的なランジ(次のホールドに向けて,全身で飛びつく動き)が必要とされ,さらにその間に難解な斜めくだりトラバースが入るという壮絶な課題です.それまでの2課題をいずれも一撃(一回目,つまり初見で終了点まで登ってしまうこと)していた松島選手も,さすがに苦しそう.彼は最後に登場した選手だったのですが,それまで他の選手(いずれも日本を代表するボルダリング選手)は誰一人として最後のホールドをつかんではいません.

松島選手,いよいよあと一手です.その一手とは,そこからいきなりはじめたとしてもできる人はまずいないだろうという遠い遠いランジです.天井近くにつけられたホールドに向かって,思い切って飛ぶことが必要です.失敗すれば,即落下. 苦しい体勢ながらも,必死にランジの姿勢をとり,息を整えながらタイミングをはかります.

それにしても,こういう状況で湧き上がる歓声というのはどうでしょう.競技が行われている空間が狭いからなおさら印象的です. 観客は,必ずしも松島選手を応援しに来ることが主目的だった人ばかりではない.しかしどんな人も,年齢性別関係なく,全員が,本当に全員が,「アレ!」(フランス語),「Come On!」(米国のクライマーがよく使う),「ガンバ!」「行け!」「取れるぞ!」と熱狂します.

誰もが,決して自分の利益にはならないのに,自分の望みが何かかなえられるわけでもないのに,たった一人のクライマーを夢中で応援してしまう.そんな雰囲気が,クライミング界にはあります.その相手は,つねに同じ人とは限りません,というより,目の前に奮闘しているクライマーがいたら,まったく見ず知らずの人に対してもやはり大声で応援してしまうのです.

しかし今大会決勝クライマックスの熱狂は,そのいつもの歓声にもましてすさまじいものでした.

こういう光景を見ると思うのは,人々は,もしかしたら自分の夢をかわりにかなえてくれる人を求めているのかなぁ,ということ.あるいは,彼(彼女)の奮闘に,自分の姿を重ね合わせ,それを自分のことであるかのうように感じてしまう感性を持っているのだなぁ,ということです.

=====

人々の夢をそのたくましい肉体に乗せて,彼は全身をばねにして大きく大きく跳びあがり,嘘だろ?という跳躍距離を経て,

そして最後のホールドをしっかりつかみました!

その瞬間の大歓声!人々が同じ「感情」を共有した瞬間です. 雄たけびを上げる松島選手.思わず涙ぐむ女性の観客.こういった「一体感」があるからクライミングはやめられません.

ただし,残念ながら我々スタッフ陣は,その雰囲気に飲まれすぎてはなりません.冷静沈着に競技進行をつかさどる必要があります.でも機会があれば,純粋に観客や選手として,その空間にいる人々と同じ感情を共有したいものです.それはどれだけのカタルシスを乾ききった心に与えてくれるでしょう.

まぁでも,スタッフも十分楽しめました.最近あまりいいことが無かったのだけど,来てよかった.元気をもらえました,てか,元気百倍,そう,夢に向かって跳べ!

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2004.07.19

3人のYUKAちゃん

○そのいち

室伏といえばハンマー投げ.実は女子もそう.

「ハンマー投げの室伏由佳、5試合連続五輪B標準突破」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20040718ie25.htm

ところで,B標準とは何かというと,実は知らなかったので調べてみたら,こんなところがあった.むー,難しい.

○そのに

日本フリークライミング界が世界に誇るクライマーといえば,男子は平山ユージ(裕示)小山田大.で,それに続く女子の日本「代表」といえば,小学生のころからその実力を注目されてきた小林由佳ちゃんなのであります.小学生のころから知っているのでつい「ちゃん」づけしてしまうのだけど,もう高校2年なのだから(ああ,月日のたつのは速い),ちょっとそぐわないかな.さて,これまで年齢制限にひっかかって出られなかったワールドカップに出場したユカちゃんが,そのデビュー戦でたたき出した成績は,決勝進出,そして世界7位.いきなりの好スタートです(→結果Web

○そのさん

ITMedia,元ZDNN,の歴史に残るあの記事を書いたのは,岡田有花記者.ちょっと検索してみると,ぞくぞくとこの記者に注目するサイトがでてきました.こことかこことかこことかこことかこことか...

大人気であります(笑)

及川光博萌え~なんだそうな.自らをミッチー似と自称する男性諸君は,すぐにアタックしてみましょう.

及川光博についてはよく知らなかったのだけど,あ,Webがあった. 写真を見ると,なかなか危険そうな香りを漂わせていますね. ぶっとび天然系記者,IT戦士の有花ちゃんとは,けっこういいコンビになったりして.

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2004.06.15

山の本二題

最近買った本2冊:

山野井泰史「垂直の記憶:岩と雪の7章」山と溪谷社,2004年.
最近ヒマラヤ(7950mの高峰のくせにやけに無名なのは,チョモランマのそばという不遇な位置にあるため)のギャチュン・カンという難峰で夫婦ともども奇跡の生還を果たし,両手両足あわせて10本の指を凍傷で失った著者の,これまでの半生の(他人から見ると)超人的な登攀をつづった手記.

ほぼ全ページ「今日のことば」に使えそうな表現が連続します.

あがたしは,よく気に入った表現のあるページの角を折る癖があるのですが,この本についてはもう最初の数ページ読んだだけでそれはやめました.そういう表現のないページを探すほうが難しい.

これを読んで思うことはまたいつか記すとして,冒頭に1/2ページで短く書いてある「地形用語解説」の見出し語がちょっと面白い.皆様はいくつわかりますか?:

オーバーハング/カンテ/クラック/クーロワール/懸垂氷河/サイドモレーン/スラブ/雪田/雪庇/セラック/チムニー/ディエードル/テラス/ヒドンクレバス/ピナクル/プラトー/フレーク/ヘッドウォール/ベルクシュルント/ベルグラ/ボルダー/モレーン/リッジ/ルンゼ/ロックバンド

もっとも,「地形」用語しか出ていないのだけど,本文中にはずいぶんと「用具」の用語が出てくるんですよね.これは解説がありません.まぁ知らなければ読めないほどでもないけど,バイル/ピトン/ロープ(これはさすがに皆知ってるか)/ストック/ピッケル/ギア/登高器/ピック/コッパーヘッド/ポータレッジ/ラープ/ナッツ・・・を知っているとより興味深く読めるでしょう.

てか,それらを知っている人が読者対象なのか?それにしては地形解説がわざわざついているのは不思議だ.

余談:
フリークライミング・スポーツクライミングやボルダリングになると,またさらに別のジャンルの特殊用語が入ってきます.たとえばホールドの形状についてだけでも,思いつくままにあげてゆくと

コルネ/カチ/ガバ/ポケット/オフウィドス/ルーフ/狸の腹/ピンチ/サイドプル/バケット/砂時計/ジャグ/ハリボテ/饅頭

他に,ムーブ(動きのこと.なぜかモーションとは言わない)については

ランジ/デッドポイント/シットダウン(スタート)/クロス/木村ステップ/キョン/ガストン/アーケ/タンデュ/出前持ち/かえる足/ハイステップ/ニーバー/トウフック/ヒールフック/マントル/トラバース/スメア

と膨大な数になります.

本題に帰ると:
もしかして,用具の名前は知ってるがアルパインに行ってないイマドキのフリークライマーが読者想定層なのかも?と気づきました.

ピット・シューベルト著,黒沢孝夫訳「続・生と死の分岐点」山と溪谷社,2004年

わが国の登山界に衝撃を与えた著の新版.今回もパワー十分.ドイツ山岳会(DAV)が総力を挙げてあつめた本当の事故の実例とその詳細な分析. 山に「住む」われわれがいかに危険と隣りあわせになっているか,いかにくだらないミスが致命的な事故につながるか,まざまざと知らせてくれます. が,よく考えたらあらゆる交通事故もそういう性格を持ってるんですよね.

章の名前を見ているだけで楽しいので書いておきましょう:

山歩き/循環器/生き延びる力/登攀路での落雷/登攀路での落石/人工壁から高山岳へ/ロープの耐久性/確保点での自己確保/テープ結び/粘着テープ/懸垂下降/片方のロープだけで!:案外多い勘違い/エイト環がカラビナを押し開ける/ビレイヤーの法的責任/トップロープ・ボルト/スリングの融解損傷/その他の事故/ダーウィン賞/危険中毒/他者の間違い/九死に一生/山岳救助隊/山での飲酒/奇妙な事件/おわりに

「ダーウィン賞」というのがすこし説明が必要でしょうか.これは毎年,世界でもっとも奇妙な,あるいは思慮を欠いた行動による亡くなり方をした人を「表彰」するという賞です.http://www.darwinawards.com/がホームページです.山岳の世界でも,「なんでこんなことしたの?」ということが原因になるような事故もおきています.

深刻な事故写真・精妙な技術写真とともに,ユーモラスなイラストがなんともいえぬコントラストを描いている不思議な本です.

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2004.05.21

皮膚感覚と恐怖心

あまり信用されないのだけど,あがたしは高所が怖い.いすの上に立てないほどの正真正銘の高所恐怖症ではないにしても,高所での行動は,本当に本当に慎重になります.

いや,本当ですよ,本当ですってば,いつもほら話ばかりしているからといってそんな疑いの目で見ないでくださいな(笑)

え,高いところが怖いならなんでロッククライミングなんてやってるんだって?そりゃあなた,高いところが怖くない人がロッククライミングなんてやっていたら,

とっくの昔に死んでいる

からですよ.

現代の技術(テクニックにしてもテクノロジにしても)をもってすれば,「周囲の状況を正しく判断しながら,正しい用具を正しく使う」ことによりほとんど全部の危険は排除できます.それは90度をはるかに越すようなオーバーハングを登っているときも同様です.

でも,人間の集中力がふと途切れるときはあるもので,そして,ああマーフィの法則,そういうときに限って自然はいろいろな意地悪を仕掛けてきます.

そんなとき,皮膚の感覚として危険を察知できるかどうかが大事になります.感覚にうめこまれた,いい意味での恐怖心といってもいいでしょう.

G.W.のクライミングのときもそうだった.何気なく「ここはまずい!」と思って体を動かしたら,ついさっきまでいたところにこぶし大の落石が!

実はクライミングをもっと頻繁にやっているときなら,そういった大きさの石ならばまず間違いなくすぐそばに落ちてくる前に落石だとわかったものでした(それは実は”一握りの人間の特別な能力”などではない,と周囲の人々を見ていると思います)から,オレモヤキガマワッタカと思わないでもなかったですが,しかし,そういった危険を肌で察知できる能力はまだ残っているということはちょっと自信だったのでした.

ちなみにある程度のスピードをもった落石(自由落下の)が近くを通ると,「ブン」という感じの音が聞こえます.
音というより,「大気が震える」っていう感覚です.

実感としては,現代のロッククライミング(のうち主流のもの)はクルマの運転と同じ程度の危険度に思える.要求される注意水準もそんな感じ. 万一の事故のときには,仲間や地元の人や現地山岳会の方や…に本当にいろいろな迷惑をかける.免許を持たない者が運転してはならないのと同様に,ある程度自分の身は自分でなんとかできる技術と度胸と,そしてそもそも万一の事態に陥らないためのいい恐怖心を身に着けていないと,ある程度大きな自然の岩でのクライミングはおすすめしません. そこをカヴァーするためにも,都会の人工壁があるのですし・・・

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さいきん手が荒れて困っていました.この荒れというのが面白くて,ムチャな生活をしているとあれが大きくなるという,きわめて鋭敏なセンサ?になっていました. 山の中の,身体をいじめまくる,物理的にはストレスが大きくかかる生活をしていたらいったいどんなことになるか,と,G.W.まえは戦々恐々だったのですが,あれ,おや,なぜか,あらなんと,まぁ(←くどい(笑)),連休中にすっかり治ってしまいました 

やっぱり平穏無事な毎日より,日々チャレンジし続ける,アタックの対象がある,という生活のほうが,どんなに物理的ストレスが大きくとも,精神的なものも含めたトータルな面ではあがたし向きなのかもしれません( 手あれだけで判断するのは,ちっとも論理的な考え方じゃないけど・・・)

先日あった秩父実習は,悪天(強風)のために山地ウォーキングは中止となったそうですが,今年のM1は相当山を歩けるメンバーがいるそうですから,あがたしがいれば「源流ウォーク」強行軍グループを率いたかったな,と思ったものです(あがたしは途中で用事ができて帰ってしまった)

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2004.04.29

5月になったら小川山

JFAクライマーズフェスティバルin小川山

案内は,http://homepage2.nifty.com/JFA/2004/festival.htm に.

5月の信州,標高1500mはどんな木の様子がみられるかな?

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