2007.03.16

【新刊】関西地学ガイド・湧き水めぐり


忙しいと言えば忙しい.blog書いている余裕もあまりないのだけど,湧き水新刊とくればこれは言及しないわけにいきますまい.というわけで急ぎ書き込み:

湧き水めぐり〈1〉 関西地学の旅シリーズ
湧き水サーベイ関西著
東方出版 2006年10月
ISBN(10):4862490352
¥1680

近畿圏から116箇所の紹介だそうです.pH,水温,硬度はもちろん,面白いのはFe(鉄)のデータも記載しているとのこと.さすが「地学の旅」シリーズ.

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2007.01.13

書籍「青の革命」を読む

こういう本を注文:

Ian R. Calder 著
"Blue Revolution: Integrated Land And Water Resources Management"
Earthscan Pubications Ltd; 2005年11月
ISBN-13: 978-1844072392

楽しみ楽しみ.

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2007.01.12

駒場裏門[ドラゴン桜を読んで]

妻が身内から貸与されたという「ドラゴン桜」1~5巻を駆け足で読んでみました.

感想はいろいろあるけど,どうでもいいことで気になったのが,

2巻に出てくる「駒場キャンパスの裏門」とは,いったいどこの門がモデルなんだろう?

ということでありました. 主人公級の二人が渋谷からその門まで歩いて行ったとのことですけれど,おそらく一二郎池(一二浪池)のほうから入ることはできないから(あがたしはこの出入り口を本気で探したことがあり,結局民家の敷地を通らずにはいけなかったので断念した),そうなるともっとも渋谷に近い門としては矢内原門か. と思ったけど(おっと,この矢内原門,いまでもあるんだろうか?ここ5年は見ていないような気がする),たしか山手通り側(グランドのほう)の門は「裏門」と通称されていたような気がする.なるほど,こちらも渋谷には近い.もし後者だとすると,この二人,東北沢まで歩いたんでしょうか.それともキャンパスをつっきって駒場東大前まで?それとも神泉にとって返した? いやそれ以前に,あの門,夜は開いていたかな,そもそもあんな形だったのかな・・・と興味は尽きません.

・・・ローカルネタで申し訳ありません.

あとひとつ,マニアックな意味で気になったのは,数学の柳鉄之助という先生のファーストネーム. あがたしの好きな作曲家で,櫛田てつ之扶氏という人がいるのです.テツはにくづきに失うと書く,普通のPCには出せない漢字.で,このファーストネームはてつのすけと読みます.そしてこの方は数学者でもある!(やっと話がつながった(笑)). 作る曲は,とくに代表作は,日本の旋律をイメージさせるものが多く,あがたしがどこかでこの人の写真をみたときには,和服を着ていました. そう,漫画中の柳てつのすけ先生と同じようなコスチューム.

櫛田氏の作品の中では,「火の伝説」と「東北地方の民謡によるコラージュ」がとりわけ好きですね,となんだか話がそれてしまいました.

ところでこの先,どういう話になるのかな.主人公クラスの生徒二人,どちらか少なくとも一人は理科I類に現役で受かるのかな. ・・・結論をご存知の方,あがたしに教えないように(笑)

<後日記>はてなグループ「東大」にこんな記事があるのを発見.似たようなところを見ている人がいるもんですね. おや,キーワード集に「仏」はあるけど「撃墜王」がないな.まぁ「鬼」があるからいいのでしょうか.あと成績絡みでいうと,「黒マジ」がないですね.

・・・ますます内輪ネタになってきてしまった.それにしても,気がつけば大学受験から20年ですね.上記の「○○がない」というコメントは,ようするにこれらはかなり古い用語でり,あがたしが(たとえば現在の駒場学部生からみると)もう旧来の人間であるということのあらわれなのでしょうか,もしかすると.

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2006.11.11

数学テキストと物理の思い出

田崎晴明氏の文章をもうひとつ紹介.最近アップデートされています:

数学:物理を学び楽しむために

500ページ弱にもなる大著(紙媒体にはまだなっていないようですが・・・)なので,特別に興味ある人以外は全部読むということはせず,多くの読者はつまみ食いくらいしかしないかもしれない.でもそれでかまわない(と著者は前書きで述べている).とにかく,全く目を通さないというのはもったいないのであります.

εーNやε-δについて,「掛け合い漫才」と称した説明をしているのは関西のノリ?(名古屋の学生からは「いけずやなあ」という表現が分からなかったというコメントが来たとのこと) あがたしが学部の頃ε-δを理解するときは同じように考えてやっと腑に落ちたことを思い出しました. 大学に入って最初の講義の日に受けた「解析学」の講義では,このε-δを「もう皆さんご存じですね」ですっとぱし,猛スピードで黒板を埋め尽くす板書攻撃を受けました.結局,その一こまでとったノートは26ページ.これでもう「こんな数学はイヤだ」と白旗をあっさり揚げてしまったあがたしでありました(その後教科書を読み直したら,実は意外と簡単だった.結論を出すのが早すぎたか・・・).

で,化学か数学か情報科学をやりたくて入った大学にて,なぜかそれらとは距離を置くことになり,むしろ地球にハマってしまい,地理学教室に進学することになったのです.ノーベル賞もフィールズ賞もチューリング賞もクレイ賞(最後のはちょっとマニアックすぎるか)も捨てた,というわけですね.それだけの魅力が地理学にはあったのです.

ところで,アップデートではなくて最近になって第一版が公開された文書もありまして,

統計力学

これです.

高校の物理で唯一合点がいく理解ができなかったのが,熱力学のあたり.気象・気候をやる場合には,とくに気体・液体の熱力学,たとえば断熱膨張やら定圧比熱やらといった理論・概念など,は必須なので,結局大学院にはいってから(やっと)やり直したという経験があるなあ,と思い出しました.

どちらの「本」にしても,本文の熱気もさることながら,脚注のおもしろさも出色です.物理学者の「熱い」トークをお楽しあれ.

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2006.11.08

名水連載の著者はだれ?

全国保険医団体連合会の月刊誌「月刊保団連」にて,連載開始.その名も

「名水の源泉を訪ねて」

しかし第一回目から,いきなり大ミスプリ.作者名が「阿形 康」なんだそうです.ミスプリ探しのマニア(?)であるあがたしも気づかなかった? イヤ,実は著者校正の段階では入っていなかった文字なのです.

あがたしの苗字は,たしかにいろいろな漢字が当てられています.「県」というのもある.そういえば前の職場に「鼎」さんという人がいたのですが,あがたしにも鼎さんにも直接会ったことのない人のなかには,なぜかこの二人を混同する人がいました(それも3回そういう例がありました).その理由は「鼎」を「県」と見間違えて,さらに「あがた」と読み(ここ自体は間違ってはいないのだけど),あがたしのことだと思いこんだという,高度なというか風が吹けば桶屋が儲かるというかとにかく複雑なプロセスでそういう思い違いが起こったらしいです.

話を戻して,連載一回目は名水大全の紹介でした. そしてもう原稿は渡してある二回目は博士論文ネタ.つまり巨大湧水と火山の湧水です.

第三回は人里の湧水,そして最終回(第四回は)ルルドの話でシメる予定. 疑似科学やインチキ医療の話(読者はほとんどお医者さんなので)も出来たらいいですね.

ちなみに,第一回記事でタイトルの横にかなり大きく出ている写真は,これから人物を切り抜いたものでした.一見すると,何か別のジャンルの雑誌のようであります.

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2006.10.27

英語の問題II

先日の・・・

>問:次の表現を6単語以内のよく知られた英文で書き直せ:

>A sedimentary conglomerate in motion down a declivity gains no addition of mossy material.

もったいぶっていないで,オコタエと行きましょう.といいながらやはりもったいぶってしまう.上記の文を無理矢理訳すと,下り坂を下に向かって移動しつつある堆積性の礫岩にはさらにこけ状物質がつくことはない,ですかね(Sedimentaryの訳はちょっとおかしいかもしれないけど).要するに,「よく知られた英文」だと,

A rolling stone gathers no moss.

であります.

では,次の問題.これは強烈.

問:次の英文を8語の英文で言い直せ

From time immemorial, it has been known that the ingestion of an “apple” (i.e., the pome fruit of any tree of the genus Malcus , said fruit being usually round in shape and red, yellow, or greenish in color) on a diurnal basis will with absolute certainty keep a primary member of the health care establishment absent from one’s local environment.

元ネタの本だけとりあえず左の枠内に紹介して,今日はここまで.

How to Write And Publish a Scientific Paper (6th edition)
Robert A. Day and Barbara Gastel
Cambridge Univ Press, 2006
ISBN 0521671671

 ところでこの本の輪読という自主ゼミをやってみたい今日このごろ. 論文は平易な英文で書け,と言っているこの本自体,本当に平易(いちいち輪読せんでも,誰でも一人で読めるといわれれば確かにそうだ). また,上記のような笑えるクイズがあったり受動態を使ってもいい場合もあるよという段落が本当に受動態だらけだったりといった臨機応変のユーモアにも満ちています. とはいうものの初学者むきだけという内容ではなく,「博士論文の書き方」「科研費応募書類の書き方」さらには「査読のしかた」「レビュー論文の書き方」,と,とても駆け出し大学院生がすぐに使うとは思えない章もあります.一生座右においてほしい,という意味なんですかね.

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2006.10.03

他の人はもっと多忙


中西準子「環境リスク学-不安の海の羅針盤」(日本評論社,2004)を再読. いい本です.おすすめ(ちなみに著者自身による書評リンク&訂正はhttp://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/rashinban/,自著紹介はhttp://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak271_275.html#zakkan272で読めます).

いままで印象に残っていなかったところを今回「発見」. てかいままで見落としていた?

p.29です.助手時代,駒ヶ根市の下水道計画に携わっていた15年の研究費についての話:

<略>原稿料・講演料・ボーナス・時には私の給与,こういうものをどんどん研究費につぎ込みました.ただ,「どんどん」といっても,そんなにないです(笑).原稿料や講演料は,当時コンスタントに年700万円ぐらい稼いでいました.そうしないと,研究が続けられなかったからです.<後略>
(太字は引用者による)

原稿と講演で700万円!いかに中西氏といえども,当時はそれほど原稿料や講演料は高くなかったはず.ということは途方もない数をこなしていたのでしょうか.頭が下がります. それにしても,なんという意志.なんという情熱.

働く人は,働く.昔からもそうでした. 「忙しい忙しい,睡眠時間が平均3時間台」とか何とか辛気くさいこと言ってられませんね<自分 (それにしても時間あたり生産性をもっと上げたいところではあります.いったいどうやったら研究をゴリゴリしながら原稿と講演で年700万円稼げるんだろう・・・)

明日は始発の新幹線で滋賀県に行きます.一泊してとんぼ返り.

「重要文化的景観」第一号近江八幡の水郷は,どんな景色でしょう? そしてそこに暮らし景観論議に加わる人々は?

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2006.09.29

「衝突する宇宙」新版,「科学書」コーナーで発見の怪

トンデモ本の系譜を語る文章で,必ずといっていいほど言及されるのが,ヴェリコフスキー「衝突する宇宙」(鈴木敬信訳,法政大学出版局).

古い本なのでとっくに絶版品切れ,と思っていたら,

この9月に「改装新版」が出たんだそうな(→Amazon).

秋葉原・ヨドバシカメラの上(7階)にある有隣堂書店では,2冊並んでいました.

それも「科学書」コーナーに

科学って・・・

ふと,波動注意報主宰のK2さんが,これまた最近のトンデモ本業界で注目の的となっている「水からの伝言」(江本勝)について,図書館でどんな分類をされているか調べられた記事を思い出しました.

#未読メイル,あと250通

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2006.08.06

【新刊】九州水紀行(西日本新聞,2006年8月)

ルルドの泉(南仏)から帰国したばかりのあがたしです.

帰国後突然知ったニュースです:

「九州水物語―名水・湧水・親水ガイド」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4816706925/meisuitaizen-22

(注:Amazonアフィリエイトのリンクです)

西日本新聞社発行, 2006年08月
ISBN:4816706925

とりあえず速報です.どなたか購入された方いらっしゃいますでしょうか?

旅行行き先についての詳細は,また後で.

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2006.06.23

河川用語改訂

小ネタばかりの毎日.でもこういうほうが読むほうは調子がつくのかも.

「破堤」→「堤防の決壊」洪水用語をわかりやすく改定 (2006年6月22日23時38分 読売新聞)

リード部分を引用します:
> 国土交通省は22日、住民にわかりにくいと評判の
>悪かった洪水用語を改めると発表した。
>改訂されるのは、河川の水位を表す用語など44語。
>市町村が避難勧告を出す目安となる「特別警戒水位」を
>「避難判断水位」などに改める。

他に記事中で挙げられているのは「破堤」→「堤防の決壊」
「右岸」「左岸」→「○○市側」「○○町側」など具体的な地名に
でした.

となると,「堤外」「堤内」はどうなるかな?「堤防の間」「堤防の外」と,よくみたら字面とは逆に直すのかな.

と思って調べてみた.ネットの恩恵,一分で判明.国土交通省 資料です:
「「洪水等に関する防災情報体系のあり方について」の提言について」
http://www.mlit.go.jp/river/press/200601_06/060622-2/index.html

むー,用語改訂だけの話ではないですね.「どう有効に伝えるか」というもっと広い課題の話.とくに

>・水位の数値は、橋桁からの差や堤防の上面からの高さで
>示すことを併用する。
>・構造物の位置は、河川の距離標で示すのではなく、
>地域の人が理解できる地名等を用いる。

については,確かにそうだと思いましたね(このPDFの7ページ目).

さて,大盤振る舞い.全44用語を並べてみましょう.どう言い換えることが提言されているかは,前述のPDFを参照してください:

計画高水位  危険水位  特別警戒水位
警戒水位   指定水位

(○○川)洪水情報  (○○川)洪水警報  (○○川)洪水注意報

破堤  決壊  欠壊  越水・溢水  浸水  冠水  出水  洗掘
漏水  法崩れ
既往最大流量  

水防警報指定河川  水位情報周知河川
樋門・樋管  排水機場  (堤防)天端  右岸・左岸
AP  YP
堤内地  堤外地  高水敷  派川  直轄区間  指定区間
川裏  川表  法・法面  沿川  内水
強雨域
ただし書き操作  設計洪水位  サ-チャ-ジ水位
常時満水位  洪水期制限水位

<以上>
「確かにコレは分からんだろうなぁ」という用語もあるし,一方で「これも言い換えが必要なのかなぁ?」と自分が専門家の仲間入りをしていることを認識させられる用語も,やはりありました.

そして,やっぱりありましたね.「堤外地」「堤内地」


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2006.06.20

新刊:宮崎の名水

激忙なんだけど,これだけは書いておかないと:

新刊:
宮崎の名水環境

著者:坂口孝司
発行:鉱脈社 (2006年5月)
ISBN:4860611748

西日本新聞の記事によると,著者は宮崎大学の名誉教授.水が専門かどうかは微妙なところで,生体中や生態系における放射性元素の動態といった内容の著書があるみたいですね. 水に関しては・・・何かヘンなことを言っていないかどうか心配.でももちろん注文を出しました.

宮崎かあ.未探訪.それに熊本も大分も未探訪.行ってみたいものです.

ちなみにほかの九州各県はどうかというと:
 福岡:学部1年のころ,関門トンネルを往復したので門司駅のホームには立った(それだけ)
 佐賀:有田には行きました.竜門の清水もちゃっかり探訪
 長崎:長崎空港で乗降したことはあります.おっと,島原湧水群も行きました.
 鹿児島:屋久島に行っている(縄文杉→宮之浦岳→湯泊歩道縦走).行きも帰りも飛行機トラブルで鹿児島空港周辺に泊まる羽目になりました.

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2006.06.09

日本は本当に科学技術大国なのか[再び]

ちょうど常温核融合スキャンダル:迷走科学の顛末を読み終わった後に,二つの出来事.ひとつは,筑波大で行われたゼミで,「確かにScience 誌の信頼性は高いけど,たまに変な論文が載るよね」「そうそう常温核融合とかね」という会話が行われたこと.そしてもう一つ,apjさんところの掲示板ブログにあるように,

言葉が水の氷結状態と水中元素濃度に及ぼす影響

というぶったまげた題名の発表がなされるというニュースが載ったこと(元ネタを探したのだけど,WWWでは見つからず.一応年次大会自体のサイトはできています.したがって,このニュースはあくまでも伝聞). それにしても,その要旨のすさまじいこと.言葉が水の結晶形態に影響を及ぼすということだけでも十分トンデモなのに(正確には,それをサポートする実験事実があまりに貧弱),今度は元素転換を言い出すらしいという観測.元素転換といえば,容易にその(トンデモ)説は常温核融合に結びつく.そして行き着く果ては「生体内の常温核融合」.夢を追いかけるのも結構だが,それを確信している人は,それなりの実験結果を出してもらわないと・・・ ちなみに,Amazonで「常温核融合」をサーチしていみると,肯定的(と著者は思っている)な本も結構みつかりますね.

常温核融合騒ぎが起こったのはあがたしが学部2年から3年にあがるとき.実は,当時そんなニュースは全然全くコレッポチも知りませんでした.一応理学部なのにねぇ. まぁ入ったところが地学科だからそんなものでしょうか.でも,上記「常温核融合スキャンダル」には,白亜紀末期の恐竜滅亡の原因をめぐる有力仮説の一つ「隕石落下説」に関係するルイス・アルヴァレスの名も登場するので,まぁ無関係ではないですね.といっても,繰り返しになるけど当時はそんなニュースは耳に入っておりませんでした.

余談ながら,この白亜紀末期のミステリーと,アルヴァレス親子(そう,物理学者のルイスだけでなく地質学者のウォルターの両アルヴァレスが登場するのだ)は,白亜紀に夜が来る:恐竜の絶滅と現代地質学という本に詳しい.松岡正剛氏の書評もご参考に.

閑話休題,この白亜紀に夜が来ると,常温核融合スキャンダルを読み比べてみると,この二つの「新説」はわずかな(見かけの共通点)の他は,あとは何もかも違いますね.見かけの共通点は,
 ・まず最初は学会に賛否両論の嵐を巻き起こした 
で,違うのは
 ・隕石落下説は物理・化学・地質学的に整合的なデータが次々に発見され,そしてアルヴァレスらの言葉(「どこそこの何何という地層を調べれば○○が高濃度で発見されるはずである」など)の大部分は第三者の手によって実証された. 一方常温核融合は,できた人ができたと言っただけ(「熱」と「中性子」と「トリチウム」のどれか一つのみの検出という例がほとんどだったが)で,他の人が実験するとできない.「これじゃ他人がそばにいると技を発揮できない(超能力”プレーヤー”の)ユリ・ゲラーみたいだ」
というところが最大かな.長い間の実証データの積み重ねが,学説の価値を決めるとすれば,最初はともすればトンデモ扱いをされ学界の大御所から猛反発を受けたにしても,隕石落下説はそれなりの「地位」を現在は固めており,一方常温核融合はいまだにキワモノ扱い・・・でもなぜこれが「人気」なんだろう?

それはそうと,冒頭のような学会発表.これは何をねらっているのだろうという疑問も・・・自然科学の専門家なら,

学会で発表した?だから何か?

と言うところなのですが(発表自体に審査が必要になる学会ばかりではないので,「学会発表」という事実を入手することはいとも簡単.), どんなトンデモ発表をし会場のあきれた白眼視を浴びても,「学会発表」という「箔」がほしいのでしょうか.

そういえば以前東大生協売店に「学会で発表!」というふれこみの文房具が置いてあったっけ.だれかだまされて買ったのかなぁ.もしそういう学生がいたら学会発表・論文提出・論文審査・論文掲載etc.のプロセスを床に座らせて小一時間説教だ(笑) それにしても,東大ですらこんなPOPが堂々と掲示してあるとは...まぁ商売上しょうがないんでしょうか.

皆さん,だまされてはいけないです.そこで声をそろえて,さあ言ってみましょう:

「学会で発表!」という宣伝文句には,「だから何?」と返しましょう 学会発表したことと,「科学者からのお墨付き」を得たこととの間には,長い長~い距離があるのです.

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2006.06.07

今度は富士市の水道水

まだまだ続く水記事...今度は静岡県富士市より.

「富士の水ペットボトルに 市制40周年4万本作製へ」(静岡新聞 2006/6/6)
http://www.shizushin.com/local_east/20060606000000000034.htm

リード部:
>富士市は市制40周年を記念して、災害時の飲料水の必要性と
>水道事業をPRするため、4万本のペットボトル入り水道水を作製する。
>水道週間(1―7日)に合わせた啓発行事をはじめ、40周年記念事業
>などで来場者や市民に配布する。

(後日記:これ↓もありました
「富士山の地下水味わって 富士市40年ペットボトル化」(読売新聞静岡版 2006/6/7)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news006.htm

あがたしは出身が静岡県清水市(当時). そして富士市の湧水はだいぶ回りました(博士論文の一部だったりする).記事中にも,知っている地名が出てくるなぁ.とにかく普通の市街地の中に,そこらじゅうにわき水があり,底までくっきり見えるいつも水量豊富な川が流れている,そんな町です.もっとも,そういうイメージを持っている人は案外すくないかも.「製紙工場のヘドロ」のイメイジがいまだに強いかもしれませんので.実際,高度経済成長期には,今はきれいになっているそれらの川もかなり汚れていたそうです.そこを市民・行政がきれいに直してきたという歴史がある,というのは地元出身の学生の言.

さて,富士市のサイトを訪問.水道部の内容には・・・あれ,このニュース出ていない.
ちなみに先日書いた「東京水」とはちがって,こちらは非売品.防災訓練など,市のイベント(?)のときに無料配布するのだそうです.

富士市周辺の湧水については,名水大全静岡編を参照してください.そうそう,「静岡県の湧き水100」(静岡新聞社,2002年)という本もあります.小学生が調査した数百の湧水から100ヶ所を厳選したという代物です.小学生ですよ小学生.よほど目利きの教員か教育委員がいるのでしょうか.

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2006.06.04

やっぱり最期の日には水?

水記事だらけの日々.

朝日新聞「「人生最後の日、飲みものは水」花王のアンケート調査」(6/2)
http://www.asahi.com/life/update/0602/005.html

(紹介しているblogはたくさん見つかります→Google検索こちらではもう少しつっこんだ考えを披露)

>人生最後の日、会社勤めの男女が飲みたいのは「ミネラルウオーター」。花王が実施したインターネットアンケートで、こんな結果が出た。

から始まる記事.ただ,ちょっと疑問も. 自由回答で得られた答えを分類し,「一番人気はミネラルウォーター」と結論したそうなのですが,

>「世界一の名水」「実家の井戸水でいれたお茶」など、全体として水にこだわる回答が目立った

って,「水」とはいっても商品としてのミネラルウォーターとは限らないんじゃないでしょうかねぇ.

あがたしも,やっぱり水ですね.日本の山水.「ビールじゃないのか?」というツッコミもあるかもしれないけれど(笑)

ところで,花王の元ネタがよく分からない.おそらく同じ被験者を対象にしたと思われる調査が

|花王生活者研究センターによるメタボリックシンドローム対策のための一考察
|サラリーマン・OL800人調査 「飲みものと肥満」の関係
http://www.kao.co.jp/corp/news/2006/2/n20060530-01re.html

にある(「サラリーマン・OL800人」を対象に飲料の嗜好を調査)のですが,人生最後云々の記載はなし.ニュースリリースをみるかぎり,人生最後関係の調査は見あたらず.つまり,上記調査の中から面白いものを見繕って記者発表したと考えるのが自然ですが,確証はありません.

ところで上の方で「最期のときには日本の山水」と書いたけど,「どこの水」とは書かなかった.実はとくに考えはない.いや,「最期を迎えるに当たってもう一度「あのわき水」を見てみたい」という場所はあるのですが,そこに行くのが大変なんですわ.重態に陥っていたらまず絶対行けないところ.

わき水の豊富な町にいって水道をがぶがぶ飲むという手もある.一般論としては,原水が十分清澄であれば過剰な塩素消毒は必要ないので,それほど「人工のにおい」がしない水を飲めます. 

が,ものごとにはいつも例外がつきもの.

東北地方のある町.わき水が豊富.地元の人が案内してくれました. で,その方の家に寄らせていただきました.見ると蛇口が二つある.「片方はわき水ダイレクト,もう一つは町の水道」だそうで.「飲んでご覧なさい」とのことでお言葉にあまえると,

「な,なんですかこの水道水」

近年まれに見る(嗅ぐ?)カルキ臭!これは強烈.「誰が飲むんですかこれ」とあわてて質問.「そうだろ?」と地元の人. あれは一体何だったのだろう?と今でも不思議であります.あふれかえるばかりの水資源に恵まれた町だから上水道水源もそれなりにいい水を使っているはずなんだけどなあ.なんでわざわざ大量の塩素を. でもこれは主観的な官能検査(しかも被験者は一名)のみをベースにした話でいまひとつ説得力にかける.残留塩素メーターを持っていなかったのが残念です.

さて,昨日も書いた東京の水道水.先日まで住んでいた杉並区の木造アパート1階では,季節ごとに水道の味が変わりましたっけ.いや微妙に言うと(これは体調が悪いとき(二日酔いも含めて(笑))にはよく分からないのですが)毎日変わることに気づくこともありました. いま住んでいる品川区の鉄筋コンクリートのマンションではどうでしょうか.1年たって結論を出しましょうかね.

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2006.06.03

東京の東京の水道水をペットボトルで売ります

水の記事というと,これも書かずにはいられません:

「東京都水道局が“水の通販” 高度処理「東京水」 デザインを一新 」(FujiSankei Business 2006/5/31)
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200605310028a.nwc

関東における「まずい水道」の代名詞だった金町浄水場は,その後汚名返上とばかりに奮闘し,いまではかなりいい水を作るようになった,というアピールです.

そういえば結婚して以来あまり外に行っていないので,いつも「常備」があったわき水は今家庭内にないなぁ.とはいってもそうそう遠出ができるものではない(そもそも車庫が遠くなってしまったので,ふらりと「今日はドライブ」としゃれこめない). となると地元ということになります. 現在品川区に住んでいるので,電車・徒歩で合計30分以内に何カ所からわき水があるんですよね.

ところで冒頭の記事は,apjさんとこの掲示板で紹介されている朝日新聞のバージョンでは

>かつては「まずい水」の代名詞だった東京の水道水が、実は「水源がきれいな地方の水道水と比べて遜色(そんしょく)ない」と専門家が太鼓判を押すほど改善されている

という文が含まれています. この「専門家」って誰のことかなぁ.あ,いや,結論にイチャモンをつけているのではなくて,何を指標にどう測って言っているのかな,と,ふと興味.

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2006.05.21

Climing誌の日本特集

昨日の口直し.またクライミングネタです.

「The Way of the Weekend Warrior」
http://climbing.com/current/japan235/

米国を代表するクライミング雑誌「Climbing」2004年12月号は,「日本特集」.その全文を読むことができます.
2ページ目と3ページ目に,われらがユカちゃん登場.
3ページ目では,かつて真顔で「パンプって何?」と聞いたことがあるというエピソードが紹介されています.

パンプとは,前腕の筋肉が疲労して登りを妨げるようになってしまう状態のこと.前腕がパンパンに膨張します. で,多くのクライマーはこれと日々闘っているのですが,うーむ,当時ユカちゃんはパンプを全然しなかったという.パンプしなければそりゃ登れますわな.

「外国人からみた日本」は,はたしていかなるものだったのか?英語の練習として読んでみるのも面白いかもしれません.専門用語が分からなければ,あがたしまで.

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2006.05.15

高畠華宵と横溝正史

場末,というと失礼なんだが,まぁそうとしか言いようのない寂れた町の,商店街の片隅にある小さな本屋.そこで偶然手に取ったのが横溝正史の幻の初期作品集.大正や昭和初期の短編集です.

その中の「三年の命」という不思議な作品に,とつぜん華宵先生の名前が出てくる.

<以下引用>

その青年の容貌を,何と形容すればいいだろうか.そうだ,それは恰(あたか)も高畠華宵の描く絵にそのままだった.すんなりと恰好(かっこう)よく伸びた鼻,描いたような両の眉,柔らかな頬のふくらみ,そしてその下にきっと結ばれた赤い唇,あまりにそれは整いすぎた顔立ちであるので,ともすれば,総てが冷く,時には冷酷にさえ見えそうである.

<以上引用・・・カッコ内は引用者>

このあともしばらく,この「青年」を賛美する文章が続くのですが,当時としては美男の典型の一つとして「高畠華宵描く」という形容が知れ渡っていたことが,よく分かります. この作品の発表は昭和2年(「文芸倶楽部」連載).まさに,華宵先生絶頂期ですね.翌3年には,銀座行進曲という流行歌で,銀座を道行く女性を形容して

♪国貞描くの美人もゆけば
♪華宵好みの君もゆく

と歌われたそうで(正確な表記は未確認),存命中に流行歌の歌詞に名前が出るというすごい状態であったわけです.

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さて,華宵-正史というと,もう一つこの二人を結びつけた文章がある.それは「生誕百年 大正ロマンを描いた高畠華宵展」(1988-89年,東京・松山・大阪.朝日新聞社主催)という展覧会の図録に久世光彦氏(演出家)が寄せた文章「蛍火」です.

振り返ったら,華宵の美少年が燃えていた.まるで妖しい蛍火のように,青々と燃えていた.二年前,いくらか蒸しはじめた六月の夕暮れ,本郷暗闇坂の,弥生美術館であった.

とまあ,冒頭からインパクトの強い文章.この「燃えている」というのは,閉館にあたって電気の消されてしまった弥生美術館の中に,光の加減で一枚の美少年絵だけぼおっと光って見えたことを指しています.久世氏はそこに「隣に飾ってある同じ華宵の麗人画よりも幾層倍の,妖しさであり,危うさ」を見いだし,さらにこう続けています:

これと同じ構図を知っている.ただし絵ではなく,小説の一節である.《私はあんなに恐ろしい蛍の群を見たことがない.ちょうど,夏の夕方など,よく軒端にみられる蚊柱のように,縺れあい,絡みあいながら,無数の火の柱となって,真珠郎の周囲を飛び交っているのだ》-昭和十一年,「面影双紙」や「蔵の中」に次いで横溝正史が書いた「真珠郎」の冒頭である.<真珠郎>とは,私に言わせればこの世のどんな小説に出てくる美少年よりも美しい.しかし冷酷で邪悪な殺人美少年である.

なんだか話がスゴい方面に飛び始めていますが(笑),まぁ確かに華宵描く絵,そして初期の横溝作品には何とも形容しがたい危うさを秘めながらも,どこかとらえどころのない,そしてだからこそ人を引きつけて放さない香りがあるのは確かですね.もっともあがたしはこうみえてもオトコノコですので,美少年絵よりやはり美少女画のほうが好
みでありますが.

さて,久世氏の文章はこう結ばれています

あの,大正の終わりから昭和のはじめにかけて,その頃にだけぼんやりと現れて消えた,それは束の間の海市にも似たまぼろしの文化である.華宵と横溝正史が,背中合わせに艶めかしく立つ,危うくも美しい構図の文化である.

その横溝正史作品に,華宵先生が現れるというのは初めて知ったことです.同時代を生きた人なんだなぁ,と実感.正史作品初期の耽美的作風は,本人の志向か,時代の要請か,それともまさか華宵先生の影響?この時期の正史作品には美少年・美青年が出てくることがありますが,これを書いているときの正史先生,頭の中には華宵描く美少年画があったのかもしれません.勝手に想像.

追記:
横溝正史は戦後になって金田一耕助シリーズ大活躍を始め,華宵先生はむしろ沈滞してしまった.でも華宵作品はひとびとの心に生き続け,最晩年はかつてのファンに見守られ幸福な日々を送りました.

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2006.05.01

[今日のことば]黎明期の名水紹介本

日本の名水を2000ヶ所ちかく(本人も正確な数は分からなくなってしまったらしい・・・)巡っている南正時氏の新刊「名水に会いたい」を入手.

あとがきにあがたしも登場です.本書とおなじグラフ社から,13年前(1993年)に出版した「日本縦断おいしい水の旅」という本についてこういう言及をしているのです:

現在でこそメディアで「名水案内」などの多くの名水本が出版されているが,当時は名水の本はまだ少なく,地下水学(とくに湧き水を中心とした湧水研究)の権威で,「名水大全」というホームページを運営している安形康さんによると,先の私の著書は「日本における名水紹介の草分け的存在」という.うれしい限りである.

いやーびっくり,いつの間にか「権威」ですよ権威. それも地下水学だもんなぁ.でも湧水の分布全般に関してはそう言われても文句言えないかも.

南さんのWWWは,本業の鉄道写真版と名水版とふたつあるのですが,名水版のほうはこちらです.ぜひごらんあれ.

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2006.01.07

なぜここに国歌大観

昨日,縁談にまつわる偶然をいろいろ書いたのだけど,さらにひとつ書くべきことがありました:

いまの「直属の上司」にあたる教授の先生が今年度で退官.というわけで最終講義・退官記念パーティをひらくことになったのですが,その日程がなんと,安形の婚礼の前日.

これはむしろ偶然と言うよりはある程度の必然でもあります.日程としては2,3月がベスト(というかそれしかない).集まるメンバーといえば必然的に大学関係者が多くなるので多忙な時期は避けたい.そして新領域創成科学研究科環境学専攻は,3月に柏への引っ越しがあり他のイベントをやる余力はおそらくない.云々と選んでゆくとちょうどあたしの婚礼のころしかない,という結論になるのであります.

あがたしもじぶんたちの婚礼をこういう「消去法」で選ぶはめになったのです. 二つの大「イベント」の日程が近くなるのはある程度予想されたことではありました. でもまさか前日になるとは.まぁ当日でないだけマシとしますか.とりあえず翌日の新郎となるあがたしは前日は飲み過ぎ禁止(笑)

さて,その引っ越し関係で,搬送物品のリストアップをしています.そのため学生部屋や図書スペースなどを隅々まで見て回っていたのですが,「ありゃあ」と思うようなものが本棚の隅を占領しているのが発見されました.

「国歌大観」数十冊! (おそらくは全冊揃い?)

びっくりしました.聞いてみると,そのおやめになる先生の持ち物だそうです.念のため書いておきますが,その先生は別に国文学・和歌の専門家というわけではありません(少なくともその方面での活動は聞いたことがない).緑地創成・都市景観・人と緑のつながりetc.の研究者です.

あがたしの彼女がこちら方面に強いので,そういう大部の本がある(あまりに大部なので,最近ではCD-ROMで発行されている)ということを聞いていましたが,そのあまりにご立派なお値段(ちなみにCD-ROMもかなりの値段になる)も知って,これは一生身近に見ることはあるまいなんて思っていたのです.それがこんな近くにあるとはねぇ.

退官後この数十冊をどうされるおつもりなんだろう?もし寄付してくれるのならば,ウチにおいておくよりも彼女の親友が文学部で国文学関係のラボにいる助手なので(広い意味ではあがたしの「同僚」となりますね),そちらに保管をお願いしますか.でもそういうラボならもうとっくに持っているのでしょうけど,ちゃんと国歌大観を活用してくれる研究者・研究室を,人脈を使って探してもらってもいいですよね.

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2005.12.08

以て他山の石とせよ2(式場の盲点)

先日につづいて,結婚情報誌ゼクシイから.今度はちょっと古くて2005年11月号. 取り上げる特集の題は

「ゲストに言われてガーン・・・会場選び失敗談25」

正確に言うと,会場そのものの瑕疵というよりはちょっとした気配りの不足というものも入っていますが,なにはともあれ箇条書きしてみましょう.例によって,元の記事はこういう箇条書きより数倍面白いですけどね.

<会場へのアクセス>

・駐車場の優待がなくて,こら,有料じゃないか
・駐車場はあるんだけど,キャパが小さくてもう満杯.
・駅前にタクシーが全然いなくて待ちぼうけ
・駅から会場へは石畳の坂道.ピンヒールでは歩けません.年配の親族も大変.「坂道だと知っていたらタクシーを使ったのに」
・案内板(看板)が小さくて見つからず,会場の周りをうろうろ

あがたしより:伝えるべきことはちゃんと前もって知らせるということは必要ですね.あと最寄り駅から会場までゲストと同じ動線で移動してみることもね.

<料理・スタッフ>

・上品な料理というのはいいんだけど,ちょっと量が少なすぎない?
・凝ったメニューを選んだら,どうも多くのゲストに口には合わなかったみたい…
・アレルギーもちのゲストに対応し切れていなかった
・スピーチの最中,スタッフの笑い声が.スタッフ教育最低!
・いまどきソレはないでしょソレは,というケーキのデザイン

あがたし:これは式場自体の瑕疵というよりは,二人のセンスの問題ですね.披露宴の主役は二人じゃなくてゲストなのですし,そのゲストは貴重な時間を割いてわざわざ二人のために来てくださったのですから,せめて「来てよかった」と思っていただけるように,事前準備の段階から心を配っておかねばなりません.

<施設あれこれ>

・キッズスペースないの?
・あのー,更衣室ないんだけど.トイレで着替える羽目になっちゃったよ
・ト,トイレが汚い・・・
・今度はトイレが少ない・・・
・せっかく久しぶりに親族が集合.しかし,親族控え室がありませんでした.
・喫煙場所がとんでもなく不便な場所
・他の婚礼とバッティング.よその花嫁さんの前を横切って移動することに...
・エレベータがなくて,階段移動.お年寄りにはつらかった

あがたし:うーむこれは会場そのものの瑕疵が多いかも.でも限られた時間で下見するとやっぱり見逃してしまいがちですね.だからこそこういう情報誌の情報が必要なのかな.

<披露宴・挙式>

・チャペルの容量不足.後ろの方では立ち見がでました
・披露宴.せ,狭いっす.一度座ったらもう立ち上がれません.
・会場にドンと柱が.新郎新婦の姿がぜんぜん見えません.
・椅子の質最低!ながく座っていられない代物でした.
・ガーデンをバックにした新郎新婦席.でも,もろに逆光.アマチュアが撮った写真はどれも新郎新婦の顔が真っ暗.
・空調効き過ぎ!寒くてたまりませんでした.
・チャペルでは撮影禁止だといわれて,せっかくカメラを持ってきた友人はしょぼん(実はバージンロードの撮影のみが禁止だった)

あがたし:盲点というのはあちこちにあるものですな.でも柱がたっている披露宴会場なんてあるのかなぁ.

とまぁ偉そうなコメントまでついでに書いてしまったんだけど,あがたし自身の婚礼会場についてはまだいろいろ調べてないことが多いんですよね.これから挙式までには毎週週末はずっとあれこれ奔走です.

もちろん,二人でこうやってじわりじわりと未来を「創って」ゆく過程が,後になっていい思い出になるのでしょう.

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2005.12.03

以て他山の石とせよ(彼氏にがっかりした瞬間)

結婚情報誌「ゼクシイ(関東版)」2006.1月号より:

ミニ特集「彼に”ちょっとがっかり…”した瞬間」

盛りだくさんの内容ですが,とりあえず箇条書きでまとめてみますと,

=====要約開始

<準備編:え,彼ってこんな人だっけ?>

  • 新婦両親への挨拶をちゃんとできなかった
  • 新郎母親が想像以上に口やかましく,かつそのことを新婦にちゃんと伝えていなかった
  • 婚約指輪の相談をはじめたら「金ない」の一言で一蹴
  • 両家両親顔合わせの日に見事に遅刻
  • ひたすら優柔不断で,一人では決断できない
  • 会場での打ち合わせの日に,疲労のあまりか居眠り!
  • 披露宴にはこだわりたいとか言っていたくせにプランナーの打ち合わせでは沈黙.で,新婦が意を決して決めたことに対してあとからブチブチ文句を言う
  • 婚約指輪に関して「セールのものでいいよね?」と切り出す新郎!
  • 値引き・クレーム関係を伝えるのはいつも新婦に任せっきり
  • 貯金なし.新婦が会場費などぜんぶ負担
  • 花嫁の希望する演出に対して反対する
  • 決定事項を実家に伝えていないので新郎母親から新婦に連日のように電話…
  • ドレスの試着.最初は見てくれたけど,途中から「どれもいいんじゃない」
  • 招待客リスト完成が遅い,かついい加減
  • 手作り招待状と二人で決めたのに,いざお店に行くと「どれでも同じだろ」
  • 仕事を理由に準備は全部新婦にまかせっぱなし.一人で式場に足を運ぶ新婦!

<当日:うっ…私見ちゃいました…>

  • 祭壇にあがった彼は緊張の極みで汗だく.心配で心配で,挙式の感動どころではなし
  • 照れのせいか,誓いのキスが短すぎ!
  • 新郎側の受付スタッフ未手配.当日あわてて新婦側から人をだす…
  • お姫様だっこで,彼の顔がひきつり
  • キャンドルサービスのとき新婦をおいてさっさと行ってしまう新郎,とほほ
  • 同じくキャンドルサービスのとき,手元が狂って装花に火をつけてしまいました
  • 写真撮影でうまく笑顔ができない彼
  • 新婦の友達に愛想がわるい彼
  • ゲスト紹介の準備不足.名前を間違えるは話はたどたどしいは・・・
  • 披露宴中に新郎がしょっちゅう中座.なんとたばこをすいに行っていたらしい
  • すべての余興に参加してしかも主役級の活躍
  • ひとつ披露宴のイベントがおわるたびに「疲れた~」を連発
  • 「きれいだよ」と言ってほしかったのに
  • 久しぶりに会った友人と話し込んで新婦は置いてけぼり・・・
  • 新郎謝辞は単なる棒読み
  • ひとりで料理をバクバク食べていました・・・
  • デザートビュッフェで普通に並んでいる新郎!
  • 新婦の親や親戚にも少しは声をかけてくれてもいいのに
  • 花嫁の手紙で泣いている新婦にちっともフォローがない
  • 披露宴で飲み過ぎ!真っ赤な顔が写真に・・・
  • スィートルームご招待.しかし二次会で酔いつぶれてバタンキュー

<そのほか,固まってしまったお言葉集>

  • 違う彼女の名前で新婦を呼んでしまった
  • 母親のことを「ママ」と言った
  • 自分のことを名前で呼んだ
  • 会場へのクレームに関して「それだったらうちの親が言ってくれるよ」
=====要約終わり

現実にはこれらのネタを補強するおもしろ記事の満載ですので,興味ある方はぜひご購入ください.いや,べつにRecuitの回し者じゃないんですが.

ところで,これらのなかには,まぁこういうオトコとはオレもつきあいたくないよなぁという態度もあり,そして,うーむこれはオレも耳が痛い(笑)というネタもありました.

でもこの記事を読んでちょっと思ったのが,記者の態度が,単にだらしない彼氏をなじるのではなく,深い愛情をもってその失敗を受け止めるという面も持っているな,という点であります.もちろん,単に思慮を欠いただけの大人げない行動(どきっ)に関しては容赦ないコメントが浴びせられています.しかし仕事上の疲れに起因するなどのある意味しょうがない(って本当にしょうがないのか?というツッコミはおいておいて)失敗に関してはそれなりのフォローがなされています.そして面白いのが,そういう失敗をしたときの”ベスト・取り繕いフレーズ”も紹介されている点です. 二人の間に基本的な信頼関係さえできていれば効き目はありそう・・・というフレーズが紹介されています.

残念なのは,ページ数不足.「準備編」と「当日編」あわせて4pageです.やっぱりシビアな見方でつづった「新婚生活編」も企画としてはアリだったように思います.でもそれはそれで読むのがコワいような気もします(笑)し,雑誌の趣旨とははずれてしまうのでありましょう.

繰り返しになりますが,上記のように箇条書きで書いてしまうとおもしろさが十分伝わらないのだけど本当の記事はけっこう楽しめます.興味ある方はぜひ購入どうぞ.

そうそう,記事中に出てくるアンケート.新婦200人に聞きました:

「結婚準備中や当日に彼にがっかり…したことがある?」
「彼と準備中にケンカした?」

いずれも,NOの返事割合はイチローの打率より低いです.具体的な数字は,はい,掲載紙をごらんあれ.サンプルの代表性に関する議論はそれなりにあり得るでしょうけど,このアンケートをふまえた記事執筆ライターのスタンスは,「若いカップル,衝突はしょうがないよ,でもよりよい未来のために,ちゃんとフォローはしようね」という感じのおおらかなものであります.

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2005.12.01

日本は本当に科学技術大国なのか2

題名の「2」というのは「1」もあるからです.

某所から挑戦状バトンを渡されたりとか,今日はあがたしの誕生日だとか,いろいろネタはあるのですが,その前に急いで書いておかなければならない話題を一つ:

単刀直入,その話題は

「AERA」2005.12.5号を買うべし

ということです.といっても,たった一つの記事のために¥360を払うのはどうよ,と思うかもしれませんが,その価値はあります.

さて,その記事は

「学校の授業でも 『水からの伝言』の仰天:水が言葉を理解するという奇妙な説があれよあれよと広がって」

であります.見開き2ページ.

文中にも登場する,ニセ科学ウォッチャー各氏が,それぞれblogなどに紹介記事を書いています(→大阪大学菊池誠氏,山形大学天羽優子氏など)

これは見物,というものの一つに,あまり大手マスコミに出てくる印象のない江本勝氏がインタビューに応じ,談話がコラムの形になっていることです.

>波動の理論は,僕のなかでの常識.著書に書いた「体内にある108の元素が108の煩悩に対応している」ことも常識だ.常識を発表していけないことはない.

・・・ですって.

まぁこれだけなら「世の中楽しい人がいる」と笑っていれば済むのですが,実は「水が言葉に反応する」という,(少なくとも現時点では)口にするのも恥ずかしい珍説は,意外なことに世の中に広く広まっていまして,なんと学校の道徳(理科ではないですよ,念のため)の授業で取り上げられているという! なるほど,もしかしたら子供だったら信じるのかなぁ.そして実はこの水の結晶写真集は英訳本まで存在し,海外でもかなり売れているのだそうです.たしかに素人にしてはよくがんばって撮っている写真ではありますが,プロの技にはとうていかないませんし,もちろんその説明たるや,国連大学の安井至氏をして,上記記事の末尾で

>科学立国を目指す日本から「水からの伝言」のようなオカルト的な情報が発信されるのは,恥ずかしいことだ.

と言わしめる(まったく同感)代物なのであります.

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2005.11.24

日経バイト休刊

とにかく表題の通り.家に帰ったらポストに入っていた日経BPからのお知らせでした.

「SUPER ASCII」もかなり前に休刊.そして今度は日経バイト. 前は表紙に大きくカタカナで「バイト」と書いてあって,家族にはアルバイト雑誌だと思われていました(笑).

さて,定期購読していたあがたしへ日経BP社から届いたオファーは?

・他誌への振り替え(かなりの割引)
・返金

であります.前者については,BP社からのデフォルト提案は
日経エレクトロニクス
日経ビジネス(最近よく出てくるなぁ)
日経コンピュータ

なのでありますが,あとの二つはもう定期購読しているんですよね.では日経エレクトロニクスか,と思ったら,よくみると別にほかの雑誌でもいいみたい.日経ITプロフェッショナルにするか,日経Windowsプロか,はたまたうってかわって日経エコロジーか・・・あ,Windowsプロも休刊か.とほほ.

でもご存じのような理由で現金をできるだけ手元に置いておきたい今日この頃なので,返金を要請するかもなぁ.

ちなみに,業界関係者には11/01にはすでに知られていたニュースのようです.てか有名なここの2005/11/01の記事などをみればもうその日のうちに誰でも分かったんですけどね.

でも,その記事を読んだこと自体を忘れていたあがたしがここにいる.うーむ.

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2005.11.15

書籍:東京大学とキーワード

誰ですか「書籍」で「東京大学」とくれば「東京大学物語」だと思っているひとは・・・

というわけで「東京大学」をキーワードに書籍をさがすと結構たくさん見つかります.こんな↓感じ.

さて,日経ビジネス2005.11.07号で紹介されていた本,

「170のkeywordによる ものづくり経営講義 」(東京大学ものづくり経営研究センター 著  日経BP社 ; ISBN: 4822244709 ¥1890)

を注文しました.

昔は会社というものにまるで興味がなかったんだけど(第一就活というものをまるでしたことがなく,これだけは学生指導の場合に苦労する),某ベンチャーで契約社員として働きながら学位を目指していたときに「経営って,大変だけどおもしろそう」などと思ったものです.そういえば先日注文したのは,これも経営・起業の本であります.下記(そういえばこれも日経ビジネスの書評で知ったんだった)↓

さて,近年産学連携の必要性がえらく強調され,大学発ベンチャーが数多く誕生しました.これは公費(つまり税金)が投入されているものもあるわけでそれなりに厳しい審査や監視が行われているだろう・・・とおもったらその実態はどうよ?という特集を,本日3回目の登場,「日経ビジネス2005.11.14」が特集しました.題して,「虚妄の大学発ベンチャー:民営化時代のタックスイーター

書いてある内容はおおよそ知っているものばかりなのだけど(ただ東大のTLOが実質黒字だとはしらなんだ),民間経由(?)の大学人として,それなりに保存版の内容です.

で,話が終わったので,おまけをどうぞ(笑)

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2005.11.14

動く大地に挑む先輩

昨日につづいて,ネット記事でみつけたあがたしの知り合いの話:

「渡辺 満久さん 地道な調査・研究で郷土の活断層確認」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/kikaku/061/16.htm
(朝日新聞新潟 2004/10/05)

東大理学部地理学教室にあがたしが学部生ではいったときにすでに大活躍していた大学院の先輩でした.何も分からず連れて行かれた実習旅行(1週間.東北)では,雨中の火山灰地層露出地点(「露頭」といいます)で熱弁をふるってましたっけ.

動く大地というと,名著「大地の動きをさぐる」(杉村新)を忘れてはいけません.中学生高校生向きにかかれた平易な本で,変動地形学の魅力・エッセンス,日本の国土の成り立ち,未知の学問分野を自らの才覚と努力で切り開くおもしろさ・・・そういったものが見事に兼ね備わった必読本というわけです.ご自分の書棚に,どうぞ.


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2005.10.22

復刻の華宵先生


しばらく水ネタが続きましたね,ってブログのタイトルからいってそれは当たり前なのですが,それでもやはり寄り道をしたくなるのは人情?・・・もしかしてあがたしだけの性格?

文春文庫「貞操問答」 (文藝春秋社)
菊池 寛  著
価格: ¥500
ISBN: 4167410052

いったいこれが何か?というと,

★表紙の絵が高畠華宵先生のもの★

なんですね.

内容は,復刻者の新聞連載小説みたいです.連載時期は華宵先生がそろそろ大ブレイクをしはじめるあたりでしょうか. そういえば菊池寛なんて一冊も読んでいないことに気づいたあがたしでした(笑). 

もうひとつ「そういえば」といえば(ややこしい),弥生美術館にも最近行っていない.職場の目の前だというのに.今の展覧会は・・・「こどもパラダイス★~1920-30's 絵雑誌に見るモダン・キッズらいふ~」か.妙に子供にすかれることがあるあがたしなら,これは彼女(そういう人がいるというのは今や公然の秘密となりました)を誘って行かなくてはなりません.

そう,それも特に,「華宵の間」にいかねば.壁には絵の中の美女,脇には生身の美女というわけです. 

お見合いか交際か知らないが女性の紹介を打診された華宵先生が「私には私の絵の中の女性だけで十分です」と答えたという伝説があるけど(本当なのだろうか・・・?でも言いそうだと思わせてくれるところがスゴい),そんな華宵先生があがたしの姿をみたら何と思うかな.わざわざ自分の誕生日に先生の墓をお参りまでした心酔者なんですけどねぇ.

まぁ,絵の外にも,めんくいあがたしのメガネにかなう美女はいるということで.

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2005.10.20

Amazonにブックレビューを書いた話

先日紹介した本・・・

「手づくり井戸に挑戦!―自分で掘れる打ち抜き井戸」
曽我部 正美 著
税込み¥1,890
文葉社2005年9月発行, ISBN 4902254093

について,Amazonにブックレビューを書いてみました.実はこれが初めてのレビュー投稿.☆は5点満点で4点をつけました.1点減点は,地域の水循環に対する配慮をするための実用的情報があまりなかったからです.地域によってはこれが重大な問題になりかねませんからね.

まぁでも,ことさら志を振りかざしたりプロジェクトX的根性物語にしたりといったことが全くなく,淡々とひょうひょうとしかし着実に目標に向かって進んでゆく著者の姿は,参考にしたいものであります.

本書と同じノリをもった,著者のホームページもあります.

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2005.10.18

【記事】中越地震で水量増加・被害者を救った命の水

「新潟県中越地震から間もなく1年…“命の水”に感謝の看板」
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200510/sha2005101701.html
(サンケイスポーツ,2005.10.17)

地震で水量が増加(?),地域住民のみならず広域の被害者から「命の水」として尊ばれたそうです.500年前からある神社の創建時にすでに知られていた水とのこと.

場所は長岡市(旧・小国町).お参りに行きたくなってきました.

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2005.10.14

【新刊】水に関する本2冊

最近注文した本のうち,2冊がとどきました:

「手づくり井戸に挑戦!―自分で掘れる打ち抜き井戸」
曽我部 正美 著
税込み¥1,890
文葉社2005年9月発行, ISBN 4902254093

先週紹介したように,著者のホームページもあります. そのWWWでも感じたのですが,淡々とした語り口と,創意工夫を重ねてついに塩ビパイプ井戸掘り道具を商品化寸前までもっていけたほどの情熱のギャップがおもしろい本です. これはちょっと「買い」です.

なお,多数の「私にも井戸が掘れた」体験談がのっていて,そのうちいくつかにはご当人の作ったホームページURLが掲載してあります.これについてはまた後で「特集」します.


続いては,ついに北海道を対象にした名水本が現れたという点でエポックメーキングな本.


「無料で汲める北海道名水ガイド」
葛西 麻衣子・ 本多 政史  著
税込み¥1,365
出版社: 亜璃西社(札幌) 2005年9月
ISBN: 4900541621

さすがのあがたしも知らなかったという水もちらほら出ています.ただし,題名からわかるように水くみしやすいという水限定ですので,たとえばその規模では度肝をぬかれる白髭滝(白金温泉)や,水くみ施設がない神ノ子池(裏摩周)などについてはまったく記載がありません(なぜか旭川市瑞穂の水神宮の水も記載がありませんが).

まぁそう割り切って,ガイドとして使うのがよいでしょう.周辺のガイド(とくに温泉)も充実した,薄手小型の本で,ドライブのお供には最高かもしれません.

ところで,巻末に「取水できない水場」の紹介がありました. 大滝村「甘露法水」が,池田町「突然湧出湧水」が,様似町「エンルムの泉」が・・・ほかにも多数の水が水くみ不能ないしは水質悪化という状態なのでした.そういう意味でのアップデート情報も,さすが地元取材の結果です.

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2005.10.10

熱く,クールに

一昨日紹介した,自力井戸掘り技術を開発しそれを広めている人のサイト「自分でできる打ち抜き井戸の掘り方」.

この濃い人とおなじノリを感じるサイトがあるので,そちらも紹介しましょう:

季ノ組

とくに,その中の,全国巨石めぐりに関するページです.

とにかく濃い.自分の好きなことに対しては絶対に手抜きしません.そこまでやるかというチャレンジをみせ,見事にそれを達成します.

これら,あがたしのすきな濃い人々(の書く文章や作るWeb)の共通点は,
・前述のように,好きな分野に関しては絶対に手抜きしない.あるいは,本人は意識せず「好きだから」やっているのだがそれが他人にはまねできない希代の力作となってしまっている
・一生懸命やりながらも,どこか「これってかなりばかばかしいことやっているのかもな~」と冷めた目で客観的に自分を見つめる視点も持っている

ということであります. そういった,熱い自分をシニカルに眺めるノリは,ちょうどですね,宮脇俊三氏が日本ノンフィクション大賞をとった「時刻表二万㎞」

とよく似たところがあるのです.そういうところが,あがたしは大好きなのであります(宮脇氏のこの本は,とくに鉄道マニアでない方でも一回読んでおく価値がある本であります.他人からみるとそれに一生を捧げているとしか見えない熱いマニアの,心の内面をふかくえぐったレポートでもあります).

あがたしもこういう文章を書いてこういうWWWを作れればいいんだけどなぁ.

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2005.10.08

井戸を掘る人

一昨日紹介した「手づくり井戸に挑戦!」(せっかくだから,Amazonアソシエイトのリンクをはっておきます)


について,後輩から情報.著者のWebがあるのだそうです.

ここです→自分でできる打ち抜き井戸の掘り方

自力での掘削を成し遂げた話,材料はホームセンターですべてそろえたという話.工夫に工夫を重ねて身の丈にあった工具を自前で作ってゆく話.

濃い,とにかく濃い

こういう人大好きです. なるほど,人間こんなことができるんだという感じを与えてくれます. 日本イノベーター大賞はとれそうにないけど,やはりイノベーターだと思うのです.

もっとも,チャレンジする人は,(上総掘りと同様に)掘るにしても地質を選ぶということ,そして所詮人力なので歩みは遅々たるものになるということ,などなどは覚悟のうえでやってみてください (このことは上記Webでもちゃんと釘を刺してあります.そういう良心的なところも結構あります).

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2005.10.06

【新刊】あなたも掘れる掘り抜き井戸

修了式・入学式が無事終わってほっと一息.

Book-Mapの,地方小出版・今日の新刊で発見.すごい題名,すごい内容(たぶん).思わず注文してしまいました.夢があっていいな~:

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4902254093/

タイトル:手づくり井戸に挑戦!
副題  :自分で掘れる打ち抜き井戸
著者  :曽我部 正美
価格  : ¥1,890 (税込)
出版  :文葉社 2005年9月
ISBN  :4902254093

あがたしは常日頃の本探しは,この地方小出版DBと,あとは紀伊国屋BookWebですね.後者では最近でた本の中から「水」が題名・副題に入っている本をリストアップするということを定期的にやっています.

全然関係ない本,たとえば「水着写真集」(笑)も大量に引っかかるのですが,名水・わき水本さがしには実に役に立っています.

あと,検索ネタなんですが,Amazonで「名水」をキーワードに検索するとなぜかこの本がヒットするのです.なぜなんでしょう? まるであがたしが結婚式の司会を頼まれたみたいではありませんか.どちらかというと,頼むほうの立場なんですけどねぇ.

付記:
さっき気づいたんですが,実はこの本だけでなく,大量のウェディング関係の本が,ジャンル別リスト「飲料水」に入っているのです.なんだか謎なのであります.あがたし向けにカスタマイズされた結果なのかもと思ったけど,あがたしは,すくなくともAmazonではウェディング関係の本は買ったことがないしそういった本の(Amazonでの)検索をしたこともないので,ますます謎ですねぇ.

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2005.06.08

【新刊】誰が日本の森を殺すのか

ひさびさの更新は,知り合いが新刊を出すと知ったというのが,動機. 周囲の人ががむばっている環境って,いいですね.

題名は「誰が日本の「森」を殺すのか

著者の田中淳夫さん自身による紹介は,http://homepage2.nifty.com/tankenka/chosaku-9.htmlにあります.

田中さんで「森」「殺す」といえば,「”森を守れ”が森を殺す」を思い出しますが,今回は編集の方が「誰が「本」を殺すのか」(佐野眞一)をもじってつけたものらしいです.

最近読んだ本に,「緑のダム―森林・河川・水循環・防災」(蔵治 光一郎保屋野 初子 編 築地書館 2004年 →発行所による紹介Amazon)があります.論争かまびすしい「緑のダム」について,その正体はいったい何なのか,本当の効果は何なのか(あるいは本当に効果はあるのか),いま日本の森で何が起こっているか,行政施策はどのように行われ変わっているのかetcをいろいろな著者が論を寄せています. 面白いのは,まるて違う結論を出している論文がそのまま並んでいる点でありまして,この問題がまだ未解決のものである(いや,各著者からみると「すでに解決済み」と思うのかもしれないけど・・・)ことをよく教えてくれます.

「山に森をもっと増やせば洪水は減る」とナイーブに考える人はそろそろ減ってきたという実感(あるいは願望)を持っています.山には森が満ち溢れ,歴史上稀に見る森林率の高さとなっていますから. でも,では森がたくさんあるからそれでいいというのか?というのが,最近は問われているというのがこの「緑のダム」を読むとよく分かります.

どんな森でもいいのか,それともある種の森は水源涵養機能において著しく劣り,水文学的には「森」と呼べない代物だったりしないのか?という問いかけについて,書かれた論文やそれを問うている文章が多く入っているのです.

・・・と,話が脱線してしまいましたが,田中さんの「”森を守れ”が森を殺す」は,ここにもあるように,「森林は水を溜める「自然のダム」ではない」や「森林は酸素の供給源ではない」というふうに,森林についてナイーブに思い込まれてきたことについて噛み付くところから始まっていました.今から9年前にです. 内容自体は森林の研究者にとってそう目新しいものではなかったにしても,一般向けの書物としては斬新な視点であったといえるでしょう(ちなみに,植物の光合成による炭素固定と呼吸による炭素放出を両方知っているかどうか,は環境に興味ある未成年の若者に会った時にあがたしがよく聞くことだったりします). 

なお,そういう噛み付きは実は本の冒頭部分に集中しており,残りはむしろ実際に森林の現場に行ってきたレポートを,森に対する愛情をにじませながらもジャーナリスティックに記す本となっています.「みんな,森に行こう!」という呼びかけが聞こえてくるような,そんな本です.

さて,もう数日すると田中さんの冒頭の本は本屋に並ぶそうです.早速手にとって読んでみることを決意し,楽しみに待っているところです.今度はどんな視点で日本の林業問題に切り込んでくれているのでしょうか.

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2005.05.01

最近買った本/義経の涙/古文書との対決

最近歴史系にも興味をもちだしたあがたし・・・

ひさびさに本屋にいったら,いつもは行かない歴史書のところで足がとまり,そして以下の本を買いあさり・・・ 興味が出てくるといろいろなものが見えてくるものですね.財布には厳しい環境となったけど(笑)

●志賀直愛ほか編「建築散歩24コース 東京・横浜近代編」→Amazon紹介
 山川出版社,2001年
 近代建築に関する薀蓄とガイドの本です.本郷の東大構内も,じつは近代洋風建築のテンコモリです.イロイロな建物の入り口にある列柱にある渦巻きは,ほう,ナニナニ式か,なるほど.

●吉田伸之「21世紀の「江戸」」→Amazon紹介
 山川出版社日本史リブレットNo.53,2004年
 江戸の「暮らし」をビビッドに描く.将来への指針となるかな?

●飯沼賢司「環境歴史学とはなにか」→Amazon紹介
 山川出版社日本史リブレットNo.23,2004年
 耳慣れないこの学問を紹介する.あとがきでは,「環境歴史学とは森と水の
 学問でもある」と書いてあって,興味をひかれます.

●吉田豊「寺子屋式 古文書手習い」→Amazon紹介
 柏書房,1998年
 明治期の文書で変体仮名を学ぶことからはじめてだんだんレベルを上げてゆ
 く実践古文書読み解き本です

●飯倉晴武「古文書入門ハンドブック」→Amazon紹介
 吉川弘文館,1993年
 専門的に学び始める人のためのものらしい.

●児玉幸多編「古文書調査ハンドブック」→Amazon紹介
 吉川弘文館,1993年
 文書の探し方・記録法,歴史や社会情勢の基礎知識
 上の本とあわせて,読みこなせるようになるのはいつなのかなぁ.
 そうなるのは楽しみだけど.  

●五味文彦・本郷和人「中世日本の歴史」→Amazon紹介
 放送大学教材,2003年
 放送大学で中世文学のテキストを探したけどその本屋には見当たらず.その
 前に社会文化を知ろうと,この本を買いました.

●今村啓爾「縄文の豊かさと限界」→Amazon紹介
 山川出版社日本史リブレットNo.2,2002年
 見事なタイトル.環境問題に興味ある人は間違いなく惹かれるでしょうね.
 さあ,著者のいう「限界」とは何か?

●山本英二「慶安の触書は出されたか」→Amazon紹介
 山川出版社日本史リブレットNo.38,2002年
 誰もが歴史の授業で名前を聞いていながらその実物を目にした人はだれもい
 ないという不思議な書,慶安の御触書.それは実在したのか?それとも後世
 の偽作なのか?ミステリアスな導入から江戸の暮らしの実像に踏み込む.
 歴史推理小説タッチ.うまい構成だなぁ.

紹介文をみて分かるように,はい,まだほとんどは読み始めてません(笑).でも最初に読み始めているのが吉田豊「寺子屋式 古文書手習い」です.実践例がたくさんあって面白いです.それにしても,明治33年までかなの書き方は一通りに定まってなかったのか・・・(知らなかった). TVで話題?の義経ネタもありまして,あの有名な慟哭の手紙「腰越状」(鎌倉・腰越の満福寺に,弁慶によると伝えられる下書きと称するものが展示されているらしい)の,ルビつきのものが昔寺子屋での読み書き教科書に使われていたそうで,そのルビつきのものを実例として解読サンプルとして挙げてあるのでした.

冒頭では昔の仮名(今とはだいぶ違うところもあるよ)を習い,それをもとにして,その仮名で書いてあるルビも参考にしながらじわじわと古文書を読み解く感覚,実に面白いものです.後半ではルビなしの本気古文書を読み解くというガチンコ勝負がありまして,なかなか歯ごたえがあります.

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2005.03.08

【雑誌】「一個人」の名水連載

またまた名水掲示板から転載.予算締め切りまえはいろいろと忙しいのです.

=====以下転載

一個人」という雑誌(KKベストセラーズ)に,「全国の名水・湧水を名車で巡る」という連載記事がありまして(カラー3ページ),取材協力ということであがたしの名前もこっそり紹介されています.

さて,今年に入ってからの紹介湧水(プラスアルファ)は,

1月号:
 湧玉+棚下不動滝(群馬県北橘村・赤城村)

 名水ファン・滝ファンにはよく知られているにしても,現地に行くと全然観光地でない(てか観光案内板もない)というふたつですね.インタビューは湧玉を擁する神社の方.
 ちなみに登場した車はトヨタ・アイシス1.8L 2WD(L).メイン特集は「仏教を愉しむ旅」

2月号:
 出流原弁天池+蓬莱八瀑(栃木県佐野市・田沼町)

 一応名水百選で周辺は観光地なんだけどいついってもポリタン族を見かけない不思議な水場ですね.組み合わせた渓谷(熊穴渓谷)は,マニアックな深い渓谷ですが,とりあえず入口だけを紹介.インタビューは佐野市教育委員会の方.
 車はスバル アウトバック L.L.Bean Edition メイン特集は「脳がグングン若返る脳力アップ読本」

3月号:
 弁天清水+真楽寺大沼池(長野県小諸市・御代田町)

 珍しく湧水二連発です.弁天清水は南さんのお気に入りの一つだったりします(http://homepage3.nifty.com/mizunotabi/10sen.htm).大沼池は,浅間山の湧水を調べている学生に「お勧めはどこ?」と聞いたら南麓のイチオシとして紹介してくれたといういきさつがあります.無名の巨人.インタビューは弁天清水の昔を語る,歴史な方.
 車は光岡自動車(輸入元) TD2000というなんともクラシックなもの.これで旧碓氷峠を越えれば気分は最高? メイン特集は「桜と花の絶景巡り」

4月号:
 滝の不動尊+豊英大滝(千葉県富津市・君津市)

 いろいろな名前で呼ばれる,千葉県代表の湧水.組み合わせられたのは,ナメの美しさでしられる豊英大滝.インタビューは,その水を今も守りつづける有志グループの代表の方.
 車は日産 フーガ 350GTスポーツパッケージ2WD.バッハ好きの安形氏には気になる名前か? メイン特集は「和の作法帖」

=====転載ここまで

車についてはエラそうに書いているけど実は全然分からないので単なる見た目の印象を書いただけ.けど,最後の「フーガ」(こんな名前の車があるなんて知らなかった)は,ホンダの「プレリュード」と並走すると,さらにバッハっぽくなるかもしれません(?)  ついでなら両方とも24台づつそろえて平均律行進といきますか!

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2005.03.06

【新刊】南正時さん久々の名水本

予算締めプラス締め切り仕事オンパレードにて,名水大全掲示板より転載にてお茶を濁す・・・

=====以下転載

http://homepage3.nifty.com/mizunotabi/book.htm

をご覧ください.南正時さん+淡交社という黄金コンビから,3/16に新刊の名水本が発売されます.題名は

関東・甲信越 とっておきの名水120

南さんによると「文は単なるガイドではなく、水の文化、風土、風俗、旅の要素を取り入れたものとなっています」とあります.もう単なるガイド本の時代は終わって,水にそれ以上の(あるいは別種の)「価値」を見つける時代になっているという主張なのでしょう.これは安形氏も同意です.

安形氏が取材協力している,雑誌「一個人」の名水連載ページのコンセプト(これは安形氏ではなく編集部が決めるもの)も,やはり同様に水自体の紹介に終わるのではなく周辺の歴史文化民俗自然環境etc…を広く触れるようにしているそうです.

なお,南さんは今年はこれに引き続いて続々と新刊を刊行されるとのこと.楽しみです.

=====転載ここまで

でも現実の「水場」には,この人たちには「単なるガイド本」で十分なんじゃないか?という悪質ポリタン族(たとえばここをみてね)が大勢来ているのも事実.でもこういった本や(それからもちろん,名水大全もね!)を頼りに,自分で静かな名水を探すというのも楽しいものです.

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2004.07.10

帰国!

帰国してすぐにこれを書いてます.なんてまじめな僕(笑)

それはそうと,出張中ずっと一人で夕飯を食べながら読んでいたのは,D.ホフスタッターの

ゲーデル・エッシャー・バッハ

(Gödel, Ecsher, Bach : an Eternal Golden Braid, by Douglas R. Hosfstadter, 1979. Basic Books Inc. / 野崎昭弘・はやしはじめ・柳瀬尚紀訳,白楊社,1985) なのであります.

初めて読んだのは大学に入ってすぐ,いや,合格が判明したころか.
そのころおぼろげに知っていたのは,せいぜいエッシャーの絵程度.

そしてその後,より深くゲーデルを学んでから読むと,それまできづかなかったいろいろなことに思い至る.

さらにその後,そう,バッハの「音楽の捧げもの」(この本はまさにこの組曲に関する記事から始まるのだ!)をより深く知るようになってから読むと,またさらに違う像が現れてくる.

ま,そんな本.一生付き合えそうな,深い深い何かを持った本というわけです.

今度読み返すのは,「何」を知ったときだろう?とりあえず,バッハの「フーガの技法」は学んでおいたほうがいいとはわかりましたが.

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2004.06.15

山の本二題

最近買った本2冊:

山野井泰史「垂直の記憶:岩と雪の7章」山と溪谷社,2004年.
最近ヒマラヤ(7950mの高峰のくせにやけに無名なのは,チョモランマのそばという不遇な位置にあるため)のギャチュン・カンという難峰で夫婦ともども奇跡の生還を果たし,両手両足あわせて10本の指を凍傷で失った著者の,これまでの半生の(他人から見ると)超人的な登攀をつづった手記.

ほぼ全ページ「今日のことば」に使えそうな表現が連続します.

あがたしは,よく気に入った表現のあるページの角を折る癖があるのですが,この本についてはもう最初の数ページ読んだだけでそれはやめました.そういう表現のないページを探すほうが難しい.

これを読んで思うことはまたいつか記すとして,冒頭に1/2ページで短く書いてある「地形用語解説」の見出し語がちょっと面白い.皆様はいくつわかりますか?:

オーバーハング/カンテ/クラック/クーロワール/懸垂氷河/サイドモレーン/スラブ/雪田/雪庇/セラック/チムニー/ディエードル/テラス/ヒドンクレバス/ピナクル/プラトー/フレーク/ヘッドウォール/ベルクシュルント/ベルグラ/ボルダー/モレーン/リッジ/ルンゼ/ロックバンド

もっとも,「地形」用語しか出ていないのだけど,本文中にはずいぶんと「用具」の用語が出てくるんですよね.これは解説がありません.まぁ知らなければ読めないほどでもないけど,バイル/ピトン/ロープ(これはさすがに皆知ってるか)/ストック/ピッケル/ギア/登高器/ピック/コッパーヘッド/ポータレッジ/ラープ/ナッツ・・・を知っているとより興味深く読めるでしょう.

てか,それらを知っている人が読者対象なのか?それにしては地形解説がわざわざついているのは不思議だ.

余談:
フリークライミング・スポーツクライミングやボルダリングになると,またさらに別のジャンルの特殊用語が入ってきます.たとえばホールドの形状についてだけでも,思いつくままにあげてゆくと

コルネ/カチ/ガバ/ポケット/オフウィドス/ルーフ/狸の腹/ピンチ/サイドプル/バケット/砂時計/ジャグ/ハリボテ/饅頭

他に,ムーブ(動きのこと.なぜかモーションとは言わない)については

ランジ/デッドポイント/シットダウン(スタート)/クロス/木村ステップ/キョン/ガストン/アーケ/タンデュ/出前持ち/かえる足/ハイステップ/ニーバー/トウフック/ヒールフック/マントル/トラバース/スメア

と膨大な数になります.

本題に帰ると:
もしかして,用具の名前は知ってるがアルパインに行ってないイマドキのフリークライマーが読者想定層なのかも?と気づきました.

ピット・シューベルト著,黒沢孝夫訳「続・生と死の分岐点」山と溪谷社,2004年

わが国の登山界に衝撃を与えた著の新版.今回もパワー十分.ドイツ山岳会(DAV)が総力を挙げてあつめた本当の事故の実例とその詳細な分析. 山に「住む」われわれがいかに危険と隣りあわせになっているか,いかにくだらないミスが致命的な事故につながるか,まざまざと知らせてくれます. が,よく考えたらあらゆる交通事故もそういう性格を持ってるんですよね.

章の名前を見ているだけで楽しいので書いておきましょう:

山歩き/循環器/生き延びる力/登攀路での落雷/登攀路での落石/人工壁から高山岳へ/ロープの耐久性/確保点での自己確保/テープ結び/粘着テープ/懸垂下降/片方のロープだけで!:案外多い勘違い/エイト環がカラビナを押し開ける/ビレイヤーの法的責任/トップロープ・ボルト/スリングの融解損傷/その他の事故/ダーウィン賞/危険中毒/他者の間違い/九死に一生/山岳救助隊/山での飲酒/奇妙な事件/おわりに

「ダーウィン賞」というのがすこし説明が必要でしょうか.これは毎年,世界でもっとも奇妙な,あるいは思慮を欠いた行動による亡くなり方をした人を「表彰」するという賞です.http://www.darwinawards.com/がホームページです.山岳の世界でも,「なんでこんなことしたの?」ということが原因になるような事故もおきています.

深刻な事故写真・精妙な技術写真とともに,ユーモラスなイラストがなんともいえぬコントラストを描いている不思議な本です.

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2004.05.11

[今日のことば]うにが少なすぎる話

昨日書いたうにに関する面白い記事は,先日高島屋であった催しに関するもので,要するに高島屋からの謝罪広告です.Internetに載っているかとおもったけど,見つからず,でも,国民生活センター回収・無償修理のおしらせに載っていました(http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20040501_2.html).以下,「…」は中略を示します.

このたび、弊社東京店8階催会場におきまして…開催いたしました「大九州展」のイートインコーナーにて、「天草豪快うに丼3,150円(一人前、税込)」を…販売させていただきましたが、…催事期間中、実際にお客様にご提供したものより…新聞折込チラシに写真で掲載されたものの方が、うにが多く盛り付けられていたことが判明いたしました

紙面で見たときには腹を抱えて笑ってしまったものだけど(切抜きまでしてしまった.こりゃめったに出ない傑作謝罪広告だ),実は消費者団体は典型的な誇大広告とみて憤慨しているらしい(→そういう記事もある).まぁそういう見方もあるか.ところで,東京新聞では記事となっていたらしいです.その内容を信じるなら,クレームをつけてきたのはなんと一人!

ちらしではどんぶりのご飯が見えないくらいだったのが、実際は少し見えるほどの量だったという。

というのは,果たしていったいどれくらいの違いだったのか…うにを食べない(大の苦手)あがたしには,はい,わかりませんです... それに,一杯三千円なりのメシというのも,ちょっと想像を絶する世界ですね.

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2004.01.13

野外調査での恋から謎の風穴まで:2004年一月の論文[2]

出張中に届いていた論文種など.

水文水資源学会誌水文水資源学会発行)Vol.17,No.1

もちろん安成先生の巻頭言も最高だったけれど,この号はやはり「シリーズ:若手のページ」に載った「フィールドは恋の花咲くこともある」(p.93,筑波大,加藤知道氏著)がイチオシでしょう.実は某日記ですでに先を越されてコメントされているんですけどね.

地理学評論(日本地理学会発行,Vol.77, No.1: 2004 Jan)

この号は個人的にはかなりアタリ

田中 博・村 規子・野原大輔(2004):福島県下郷町中山風穴における風穴循環の成因.地理学評論,77,1-18

おお,風穴っすよ風穴! なんともマニア心とフラックス野郎さらには元洞窟屋のマインドをくすぐってくれる報告です.

遠藤匡俊(2004):1800年代初期のアイヌの社会構造と命名規則の空間的適用範囲.地理学評論,77,19-39

きたー,アイヌ文化圏研究.これでも安形はアイヌ文化に関心をもっていたりするので(最初はモレウの美しさに惚れたのですわい).村落単位で人間の命名の重複がほとんどなかったのみならずアイヌ文化圏全体においてもほとんど重複がなかったという視点が新鮮です.

中村洋介・金 幸隆(2004):ローム層のボーリング掘削に基づく富山県魚津断層南部の第四紀後期における上下変位速度の算出,地理学評論,77,40-52

著者と同姓同名の学生を知っているので最初はちょいとおどろいた.結局違う人らしいことが分かったけどね.

ボーリング資料については以前はわりとイイカゲンな解釈が横行していた時代があったのかもしれないけど,やはりきちんと解析するときちんとしたものがそれなりに出てくるものだ.

ちなみに東京経済大で開かれる今年春の地理学会の要綱も出始めています(→現時点でのオンライン資料(第3報)).発表登録は,Web経由だと1/22まで.

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